第18回  総会の外の奇妙な光景
 
 東京電力/関西電力の株主総会は、ニュースにもなり、それぞれ史上最多の参加が認められたという。そして、どちらの総会も長時間にわたり議論が尽くされた。
 ただ、ひとつ解せないのは、「原発依存度」が高い関電の株主総会での、橋下氏の参加である。
 参加が気になったというのではない。質問内容に答えてくれていないとむきになって記者会見を開いたことである。
 だいたい、「再稼動」でもめている状態の直近の企業に対して、「未来のこと」を聞いたところで、すぐさま答えが出るとは限らない。逆に、自分のところの「大阪都構想」とやらで、突然の災害や事故などで立ち行かなくなってしまったときに、その次善の策を用意しているのか、と聞いてやりたい。人が重要な政策と、ハードが重要な経営とでは、当然語るべき内容も重さも違う。答えられないという関電も情けない話だが、揚げ足を取られてばかりでどうしようもなく思える。

 その総会が始まる直前の会場の外では、原発再稼動反対の気勢を挙げる集団が奇妙なパフォーマンスを繰り広げていた。その姿から、真摯に原発に反旗を翻している様子は見られない。ある種の「お祭り」「時流に乗れ」とばかりの軽々しい動きのように見える。
 まあ、「何でも反対」の反体制派にしてみれば、原発相手で飯のたねが尽きることはなく、少なくとも、数年は、一騒ぎしておけばテレビにも映る(写して貰える)し、国民の目を向けさせることにも成功する。
 派手に動けばそれだけ注目が集まる。しかし、面白いことに、アレだけの人を集めたフジテレビデモは、いまだに「なかったこと」のようにされている。マスコミが、都合のよい/知らせたいと選んで流している状況は依然として変わっていないと言うことの現われだと考える。

 もちろん、「反対」を叫んでいる人たちも、自分たちが、いくばくかの「原子力の火」の恩恵にあずかっていたことには、知らん顔である。原子力NOといっているやつらに限って、電気の無駄遣いをしているやもしれない(原子力発電ないから節電しよう、といったのぼりはほとんど見られなかった。とにかく原発だめということしか言わず、代替電源のことには無頓着なのが彼らの特徴だ)。
 あまり日中には自宅におらず、出勤時はせいぜいパソコンが稼動している(液晶モニターは電源オフ)程度の当方。今年も扇風機だけで夏場を乗り切るつもりである。電気なしで生活するという原発反対派なら、その姿勢を評価したいが、ただ「原発要らない」としか言わない(言えない)馬鹿の一つ覚えは、そろそろ卒業してはいかがだろうか?


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