銀河漂流　バイファム概論　　事　象　考　察

　　第８回：このストーリーのタイムスケジュールを検証する（２）　−−１２話以降−−

　大団円を迎えたストーリー。しかし、さまざまな疑問を抱えたまま、終焉を迎えたのも事実である。
　そして、このアニメーションの致命的なミスは、「放送日と同一の日付を物語の中に入れ込もうとした」ことである。このことによって、さまざまな矛盾が出てくる結果となったのである。

　事象考察　３回目で早速のようにこのことについて議論を持ったわけであるが、解決するどころか、おかしな点ばかりが目に付く結果になってしまった。
　当該ファイルから、確定している日付について、抜き出してみると、このようになる。
　・ケイトの日記
　総集編として放送された、２４話は、それ程重要な意味を持っているとは当初思っていなかった。ところが、ケイトは、その冒頭、クレアド星襲撃の日が、「２０５８年１０月２１日」であるとたからかに宣言しているのである。
　・１２話
　スコットが、「航海日誌」と称して、つけ始めた日記様の記録。まさに旅立ちの日をスコットは２０５９年１月１３日、しかもご丁寧に「１９時２４分」と、時刻まで克明に入れている。
　・スタッフの、クルーたちの時間の過ごし方のスタンス
　放送回を見ていると、「１週間経った」とか、「あれから１週間だな」とか言う言葉に出くわすことが多い。事実上、地球時間の１週間＝番組の放送サイクルと見るのがいいと思う。
　・日付に関する、重大な発見
　�@年号…このアニメーションの初回は、昭和５８年からのスタートである。
　　　　　　　確かクレアドが襲われたのは、２０５８年。つまり、昭和年号にプラス２０００だったのである。
　�A日付…第１回目放送日は、１０月２１日。そして、１２話放送日は、きっちり１月１３日と出た。
　�B時刻…突如１２話で語られた時刻。この後一度も時刻は登場していないのだが、なぜこのときだけは言いきる事が出来たのか？何の事はない。１２話の開始からちょうど２４分後、
　　　　　　　すなわち、１９時２４分だったのである。（放送は、金曜日の１９時から）
　�C結論…はっきりとした日付に関しては、放送予定日を物語りの中にインクルードしていたことが判明。
　
　しかし、明らかに日付を入れた１２話以降、細かい日付の入った「スコットの航海日誌」は登場しない。だからといって、日付のない会話が全く存在しなかったわけではないのである。
　では、１３話以降からこの日付に関わる会話なり、発言を拾っていこうと思う。
　なお、明らかに翌日、もしくは、経過日数が判明するが、クルーからの発言がない場合は、色を変えて内容を記することにする。ちなみに総集編的位置付けの２４／２５話については、日付を加算しないでおく。
　１３話　
　１４話
　１５話　「第２ステーションから１０日がたった」（スコット）
　１６話　１５話から７〜８日後
　１７話　１６話から１日後（スタート時点）／＋１日あるか？
　１８話　「航路変更から３日後」（スコット／１７話終了時点から）
　１９話　「ベルウィック軌道からはずれて１０日」（スコット）
　　　　　ストーリー中、交代で休憩を取るなどしているので、＋１〜２日
　２０話　１９話終了時点から約１日
　２１話　２０話終了時点から３日後
　２２話　２１話終了時点から２．３日後
　２３話　２２話の翌日
　２６話　２３話終了時点から２日経過（スコット）／タウト星まであと一日
　２７話　タウト星到着
　２８話　タウト星到着から丸１日経過（推定）
　２９話　２８話終了から１日程度経過（推定）
　３０話　２９話と同一日もしくは翌日
　３１話　３０話と同一日
　３２話　３１話の翌日（確定）／終了時点：３１話の翌々日
　３３話　３２話終了時点と同一日／終了時点：その翌日の朝
　３４話　スタート時点：３３話終了時点の同一日の夜
　　　　　終了時点：３３話終了時点から２日後の昼頃
　３５話　３４話終了から１日後の昼頃　終了時点：同日の夕方
　３６話　「ジェイナスから離れて４日がたった」（スコット）
　　　　→３３話から３６話までの日数確定！ずれなし。
　　　　　終了時点：３６話スタート時点の翌日
　３７話　「行動を起こしたのは二日後」（スコット）→３６話終了時点の２日後
　　　　　終了時点：３６話終了の３日後
　３８話　３７話の夜から引継ぎ。終了時点：３７話終了時点の翌日
　３９話　３８話終了時点から３日目
　　　　　終了時点：３９話スタートの翌日。
　４０話　３９話終了の当日か翌日
　４１話　４０話終了の翌日（推定）
　４２話　４１話終了の翌日／終了時点：４１話の翌々日
　４３話　４２話終了の当日か翌日
　４４話　４３話終了の当日か翌日
　４５話　４４話終了の当日か翌日
　４６話（最終話）　４５話終了当日

　さて、結構挙げればでてくるものである。そこで今度は、これらの文章を「日付」で確定していきたいと思う。なお、１５話スタート時点から確定できるので、ここから日付を入れていく。もちろん、スタートの日付は２０５９．１．１３である。
　１５話　「第２ステーションから１０日がたった」→２０５９．１．２３
　１６話　１５話から７〜８日後　　　　　　　　　　　→２０５９．１．３０ｏｒ３１
　１７話　１６話から１日後（スタート時点）／＋１日あるか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→２０５９．２．１
　１８話　「航路変更から３日後」（スコット／１７話終了時点から）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→２０５９．２．４
　１９話　「ベルウィック軌道からはずれて１０日」（スコット）
　　　　　ストーリー中、交代で休憩を取るなどしているので、＋１〜２日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→終了時点：２０５９．２．１２
　２０話　１９話終了時点から約１日　　　　　　　→２０５９．２．１３
　２１話　２０話終了時点から３日後　　　　　　　→２０５９．２．１６
　２２話　２１話終了時点から２．３日後　　　　　→２０５９．２．１９
　２３話　２２話の翌日　　　　　　　　　　　　　　　→２０５９．２．２０
　２６話　２３話終了時点から２日経過（スコット）／タウト星まであと一日
　２７話　タウト星到着　　　　　　　　　　　　　　　→２０５９．２．２３
　２８話　タウト星到着から丸１日経過（推定）　→２０５９．２．２４
　２９話　２８話終了から１日程度経過（推定）　→２０５９．２．２５
　３０話　２９話と同一日もしくは翌日　　　　　　　→２０５９．２．２６
　３１話　３０話と同一日　　　　　　　　　　　　　　→２０５９．２．２６
　３２話　３１話の翌日（確定）／終了時点：３１話の翌々日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→終了時点：２０５９．２．２８
　３３話　３２話終了時点と同一日／終了時点：その翌日の朝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→終了時点：２０５９．３．１
　３４話　スタート時点：３３話終了時点の同一日の夜
　　　　　終了時点：３３話終了時点から２日後の昼頃
　３５話　３４話終了から１日後の昼頃　終了時点：同日の夕方
　３６話　「ジェイナスから離れて４日がたった」（スコット）
　　　　→３３話から３６話までの日数確定！ずれなし。
　　　　　終了時点：３６話スタート時点の翌日　　→２０５９．３．５
　３７話　「行動を起こしたのは二日後」（スコット）→３６話終了時点の２日後
　　　　　終了時点：３６話終了の３日後　　　　　　→２０５９．３．８
　３８話　３７話の夜から引継ぎ。終了時点：３７話終了時点の翌日
　３９話　３８話終了時点から３日目
　　　　　終了時点：３９話スタートの翌日。　　　　→２０５９．３．１３
　４０話　３９話終了の当日か翌日
　４１話　４０話終了の翌日（推定）　　　　　　　　　→２０５９．３．１５
　４２話　４１話終了の翌日／終了時点：４１話の翌々日
　４３話　４２話終了の当日か翌日
　４４話　４３話終了の当日か翌日
　４５話　４４話終了の当日か翌日　　　　　　　　　→２０５９．３．２０
　４６話（最終話）　４５話終了当日

　実は、４５話で飛び出した、軍オタク・ケンツの発言の裏を取るべく、バイファム年表を製作したのであるが、実際のところ、彼が言っていた、「クレアド戦役からはや半年…」というくだりは、まさしくぴったりだったのである！ただ、そうなってくると、ケンツの誕生日は４月９日と言うことになり、本来であれば､「３週間」も後の話になってしまう。まぁ、シャロンの発言は明らかな脚本ミスだし、むしろそこをつつくより、設定的なミスではないか、と思われたケンツの発言のほうが重要だったわけである。
　ということは…。このストーリー、実質的には半年分だったことになるわけで、１３話までに３ヶ月も費やしている（カレンダー上）のは余りにゆっくりしすぎである。
　しかし、解析したおかげで日付については、後半それ程雑に扱われたわけではないことが分かったことになる。これだから考察は止められないのである。