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旧態依然
高野孟氏見解
以下、SAPIO 98/11/11より引用
現在の朝日や読売など、人材は豊富なはず。各社から、狙いをつけて有能な記者をスカウトし、オーナーは金だけ出して高級紙を作ろうとすれば作れるはずだし、商売としても成功すると思われる。日本の全国紙は全紙毎日同じような記事が並んで料金も同一。経営の大きなネックとなっている支局や宅配のコストも削減できない。世界に類を見ない大部数で市場も飽和状態。紙面や内容の刷新よりも定期購読者の獲得競争ばかりに血道を上げている。
こう見てくると、今日の日本の全国紙の危機の構造は、ほんの数年前の銀行の実態と酷似している。その銀行業界がどのように変わっていったか。日本の全国紙の危機は、きわめて深い。というよりも、日本の新聞は本質的にもう終わっていると私は考えている。