第38回 逃げて勝つつもり?
大阪府知事/大阪市長選挙のダブル選挙は、橋下氏の府知事退任・市長立候補で、がぜん面白みを増している。
大阪都構想をぶち上げ、「二重行政になっている府と市はひとつになったほうがいいに決まっている」の持論を引っさげての立候補。もちろん、既得権益の側である現市長にしてみれば「厄介」と受け取るのは当然だ。
だからといって「独裁」と言い放ったり、なりふり構わぬ「反・橋下」連携など、どう考えても破綻をきたしているのは現市長側である。
そう。今まで、市長に関してはここまで個人名を書いてこなかったが、これから一切書くことはないだろうと思う。それほどまでに私の中から、この人に対する信頼感や信用というものはなくなったといっていい。
11/24に放送される予定だった、テレビでの公開討論番組をこの市長は「スッポンかました」のである(標準語で言うところのドタキャンのこと)。
体調不良でもなんでもなく、突然の出演拒否。2時間の生で、しかも、司会にはかの有名な田原総一郎氏まで招いて行う、世紀のビック対決になるはずだった。
どうも11/22のラジオ討論会でもひと悶着あったのが原因ではないかとうわさされるのだが、仮にそれでも、討論の場から逃げるように「出ない」という選択は、絶対不利に働くはずである。
ニュース番組でにこやかに一日の出来事を述べているアナウンサー時代の彼を知る当方としては、政治の分野に入り込んだところで何ができるのかと思っていた。
結果的に、組合に取り込まれたかのような発言しかできなくなり、守旧派の様相を呈するだけになってしまった。左も右も市長側についていることが何よりの証拠である(共産党まで共闘するとは驚いた!)。
今回の欠席で、橋下氏が市長のいすにさらに一歩近づいたのは間違いない。仮に今の市長がいすを手放さなくてすむとしたら、どんだけ大阪市民は変わることを恐れるのかな、と、いい笑いものになりかねない。
よもや、失言を恐れて討論したがらない人をもう一度選ぶとは思っていないのだが、市民はどういう決断を下すのだろうか?
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