銀河漂流 バイファム 概論
放送回解説 その7 31話〜35話
第三十一話 みしらぬ星ククト
この回と次回はドッキングカーゴでククト星に降り立った、ロディ、ケンツ、カチュアの三人で構成されていく。
普通に考えると、いかに連続ものとはいえ、特定のキャストだけでストーリーを進めるのはやや無理があるといわざるをえない。
前半部分は、まったく書く部分無しという状態。まぁ、ククト星が結構殺風景なところだなという感じだろうか?
後半。探索中にククトニアンの捕虜収容所を発見。無人になったのを見計らって、調査に出向く三人。そこで取りあえず、水などが安全である事がわかる。
そして、例の遺跡も。ただ、故意に破壊された跡がありありであった。この理由については今のところ誰も解明されていない状況である。
そして、一日目は約200近く飛んで、森の中で野営する事に。ところがその側でジェイナスの機体の一部が落下していたのだ。慌てる三人。しかもごていねいに自分の位置まで知らせてしまうありさま。敵機を相手に交戦状態に入る三人。雑魚二匹は何とか始末するも、今回の指揮を執っている「あの男」の騎乗する機動兵器には手を焼いてしまう。
危ういところを命拾いした三人。改めて野営し直す事に。そして、このストーリー中、もっとも愛だの恋だのを感じさせる、最高級の演出が用意されていようとは!!
実際、最後の数分間だけしか採点の対象ではないが、すごく良いのである。
第三十二話 雨あがりの再会
取りあえず、はぐれてしまった三人。心細い心境を奮い立たせてジェイナスとのコンタクトをとろうと試みる。
昨日害虫に刺された跡は包帯で処置されていたが、トゥランファム整備で真っ黒に。それを見たカチュアが取り替えようとする。まぁ微笑ましいところも見せる。
廃虚と化した街を見つける三人。そこで博物館的な建物に探索に入る。太陽系の星図を見つけたロディとカチュア。「知ってたんだ」とロディ。ククトニアンの知識レベルの高さを目の当たりに。
一方ケンツはでっかい玉と戯れて沼にはまり込む始末。まったく良いところ無しのケンツである。そこへ、ミューラァと2機が彼らを追撃しにやってくる。
取りあえず空戦では何とか一機をしとめるが、森での交戦中にトゥランファムが被弾してしまう。無我夢中で敵機の脚をつかむトゥランファム。もみ合いの中、底無し沼に落ちた2機だったが、脱出できる構造のトゥランファムに凱歌が上がった。
一方ロディは、ミューラァとの戦いに苦戦する。バイファムとは二度目の交戦となるミューラァも闘争心むき出しでバイファムに挑む。そして、先ほどの博物館的な建物にロディが逃げ込んだところを容赦ない砲撃。ほっと一息したところで、ミューラァの計器類に狂いが。流れ星のようなものを見つけて追いかけるミューラァ。これで危機は去ったわけである。
燃料の残りがわずかになったころ、山岳地帯にジェイナスは居た。シャロンの「レッドベア」にいちごのパンツ。うーん、これって・・・。最後にフレッドにスポットがあたって、涙の再会の瞬間は幕を閉じる。
第三十三話 さよなら愛しの船
再会を喜び合うクルーたち。ククト星上の日数で約二日余り離れ離れになっていたと推定される。が、ジェイナス側はもっと長い期間居たかのような雰囲気である。まじまじと地上からジェイナスを見上げるロディ。かなり、どころかもうがらくた同然といった趣である。それでもコンピュータはそこそこに動いているらしい。すばらしい運の持ち主だといいたい。
ジェイナスに積み込まれている「遺跡」を捜索しているミューラァ。じつはこの回で初めて、名前と、称号が明らかになる。しかも、司令長官との会話で「奴等の血が半分はいっている」という衝撃的な事実まで。
ジェイナス側では、ロディの提案で地上用の盾づくりが行われていた。それと平行して、ジェイナスとのお別れパーティーも準備されていた。そこへ敵影。迎撃に向かうクルーたちであったが、ジェイナスは発見されてしまう。なんとか撃破に成功するも、もう一刻の猶予もない状態だった。
その夜。クルーたちのドンチャン騒ぎが盛大に行われていた。ブリッジでは、年かさのものたちがボギーとの最後の別れを惜しんでいた。そして旅立ちの朝。それぞれの思いを胸に、ジェイナスを離れる13人。このシーン、たいしたことないのだが、結構じーんとくる部分。BGM効果絶大である。
第三十四話 ククトを探索せよ
夜のしじまを破って、ボギーのアラート音が鳴り響く、ジェイナスブリッジ。まさに敵の総攻撃である。自分のテーマまで作ってもらって、ミューラァ氏、ジェイナス船内へ。
ブリッジでは、馬鹿な下級兵士たちを「AHO」「BAKA」で出迎えるボギーの姿が。そこでミューラァの正式な称号等が明らかになる。(シド・ミューラァ少佐、第三ククト星師団第二特務別働隊)ボギーとしても、彼らクルーがどこへ向かうのか知っているはずがないのに、彼女に聞き出そうとする始末。
さて、一日前に脱出できていたクルーたちは、ジープ、トラック、バイファム、ネオファム、トゥランファムで移動しはじめる。和気あいあいとした中にも索敵に余念のないクルーたち。その一方、「反乱分子」と名指しされてしまったリベラリストのリーダー、ジェダも戦いに向けて準備を急いでいた。そして政府軍も。一触即発の雰囲気の中、不似合いな四人のククトニアンの子供たち。
その夜の晩餐の席で、あどけない、マルロとルチーナの質問にびしっと答えてしまうバーツ。それを横目で見るマキ。ここで珍しくアップが入ったと思ったら・・。
その次の日の朝。何と、バーツはマキとトゥランファムに搭乗。これでドラマのおぜん立てはそろったわけだ。うまく廃虚と化した町を見つける二人。ここで、マキの女らしさが垣間見られる。マキとバーツが外で話を弾ませているうち、バーツが過去についてかたりはじめたのである。
と、そこへ敵機。四機相手に「コンバット不可能」とコンピュータにまでいわれて逃げ惑うバーツとマキ。結局救援にきたロディがすべてをしとめる。何とか命拾いしたバーツとマキだったが、この二人にもちょっとした恋の予感が・・・?!
第三十五話 ケンツを助けろ!
冒頭。ミューラァたちがジェイナスから持ってきたと思われる品々を検分している。報告の中で、子どもがいる事が分かる。クルーが子どもたちである事をにわかに信じがたいミューラァ。しかし、バッテン印の試作機は撃墜されている事実もある。
敵方の索敵は激しさを増していた。無理からぬところだが、おかげでロディたちは足止めを食った格好に。谷間で野営するスコットのところにも報告が入る。やや緊張した空気をシャロンとケンツの迷コンビが何とか柔らかくしてくれる。
そこへ前話で登場した四人のククトニアンの子供たちが現れる。ジープを奪う目的だったのだが、その中の1人が空腹に耐え兼ね、食事準備中だったクルーたちのキッチンを襲った。
マキが最初に発見、逃げる1人にケンツとシャロンが遭遇。その背後から一番年かさのものがケンツに飛び掛かり、残る二人はシャロンに。バズーカを抱えていたケンツは結局囚われのみとなってしまった。ジープを運転するはめになったケンツ。言葉が通じないので取りあえず出すしかなかった。ここで、シャロンの、ケンツに対する気持ちがいみじくも表明されたのである。
ジープをトラックで追いかけるスコットとシャロン。ジープの中では子供たちが奪ってきた食料で腹を満たしていた。
ようやくロディとバーツが追撃に向かう。しかし、そこにまたしても敵のフローティング・タンクが。荒原が一気に戦場と化す。ジープを奪った彼らの味方がきたと早合点したケンツは送り届けようとするが、年かさの男は逆に走れと命じる。訳が分からず指示に従うケンツ。その後を一機のフローティング・タンクが追撃する。砲撃を受け放り出される一同。にじり寄る敵機の手がすんでのところまできたとき、シャロンの怒りの一撃が敵機を粉砕する。
一方、エキスパートのロディはすでに2機を血祭りにあげ、残る一機も落ち着いて処理。かくして戦闘は終わった。
ククトニアンの子供たちに詰問するケンツ。しかし、言葉が分からないせいもあるだろうがだんまりを決め込む四人。彼らはいったい何者なのか?