第15回  癖だとしても…

 このコーナーで写真を載せることはほとんどない。リンクを参照とか言うのがほとんどだからである。
 しかし、とうとう私も腹に据えかねた。この写真は、「こいつ」の本性を現したかのようなものだからである。
 

 一応解説しておくと、福島県を訪れた首相の某(もう名前すら書きたくない)が、福島県知事に謝罪している場面である。

 マスコミもいっぱいいる、衆人環視の中での謝罪シーンだ。当時の与党の追い落としを共同で仕掛けてきた、いわば「戦友」が見守る中での謝罪シーン。普通なら、ピシッと決めて、支持率アップは無理でも好感度の復帰くらいの役割がなければ、謝ったとしても価値がない。時期が遅いとかそういう問題ではなく、「姿勢」や「誠意」が問われるシーンであるはずだ。
 しかし、当の首相といったら、どういうわけか腰に手を当てて、腰を折り曲げている。動作をしながら語りかけているようにも見える。それに対して、福島県知事は、2枚目にもあるように、やや目をそらしながら、表現しようがないという表情を浮かべている。

 さて、謝罪といえば、不祥事をしでかしたり、倒産の憂き目に会って株主に対してなど、いろいろなシーンで見かける光景である。ほかの方々の謝罪している写真をいろいろと持ち寄ってみた。


 一枚目は某プロボクシング選手だが、真摯に謝罪/反省している様子がこの写真からでも伺える。2枚目は食品に異物混入事象があったときの会社の会見の模様だが、この2枚目が一種「標準的」な謝罪の一こまである。いまさら言うまでもないが、90度に体を曲げ、頭頂が見えるくらいがちょうどいいとされる。
 結果的にそういう写真が出てこなかった、つまり、この程度の謝罪とも付かない表情の写真しか用意できなかった。これはすなわち、この人が、謝罪したくて福島に赴いたわけではないということを如実に表している。この人の頭の中には「トウデンガー」とか、いろいろ頭の中を渦巻いていたのだろう。「なんで俺が」ということが、こころの片隅にでもあるからこんな態度にでるのである。

 だいたい、腰に手を当てて謝罪している写真など、「謝罪 写真」で検索しても、この男のものしか出てこないのだ。ひょっとしたら、この人にしてみれば、謝罪のスタイルはこれが基本で、「癖」のようなものなのかもしれない。百歩譲って癖だとしても、それが世間一般常識から著しくかけ離れたものであるという認識がない。あればせめて手は体に沿っているだろう。
 そんな人間が国のトップにいるのだ。具合が悪いなんてものではない。また世界に対して恥ずかしいとか言うレベルをはるかに超越している。こいつが国のトップであり続ける限り、日本人がますます世界の笑われ者になる結末しか見えてこない。偽善者はこの日本にはいらない。
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