第24回  「人災」=「口災」 その2

 何も言わずに、この動画を見ていただきたい。
 →松本 龍復興相が知事を叱責 TBCの地方ニュース

 冷静に書いて行きたいと思っているが、必ずどこかで爆発することを認識しながら、感想を述べることにする。

 余談だが、当方、苗字は「松本」である。この苗字の有名人はかなりいるし、中でもこのたびの映画「さや侍」のメガホンを取った松本 人志氏(ダウンタウン)の、シュールで、絶対妥協を許さない笑いの姿勢には、畏敬の念すら覚えている。ほかにも、松本清張や、松本零士など、おなじみの方も結構いる。
 そして今回俎上に上げる松本龍・復興担当大臣なのだが、今回の動画を見て、少なからず殺意を覚えたのは間違いない。

 それでなくても、この会見の前後にこの人は問題発言ばっかりしている。
 閣僚にありながら、首相は退陣すべき、と言い放ったのなどまだ序の口。野党の協力が不可欠の法案の審議の入り口に立つ前から、政党はみんな嫌いと言い放ち、野党の格好の攻撃の的にされている。

 この人が何か言葉を発するたびに、周りが騒がしくなる。ある種のトラブルメーカーではないかと思うのだが、今回の村井・宮城県知事との会談の席上での、あの鼻持ちならない高圧的な、上から目線的発言。一緒に復興をがんばりましょうという協力体制すら感じ取れず、挙句「お前らでやるっていわないと俺ら動かんぞ」と恫喝まがいの物言い。「どの口が言うのか」と胸倉をつかみかかりたくなる衝動に駆られた。

 要するに「丁重にもてなしてくれる」「崇めてもらいたかった」自身のプライドというちっぽけなものに狂いが生じただけでのこの変貌振り。こんな人が大臣になった=こりゃ、本格的に「復興する気ゼロ」といいたいのだな、と悟ってしまった。場当たり的で、しゃべれば問題発言ばっかり。トップが権力にしがみつきまともに運営しようと思っていないのだから、無理もない。

 「最後のはオフレコ/書いた社は終わりだから」と並み居る記者を嘗め回すように見た大臣。これでカチンと来なかったらジャーナリスト失格である。もっと言う。今すぐ新聞社を辞めるべきである。こんな小物大臣に気兼ねしてまともな記事のひとつも書けないのなら早々にペンを折るがいい。その意味では「書かずに公開した」TBCはまだよくやったほうである。そもそも被災地/被災者の代表に投げる言葉とは思えない発言の数々。任命責任どうこうというより、人間・松本龍としてこの人のそこの浅さが見えてしまった。
 口は災いの門。せめて同じ目線に立った言葉遣いは心がけたい、と奴の動画を反面教師にしていきたいと思う。
 (早々に退任されましたので、別内容でもう一本あります^^)


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