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権力に取り込まれたマスコミ
 官僚が「省益」に都合の良い政策を実現させるために「隠れ蓑」として利用している政府の審議会に、日経関係者が社長を含めて42人も名を連ねている(95年1月時点)。マスコミ全体では150人近くにもなる。これがいかに愚かなことかは、説明するまでもない。最大数を誇る日経が、いかに論調を官僚よりにしてきたことか。「住専の整理を決断し財政資金投入を」(95年7月30日社説)などが良い例である。

 金融制度調査会の会長代理を務めていた日経の鶴田社長は住専に税金を投入したい大蔵省の意向を汲み、当初の結論であった「投入反対」の答申を覆すことに加担したばかりか、紙面でも国民が騒ぎ始めるまで何の批判もしなかった。社長が決定に関与しているのだから、批判できる訳がないのだ。完全に権力に取り込まれ、その一部と化した大新聞・テレビと、それを中立な報道だと信じている善良な市民。こうして、「権力=善玉」の空気は醸成されているのである。

(以下、「噂の真相」96/4/1より引用)


「各省庁がこうした審議会にマスコミ関係者を大量に入れているのは、その専門的知識を買っているからなどでは、けっしてない。ようするに、自らの施策を批判せぬよう自己規制を促す、巧妙な懐柔作戦の一環なのである。記者クラブという形の便宜供与を与えることで、現場の記者をコントロールしてきたように、クラブ記者から社説を書くまでに出世したマスコミ幹部連中を、審議会ポストで黙らせるーー。実際、鶴田社長が金融制度調査会会長代理の職にある日経の現状がそれを証明している。」