第13回 芸能人大臣の馬脚
震災は発生した。阪神・淡路大震災のときには、インフラ整備とライフライン(鉄道の復旧と高速道路)に焦点が当てられ、事実、一般人からすれば恐るべき速さで復旧している。今回の地震で法面が崩落するなどした常磐自動車道が6日で復旧したことを海外メディアは驚嘆しつつ報じているが、高架道路でない場所は意外に早く復旧できるものである。
しかし当方が何度も書いているように、「人災」はいまだに続行中である。福島県出身者に浴びせられる、言われなき『放射線差別被害』などはその典型である。あまりに過剰な反応を示す国民が大勢いる(福島の瓦礫処分に毒づいた川崎市民の民度がうかがい知れる...)のは、明らかに原子力/放射能/放射線に対して無知であることが起因している。原子爆弾を想起する向きがいることも想像に難くない。震災後の教育という視点からも変革が求められる、また、そういう変革を震災は国民に突きつけたとも言える。
さて、一方。都知事と何たら大臣とのバトルは、都知事選が終わった後にまたしてもヒートアップ。今回は、なんと、節電に対して積極案を提示した都知事に噛み付いたのである。
襟立てがステータスと勘違いしている某大臣。確か、役職は『せつでんけいはつたんとう』ではなかったのだろうか?(ひょっとすると、自分の持ち場がわからないかもしれないと思ったので、ひらがなで書いてみました。さすがに『読む』くらいはできるでしょう^^)自動販売機が無駄な電力を使っているのをちょっと止めようよ、という都知事の提案をこう言って切り捨てたのである。
「清涼飲料業界は主要19社で4・5兆円の売り上げがある。自販機での売り上げは1・9兆円で42%を占める。自販機をなくすのか。そこで働いている人もいる」
無くすとは一言も言っていない(完全に論理が飛躍している/君の行った仕分けと勘違いしとるのと違うか?)。前の花見自粛のときとまったく同じである。正論を言われると『むかつく』のだろう。そして、わたしが最も気にするキーワードは「そこで働いている人もいる」だ。
確かに、事業仕分けでは、『そこそこ』の成果を挙げたといわれているが、それによって職を失った人は、数え切れない。職がなくならないまでも、生活に困窮している人もいることだろう。そういうことは数字には表れない。事業仕分けをして『廃止』だの『縮減』だのを言い渡したときにその事業に携わっている『働いている人』が見えていたとは到底思えない。
確かに、大臣だけに、物事を大局的に見ていて、自粛することによってそういう一面が出てくることを危惧した発言と捉えることもできる。あくまでも好意的に捕らえたら、という解釈だが、自分がしてきたことは正義で、他人が言う正義にはこうやって反論する。同意するとか、擦り寄るという意識がまったく感じられない。これが『せつでんけいはつたんとう』大臣のやっている仕事ぶりである(漢字変換忘れたわけではないので^^)。
節電に対してまともな『啓発』をやっていないどころか、こうしたらどう、という提案にまで苦言やら不快感を表す大臣がいたのでは、進むものも先に進まない。まあ、この女など顔が出ているからまだ何ぞしているといえるのだが、もう一人の『疑惑の総合商社』発言の本人など、本当に何をしているのかさっぱり動静がつかめない。人選ミスだけですまないこの人事。こういうことも『人災』が進行中であることの証明といえるだろう。
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