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お名前: 塔婆守
前稿に少々補足いたします。
海砂さまご指摘の、
> ちかごろ 「奇しくも」を「きしくも」と言う人がいて閉口です。国会の
> センセに多いですよ。これも母音交替でした。
こういう事例を、古人は「百姓読み」と称して言語に対する無知ぶりを嗤っ
たものでした。今後は「議員読み」と改称するのがふさわしいでしょうか。
ところでこの事例は、「奇」の字音「キ」への類推が働いて「くしくも」が
「きしくも」となったものと解釈されますから、これは心理的な要因による
変化であって、母音交替の趣を呈してはいますが、それとは性格を異にする
ものです。
[2000年7月5日 8時7分40秒]
お名前: 塔婆守
海砂さまお見事。「グシ」が賽の目の「五・四」の呼び名であるこ
とを看破されました。
> 「ぐし」は五四のことですが、どうして母音交替したのか解り
> ません。オ段からウ段への交替は珍しいのではありませんか。
仰せのごとく、グシはゴシから転じたオ>ウ段の母音交替形と考え
られます。
ちなみにこの賽の目の呼び名、当時は遊技の「双六」に用いられて
いたものですが、この「双六」にしてからが、中国から伝来した当
初はスグロクと呼ばれたものが、後にウ>オの母音交替を生じてス
ゴロクに転じたものです。このほか、当時の文献に見られる母音オ
>ウおよびウ>オの交替例には次のようなものがあります。
ホウゴ >ホウグ (反古)
ヒネモス>ヒネムス (終日)
※これには別にヒメモスの例もあり、こちらは子音交替の例。
タヌキ >タノキ (狸)
カワウソ>カワウス (獺)
このほか、探せばさらに類例を集めることは可能で、さほど珍しい
というほどのものではありません。
なおまた語形の変化については、類推などの心理的な要因によるも
のの場合にはそれなりの説明が可能ですが、母音交替のような生理
的な要因によって生じるものについては、調音点の近似(当時の母
音uは円唇性が強く、現在のuよりもOに近いかったと考えられま
す)というくらいのことしか言えず、なぜそうなったのかというこ
とを説明することは困難です。
[2000年7月5日 7時36分57秒]
お名前: 海砂
>賽の目の組み合わせには、当時特有の呼び名がありました。
「おいちょかぶ」は9の目が最強で、10は0となって最悪、
11は1にしかならないというルールです。ブラックジャック
が21を最強にして遊ぶのと同じですね。
その9の目の出る組み合わせは「36」「45」の二通りしか
ありませんが、前者を「さぶろく」後者を「ぐし」と呼びます。
「ぐし」は五四のことですが、どうして母音交替したのか解り
ません。オ段からウ段への交替は珍しいのではありませんか。
ちがや丸さまの「奇し」は、いいひらめきでしたね。ちかごろ
「奇しくも」を「きしくも」と言う人がいて閉口です。国会の
センセに多いですよ。これも母音交替でした。
花札のおいちょかぶでは、九になる組み合わせが多数あります
が、二七の九に「ニシチの通る水戸街道」なんて呼び名を聞き
覚えています。
海砂
[2000年7月4日 5時56分2秒]
お名前: 塔婆守
ちがや丸さま、ご解答ありがとうございます。
>「きと」をうち返して、「とき」。
これは正解です、お見事。ただし、後半は、
> 心配なのは、賽ふたつの組み合わせなら、
> 九はいくらでも出ることですが。
そのご心配が的中してしまいました(^^;)
賽子を使う遊技では二つを同時に振るのが通例ですから、
この謎もその線で考えることになります。
賽の目の組み合わせには、当時特有の呼び名がありました。
これがヒントです。
さぁ、旦那衆、張った/\。
[2000年7月3日 17時5分36秒]
お名前: ちがや丸
早速挑戦させていただきます。
「きと」をうち返して、「とき」。
賽の目に九が出るなんて、「奇し。」
心配なのは、賽ふたつの組み合わせなら、
九はいくらでも出ることですが。
#観光キャンペーンで富山の方言「きときと」(魚などが、
新鮮でぴちぴちしているようす)が有名になりましたが、
この問題の「き と」とも関係あるかもしれませんね。
[2000年7月3日 11時25分41秒]
お名前: 塔婆守
謎解きがしばらく停滞しましたので、次の謎に参ります。
(問) きと打ち返す賽の目九つ
(解) 解き櫛
(問)の「きと」は《急に・すばやく》のを表す副詞。現代語には
「きっと(睨む)」の形で残っています。
(解)の「解き櫛」は髪の毛を解きほぐすのに用いる目の粗い櫛の
名です。
さて、今回はどうでしょうか。
[2000年6月30日 12時28分44秒]
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