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大本営発表記事
 戦前・戦中の「大本営発表」と同じことをひたすら続けているのが、「体制べったり」の今の大新聞である。反省もなく、戦前から新聞各社がそのままの状態で生き残り、新規参入もない、という状況なので無理もない。「全舷」などという今となっては誰も知らないような軍隊用語(海軍用語で「一斉引き揚げ」を意味する)を有り難そうに使って社員旅行をし、遊軍(担当が決まっていないフレキシブルな記者)、兵隊(現場に行く記者)といった言葉を日常的に使う。記者仲間の話を聞いて驚いたが、この軍隊用語の連発は業界全体で共通している現象だ。非常に不健全で危険な世界だと思わざるを得ない。

 大本営発表という点で最悪なのは勿論、日経だ。まだ、共産党機関紙「赤旗」のように立場がはっきりしていれば良いのだが、日経の場合、一応、自らは新聞だと思っているらしいのである。実態通り、「財界機関紙」を名乗れば良いのだが、なぜか「新聞」を名乗っているから始末が悪い。中正公平、などと実態とかけはなれたことを社是でうたうからおかしくなる。新聞ならば、権力の問題点を鋭くえぐり出すような調査報道に少しでも良いから力を入れてみてはどうか、と言いたくなる。


99/2/4 「週刊文春」より引用

「なぜ、日経新聞は企業情報に偏った報道を続けるのだろうか。もちろん現場の記者が夜討ち朝駆けでスクープを狙うのは当然だが、結果として紙面が企業の思う壷では『新聞』の役割は果たせない。昨年一年間のトップ記事を検証した『日本経済新聞』徹底批判の第二弾。」