and more info 体制側が効率的に自らに有利な情報を流すためのマシーンいわゆる政官業の「鉄の三角形」(=体制)が、それぞれの組織内に設けた記者クラブを通して、体制側に有利な情報のみ発表し、また記者クラブ員に対して巧みにPR情報をリークするのが、記者クラブというマシーンの実質的な機能である。
体制側に不利な情報は絶対に流すわけがないため、世論の分裂や混乱を抑え、戦後の急激な経済発展には有効だったと思われる。だがその対価として、公害(生活者)や薬害(消費者)、汚職(有権者)等に対する監視といった「受益者」の立場から権力を監視するジャーナリズムの機能は果たせなかった面がある。
欧米への経済的なキャッチアップ過程を10年前に終えた日本で、いまだに冷戦時代のシステムをそのまま残しているメリットは、国益の観点からもほとんどない。既に歴史的役割を終えたのであり、今では大新聞・テレビの私利私欲追及の手段に過ぎなくなている。国家的にも市民の立場からも、記者クラブは即刻、大幅な改革が為されなければならない。
現場から改革を唱える私のような記者を闇に葬り去る日経新聞の姿勢は、言論機関が言論の自由を放棄する自殺行為であり、もはや救いようのないところまで腐ってしまったと言わざるを得ない。