銀河漂流 バイファム概論
私的ランキング 放送回ベスト10
私個人の中では、テレビアニメーションの中でもこの「銀河漂流バイファム」はベスト3に間違いなく入る名作として記憶にとどめている。
それが可能になったのは、一年間、打ち切りも無くストーリーが完結し、その中でも「光る一手」や「恐ろしいばかりの台詞回し」などが頻発したからである。
全46話をランク付けすることにさしたる意味はない。しかしながら、どうしてもベスト10をあげろ、といわれたときに私が出す結論はこの10話である。
・第10話 「宇宙(そら)か地か!! 基地攻防の大決戦」
敵機の来襲に舞い上がった「基地支援」派と、「自己解決」派に分かれてしまった13人。しかし、雨降って地固まるのたとえどおり、最後は13人が見事なまでの結束振りを見せることになる。この回はどうあってもはずせない一話である。
・第13話 「射撃訓練開始! 恐怖の宇宙戦闘初体験!!」
宇宙戦初体験もさることながら、敵と初めて対峙したクルーたちの葛藤が短い一言で言い表されているなど、脚色/演出に傾注した放送回である。ほぼ1/4を過ぎたあたりでの感動は、まさに見るものを引き止めるにふさわしい。
・第22話 ジェイナス応答せよ! 地球軍からの通信
いろいろな意味で、クルーたちの結束がまた強固になったといってもいい、駆逐艦・レーガンとのランデブー。偽艦長に仕立て上げられたスコットの心中は察するに余りあるが、軍オタクのケンツが今回はストーリーをぎゅっと締めた。
・第9話 「雷鳴の中の敵襲 僕たちだけで戦うんだ!」
初めての戦場での実践。しかし、はじめてゆえのさまざまなことがクルーたちに襲い掛かった。おおっぴろげに戦闘をした初めての回であるが、事実上彼らの行く末が決まった回ともいえる。
・第14話 「敵のスパイか!? 舞いこんだ謎の逃亡者」
ラレドの闖入より、文学少女・ペンチの創作と、献身的な介護にスポットライトが当たる。彼女の詩は、以後に製作されるOVAでもこれ以上ないというシーンで挿入され、感動を巻き起こした。以後の彼らの目的が変わらざるを得なくなるきっかけになったのは間違いない。
・第16話 「総員援護体勢! カチュアをつれもどせ!」
ラレドの残したメッセージで混乱するクルーたち。カチュアの短絡的な行動が、結果的にケイトを死に追いやってしまう。ケイトの死を乗り越えなくてはならなくなったクルーたち。子供だけになってどうなっていくのか、不安を禁じえないラストとなった。
・第20話 立てスコット! リーダーはきみだ
病魔に襲われるスコット。彼なしで遂行された敵中継基地の破壊工作の事後処理にあたふたとするクルーたち。その荒れたブリッジを締めたのは、復活したスコットだった。「やっぱり、ヤツはリーダーだよ」のロディのセリフが生きる回である。
・第33話 さよなら愛しの船
ククト星の岩場で感動の再開を果たしたクルーたち。ククトでの次の行動に必要な事を次々済ませていく。その進み具合が気持ちいい。ジェイナスと別れるラストシーンの寂寥感みなぎるクルーたちの描写とBGM効果で、なくてはならない回になった。
・第45話 とっておきの贈り物
ラスト前。最後の決戦が繰り広げられるさなか、ルチーナが一世一代の演技に走る。彼女にそこまでさせた思いは、やはり両親と会いたい一心だったのだろうか?そのけなげな1シーンだけで十分得点が高い。
・第46話 いつまでも 13人
13人に別れのときはやはり訪れた。しかし、カチュアの「さよならは私言わない」やスコットの「さよならなんていうもんか」等、終焉を想起させる文言を極力排除した最終回にできたことは、この作品が名作として今でも君臨している要素ともいえる。勿論1位だ。