第25回  無能大臣の馬脚

 被災地の知事を罵倒するかのような(そこまでひどいことをしたとは思えないし、被害者を前にしてのこの物言いはどう考えても問題)、発言で物議を醸した松本龍・復興担当大臣が昨日辞職した。

 知ったかぶりの「長幼の序」や、彼にいいように解釈してあげようと思っても土台無理な「上から目線」発言の数々。とどめの「オフレコ/書いた社は終わり」など、本気に捉えてしまった新聞社が多数だった=それだけ元大臣の本気度が伝わっていたことでもあり、彼の出自などから考えてもそう取られるような人柄だった/逆に言うと、権力に屈したメディアはもう要らない などなど。大臣としての資質ゼロだったということにもなる。
 (ちなみに、ここで彼の使った長幼の序という言葉だが、辞書によると、「年長者と年少者の間にある一定の秩序」であり、この場面で、年齢「だけ」をとらまえること自体が偏狭すぎる。当然、年少者である知事が先に会見場に入っていないといけないルールはなく(むしろ待たせた感になり訪問者に失礼に当たるとされる)、訪問者のほうが先に会見場に入っているケースは、特異でもなんでもない。かようなわけで、最低限のビジネスマナーも知らない人間が大臣に付いたということがいえるわけである)

 実際、かれは、7/4の時点では辞める気はないという会見を、どういうわけかビルの屋上で行っている。その内容が、市井の人間の謝罪や釈明でもするような内容とは程遠いものだったのだ。
 全文ではないし、要旨しか報じていないものが多いが、仮にそれでもこの論調は異常である。
  『私は九州の人間ですけん、ちょっと語気が荒かったりして』『ちょっとB型で短絡的なところがあって、私の本意が伝わらない』

 真摯に謝ろうとする姿が感じられない。ああいう言動をしたのが、自分の出身地であり、血液型のせいにしたい、というのが見え見えである。
 だから辞める気がないといえるのである。自分のせいではない/何者かが言わしめたものだ と開き直ったとも取れる内容なのだ。
 もともと民主党の人間が発する言葉の端々に「ほかのせい」にするものがやたらに多い。ジミンガーはもはや使い古されてしまって、ついにキュウシューガー、ケツエキガタガーまで登場してしまった。もうなんでもありである。

 彼は9日で職を辞した。9日間で一体何をなしたのか。国民に自身のバカさ加減を露呈し、これでも国会議員が務まってしまうという悪い例の見本みたいにしてしまったこと、何より政府にとっては大幅な失点になったことから考えても、「いないほうがまし」というとんでもない存在だったことが浮き彫りになる。
 もちろん、彼を要職につけた某首相の任命責任は問われてしかるべきだろう。自身も辞めて被災地の人々に謝る事をしないと、東北地方で民主党の議員が活躍できることは皆無に等しいのではないか?人事ながらそう思ってしまう。

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