記事タイトル:韻文形式の「謎」(その6) 


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お名前: 塔婆守   
> 因(もとい)ですか。

はい、これが正解です。

じいくんが解かれたように、この謎は(問)の「曇り空」を
「降る因(もとい)」と言い換えることによって(解)の「
古元結」にたどり着く仕掛けになっています。

ここでは「元結」が「モトイ」の形を取っている点が注意
されます。「元結」は言うまでもなく「モトユイ」が本来
の形ですが、それがこの謎に見るように「モトイ」になっ
たのは、

 モトユイ>モトイイ>モトイ

のような変化の過程で「ユイ」が「イイ」に転じた段階が
あったはずです。前に取り上げた謎でも、「ユウ(結)」に
「イウ(言)」が掛けられていましたが、これもまた同じ変
化があったことを示すものと考えられます。
[2000年1月14日 18時5分55秒]

お名前: じいくん   
因(もとい)ですか。

今、「田中の月」を考えているところです。
[2000年1月14日 15時3分53秒]

お名前: 塔婆守   
じいくんのお答え、

> 「降るも問ひ(い)」→「曇り空」

「古」に「降る」が隠れていることを見抜かれたのは
正解です。ただし後半には別解が考えられます。
[2000年1月12日 18時9分14秒]

お名前: じいくん   
「いせ」の方は、見事に薊子さまに解かれましたので、
こちらで再挑戦。

「降るも問ひ(い)」→「曇り空」
[2000年1月11日 18時40分51秒]

お名前: 塔婆守   
前のメッセージに(註)を入れるのを忘れていました。

(註) 「古本結」は「ふるもとい」と読んで下さい。
[2000年1月11日 8時45分13秒]

お名前: 塔婆守   
その後お答えがありませんので、正解を示しましょう。

答の鍵は「女房」の仮名表記を「ねうはう」とするところに
あります。そうすると「ねうはうのむかひ」は「子・卯方の
向かひ」と読むことができて、ここから「午・酉」が導き出
されるということになりますね。

これに、じいくんが解かれた「上も言はいで」を当てはめれ
ば「まり」が得られます。

「女」の字音仮名遣は正しくは「によう」ですが、この頃に
は「ねう」と書かれることも多かったようで、この謎もこの
仮名表記を前提に作られているわけです。

もうひとつ、「(髪も)結はいで」と「(上も)言はいで」とが
掛詞になっている点も注意されます。

本来「結ふ」は「ゆふ」であり「言ふ」は「いふ」ですから、
「ゆは(いで)」と「いは(いで)」とは発音が異なっていまし
た。それが同音語として扱われているのは、「結ふ」がイウ、
ないしは「言ふ」がユウとして認識されていたことを示すも
のと解されます。

次の謎もこのことを裏付けるものです。

 (問)曇り空

 (解)古元結

まず、これの謎解きから参りましょう。その心は?
[2000年1月10日 21時4分39秒]

お名前: 塔婆守   
薊子さま、ご解答ありがとうございます。だんだん正解に近付いて来ま
した。

> 房のむかひ → 卯の向い → 酉
> 
> が導けそうですが、その時「女」だけを「つま」と読み替えることは
> できるのでしょうか?

なるほど、房と卯は音読みが同じでしたね。ただし「女」は「むすめ」
と読む例はありますが、「つま」はどうでしょうか。

「卯の向い」から「酉」を導いたところはずばり正解です。もう一つの
方もこれと同じ道筋を考えて下さい。


と、ここまでを書き込もうとしたら、無耶さまからもお答えが・・・。

> 女房→嫁が君→鼠  子の向いは午でこれを「ま」と
> よめないでしょうか。

なるほど、「嫁が君」とは考えましたね。うーん、「ま」はこれでも解
けますねぇ。


薊子さまと無耶さまのお答えを合わせたような形ですっきり行く道が別
にあるのですがねぇ・・・。

さあ、ゴールまであと一歩ですぞ。
[2000年1月8日 8時13分29秒]

お名前: 無耶   
みなさん、鋭いですね、お答えを参考にして。

 女房→嫁が君→鼠  子の向いは午でこれを「ま」と
 よめないでしょうか。

 あとは、じいくんのお答えで。
                      無耶
[2000年1月8日 7時38分9秒]

お名前: 薊子   
そう言えば十二支の「卯」の音は房と同じ「バウ」ですね。
すると、

  房のむかひ → 卯の向い → 酉

が導けそうですが、その時「女」だけを「つま」と読み替えることは
できるのでしょうか?
[2000年1月7日 21時19分22秒]

お名前: 塔婆守   
じいくん、毎度鋭いお答えをお寄せ下さり、ありがとうござ
います。

> 女房→つま
> 飲む「かひ」→とり
>
> 上も云はいで→下の文字だけとって、 まり。  ???

後半の「髪も結はいで」に「上も云はいで」が掛けてあると
ころがこの謎の生命でした。そこをいちはやく看破されたの
には恐れ入りました。

ただし前半には別の解き方があります。ヒントの「十二支」
にご注意。

もうあと一歩のところまで来ています。
[2000年1月7日 17時54分59秒]

お名前: じいくん   
十二支というヒントで、「広辞苑」をさがしました。

卵(かひ)というのがみつかったので、こじつけかもしれませんが、

女房→つま
飲む「かひ」→とり

上も云はいで→下の文字だけとって、 まり。  ???
[2000年1月7日 15時29分0秒]

お名前: 塔婆守   
> 陸(くが) をひっくり返して ガク というのはどうでしょうか。

じいくん、ずばり正解です。

「舟に乗る」のは《海路》をたどるということですから、
「舟に乗らで」は《陸路》を意味することになります。

《陸路》は「くが(陸)ぢ(路)」が正式ですが、当時は
これを略して単に「くが」とも称していたようです。この
謎もそれに基づいています。

じいくんの慧眼には恐れ入りました。


十二支に関係のある謎をもう一つ。

------------------------------------
(問) 女房のむかひ髪も結はいで

(解) 鞠(まり)
------------------------------------

(問)の「むかひ」は、「向かひ」とも「迎ひ」(「迎へ」の転)
とも解することができそうですが、どちらにしても謎解きには直
接関わりはありません。

さあ、これは結構手強いですぞ。じっくりお考え下さい。
[2000年1月6日 6時51分31秒]

お名前: じいくん   
塔婆守さま、刻の数え方のおこりについて、
くわしい説明ありがとうございました。

>(問)の「舟に乗らで帰る」から「学」を導き出すというのが常道
>ですね。もう、あと一歩のところまで迫っています。

無耶さまのしりうまについて、

陸(くが) をひっくり返して ガク というのはどうでしょうか。
[2000年1月5日 14時32分16秒]

お名前: 塔婆守   
じいくんのお尋ね、
> でも、なぜ一つから三つまでがないのでしょう?

九から四までの数字は、時報としてそれぞれの時刻にその数だけ太
鼓を打っていたことを示しています。つまり、24時間を十二支に
対応させて、次のように時刻を知らせていたわけです。
  子午時 9回  丑未時 8回
  寅申時 7回  卯酉時 6回
  辰戌時 5回  巳亥時 4回
そうすると、結果的には3から1までの数字は用いられないことに
なりますね。

それでは、なぜ1から始めなかったのかという疑問も当然起こりま
すが、それはよく解りません。これは私見ですが、奈良時代にはす
でに九九があって、その表を見ると九九八十一から順に下に降りて
来る形式で書かれています。あるいはそのような習慣が背景にあっ
たのかも知れません。どなたかこの点についてご存じでしたらお教
え下さい。

ちなみに、九九について言うと、万葉集の万葉仮名表記の中に「八
十一里喚鶏」と書いてこれを「くくりつつ」と読ませたり、「十六」
を「しし」とした例などがあって、すでに当時からこの算法が用い
られていたことを示しています。

なおまた、上に引用した「喚鶏」と書いてこれを「つつ」と読ませ
た例についても別の音韻論的な問題がありますが、これはまた別の
ところで取り上げたいと思います。
[2000年1月5日 12時43分40秒]

お名前: 塔婆守   
無耶さま、ご回答ありがとうございます。

> 問)馬の頭犬の尾五六寸 (解)三井寺
> 午の先は「巳」、戌の後は「亥」 五と六足して十一、寸で寺。

付け入るところは何もありません。お見事m(__)m


>(問)一人舟に乗らで帰る (解)大学
> 一人で「大」、学は「まなぶ」ひっくり返して「ふなま」舟間。
> これ、舟が来ない港をいうのでしょうか。

こちらもほとんど正解と言ってよいのですが、(解)の方に出てく
る「学」をひっくりかえして「ふなま」を導いている点が問題です。
(問)の「舟に乗らで帰る」から「学」を導き出すというのが常道
ですね。もう、あと一歩のところまで迫っています。
[2000年1月5日 12時42分57秒]

お名前: 無耶   
 

 問)馬の頭犬の尾五六寸 (解)三井寺

 午の先は「巳」、戌の後は「亥」 五と六足して十一、寸で寺。

(問)一人舟に乗らで帰る (解)大学

 一人で「大」、学は「まなぶ」ひっくり返して「ふなま」舟間。
 これ、舟が来ない港をいうのでしょうか。

 学の本字やら「ぐぁく」やらと悩みましたけど。
                           無耶
 
[2000年1月5日 10時53分11秒]

お名前: 塔婆守   
じいくん、お見事。後半は簡単に解かれてしまいました。
恐れ入りましたm(__)m

「時」字から「日」を消去して「寺」を残すというように、
漢字を分解(構築)する手法は本来は中国のものですが、日
本の中世の謎にも時折見られます。次はその一例。

 (問)馬の頭犬の尾五六寸

 (解)三井寺

これもまた「三井寺」が解になっています。

これは簡単でしょうから、おまけをもう一つ。

 (問)一人舟に乗らで帰る

 (解)大学

さあ、早い者勝ちですぞ。
[2000年1月4日 17時44分48秒]

お名前: じいくん   
あっ、後半があったのですね。さすがに奥がふかいです。

でも、時から日をひっこめてしまえば、寺になりました。

九つが待てなくて損をした、「時そば」という落語もありました。
でも、なぜ一つから三つまでがないのでしょう?
[2000年1月4日 13時54分5秒]

お名前: 塔婆守   
> これは、巳、亥 ですね。やっとあたりそうです。

前半はじいくんのお答えどおりです。お見事。

昔の時刻は十二支によって表す方法とは別に、真夜中と真昼をそれぞれ
「九ツ」と定め、それぞれに続けて二時間ごとに八ツ・七ツ・・・四ツ
と数える方法がありました。この数え方を十二支と対応させると、巳と
亥が「四ツ」に当たりますから、これによって「四つ/\」=巳・亥=
三井を得ることができます。

ちなみに、午後三時ごろに食べる中食を「おやつ」と呼ぶのも、その時
刻がこの数え方の「八ツ」に当たるところから生まれたものであること
はすでにご承知のところだと思います。

後半の解をお待ちいたします。
[2000年1月4日 13時6分56秒]

お名前: じいくん   
あけましておめでとうございます。

「番匠」の方はあとまわしにして、まずこちらにお邪魔しました。

これは、巳、亥 ですね。やっとあたりそうです。
[2000年1月3日 18時0分31秒]

お名前: 塔婆守   
新年おめでとうございます。ことしも掲示板をよろしくお願い
いたします。

早速ですが、韻文形式の謎の第六弾と参りましょう。
今度は七・五の形式を取るものです。

--------------------------------

(問)四つ/\の時日は入りぬ

(解)三井寺

---------------------------------
(註)この謎は、昔の時間の数え方についての知識が少々必要です。
      古語辞典の付録記事などを参考にお考え下さい。
[2000年1月2日 8時55分9秒]

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