第12回  どう考えてもこれが正論
 
 小生も小遣い銭程度ながら、競馬など、ギャンブル系にはちょこっと手出ししているものである。
 その一方、「競馬は投資だ」などとする怪しげな情報サイトなどもあり、彼らのいっていることも一理あるとは言うものの、正直「これで食える」とは思ってはいない。
 何しろ、3連単でフルゲートなら1/4896。巷で話題のロト7などと比べると、自分で予想したときに、それが的中する確率は十分にほかのギャンブルに比べて高い(競艇の3連単は所詮1/120程度であり、あたりやすさも手伝ってそうそう万券がでることはない)とはいえ、少ない投資でその当たり目を買えることなど到底ありえない。

 つまり、どう考えても「あたりにたどり着くまでに経費=ハズレ馬券という名の投資金」はかかってしまうのである。すべて一点的中なら誰もが億万長者であり、逆に「投資」ということにもなりえない。
 払戻金に対する「純利益」をどう見るかは普通の感覚であれば「払い戻し−総経費」なはずで、『払い戻し−当たり馬券の買い目だけ』なんかになりようはずがない。

 司法が、この、利益に関して初の司法判断を下した今回の巨額「脱税」案件。脱税に当たるということも当然認定され、被告には納税の義務があるとはされているものの、司法判断では、『「被告は、娯楽ではなく資産運用として競馬を行っていた」と指摘。所得から控除できる必要経費について「当たり馬券の購入額だけ」とする検察側の主張を退け、「外れ馬券分も必要経費に含まれる」との判断を示し』て、結果的に納税額は大幅に減額された。

 わたしが注目したのは「資産運用」という文言である。大量に賭けている人は、そういうことと認定されても問題なく、又、前後にかかったハズレ馬券代も堂々経費にできることになったわけである。勿論、そのあとに控える「納税」はしなくてはならないわけで、もし、この被告がまともに申告していたとしたら、この司法判断がでていたのかどうかも疑わしいところである。
 われわれ庶民の感覚からは、「儲かっている」馬券師が本当に申告しているのか、は疑わしいところなのだが、仮にわれわれクラスの人が、1000万クラスの配当を電話投票等で受け取ったりしようものなら、即座に手入れが入るのではないかとおもわれる。
 ハズレ馬券も実は「経費」・・・。至極当たり前で、正しい判断を下した裁判所には、被告ならずとも、溜飲が下がった判決になったことはいうまでもない。


 
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