第17回  雰囲気で選ばれることの危うさ
 
 7/21、ようやく「日本が取り戻された」記念すべき日である。
 思い返せば、2009年の8月、一番担当してはいけない政党が、ただ数だけを頼りに国会を、政府を、傍若無人状態に陥れ、その状態が3年も続いてしまったのは、あの当時、「いちどは政権交代しなければ」「民主党にやらせてみよう」という、雰囲気をマスコミに作られ、それに乗せられた国民の多くが、成り行きや態勢に抗おうとせずに投票した結果である。

 そして「彼らでは出来ない」とわかった国民の大半が、自民党に先祖がえりしたからこそ、政権奪還/安定政権の礎が手に入る、大勝といってもいいレベルの議席獲得に繋がったのである。
 しかし、これで安心してしまっていいものだろうか?

 この人には何の恨みもないが、脱原発ですべてがうまく行くと思っておられる、山本太郎氏の東京選挙区での当選は、がっかりをとおりこして憤りすら感じる。
 彼の当選がなぜなされたのか?当然、民主党の候補分裂が大きく作用していることは間違いないが、それでも4位である。ぎりぎりではなく、得票数も66万票越えと、得票率でも1割強。一部左派系政党の相乗りがあったにせよ、この結果はできすぎである。
 放射能まみれで逃げるしかない、とまで言い放った東京で出馬しまんまと議席を得てしまう。彼に賛同する若年層や思想信条のはっきりしないいわゆる「B層」が多いところだからこその当選であり、正直空恐ろしいとさえ思った。

 また、落選したりとはいえ、ここ最近、注目を集めている(というより、無理やり俎上に上げているとしか思えない)のが、三宅洋平候補である。
 →緑の党という、聞こえはいいが、左翼系であり、思想信条は極めて怪しい。coffee氏のブログに詳細あります。
 17万票を取ったことで一躍取り上げられているのだが、風貌と言い、考え方と言い、「こんな国会議員要らない」と嫌悪感を持つ人のほうが多いはずである。一部番組では、彼が17万も取ったのはネットによる影響が大きいとし、若年層に働きかけた結果が大量の得票に繋がっていると分析している。

 余りの政治空白で、「だれを選んでも一緒」と早合点する有権者、特に若年層。まともに政権につける党に所属していないものを選ぼうとすることにためらいもなく、「応援したい」「うまく行けば当選してほしい」という、人気投票さながらの雰囲気だけで票が投じられる。
 2009年当時より、有権者が少しは賢くなったのだと思いたいが、山本/三宅に投じられた、雰囲気票は、遠くない将来にまたぞろ大きな障害となって政権与党に立ちふさがるかもしれない。


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