File17 芸術の秋 in 上野

<文責:女王様1号>

どんぐり&くりライン

 もう年も改まってしまいましたが (^^;、2003年秋に上野で開催されていた展覧会&音楽会のレポートです。鷹がたくさんいるので初夢向きでオメデタイってことで…(?)。
工芸の世紀

~ 明治の置物から現代のアートまで ~

場所 : 東京藝術大学大学美術館

期間 : 2003年10月7日(火) ~ 11月30日(日)

 東京美術学校→東京芸術大学に保管されている幕末~昭和の近代工芸の名品をメインとした展覧会。
 その中でも1番のウリは1933年のシカゴ万博に出品されたという鈴木長吉作の「十二の鷹」。ポーズも素材(ブロンズ・白金・鉄など)も12羽すべて違うのだが、そのリアルな迫力に目を奪われっぱなし! 金属製なのにナゼこんなに羽毛の質感が出せるのか…自宅にゼヒ1羽、いや1羽と言わず全部欲しい!と、1号は思わず周囲をぐるぐる回ってしまいました。万博に展示されている時の写真や、1羽1羽の下絵も一緒に展示されていて、見比べることができるのも興味深かった。
 小さい写真(しかも購入したクリアファイルから撮影したもの)なので細部までリアルさが伝わらないかとは思いますが、12羽全員を以下にご紹介~。

鷹その1 鷹その2 鷹その3 鷹その4
鷹その5 鷹その6 鷹その10 鷹その7
鷹その8 鷹その9 鷹その12 鷹その11

 金工系としては、同じく鈴木長吉作の「鷲置物」や、普段は上野の国立博物館にある「自在龍置物」(鉄などで出来ていて胴体や手足が可動、「なんでも鑑定団」に出てくると数百万円くらいする)なども展示。
 他にも重要文化財である狩野芳崖の「悲母観音」や、陶磁器・漆器・刺繍たっぷりの着物や、その技法についての展示など、「工芸」というくくりで非常に幅広い内容だった。 ちょっと幅広すぎで見る側はいっぱいいっぱいだったかも。 (^^;
 大学付属の美術館なので、グッズ関係があまり充実していなかったのが残念。鷹ストラップでもあれば…。
 展示品のほとんどは、東京美術学校の当時の教官だった人々の作品なのだが、1番最後の展示室は芸大の「現在の教官による作品」。 作品の製作年度が2003年と書かれていると、「センセイ、秋の展覧会に出品してくださいよ~」「えぇ~?」という会話が学芸員との間にあったりして。などと想像してしまうのだった。

 
 
奏楽堂 日曜コンサート 場所 : 旧東京音楽学校奏楽堂

日時 : 日曜 午後2時/3時~ 各30分程度
     (第5日曜は2時からのみ)

 上野駅から上記の展覧会に向かう途中で、「日曜コンサート」の貼り紙を発見。毎日曜、芸大の現役学部生・院生によるミニコンサートが開催されているらしい。 毎月第1・3日曜がチェンバロ演奏、第2・4日曜がパイプオルガン演奏、第5日曜は特別コンサートとのこと。この日はチェンバロ演奏の週でちょっと面白そうだったので、展覧会帰りに寄ってみることに。入場料300円
チェンバロ  奏楽堂は芸大音楽部の前身であった東京音楽学校の校舎施設で、「かつて滝廉太郎がピアノを弾き、山田耕筰が歌曲を歌い、三浦環が日本人初のオペラ公演でデビューを飾った由緒ある舞台です(パンフより引用)」。 その後老朽化して取り壊すとか移築するとかいう話はおぼろげに記憶にあったのだが、結局台東区が芸大から譲り受けて修復し、現在に至っているそうな。この建物そのものが重要文化財。 今回は使用されなかったが、パイプオルガンも日本最古のコンサート用オルガンということで重要なものらしい。ものすごく規模は小さいけど。

 コンサートはバッハなどの曲を3曲ほど演奏。チェンバロのみの曲の他、オーボエ&チェロ&歌唱(これも全員学生)付きの曲も。 本当に「学生さんの手作り」な感じで、合間に曲の説明などをするのもチェンバロを演奏する本人の仕事なので忙しい。 (^^) そういうことも全部ひっくるめて、音楽家としての1つの修行なのだな(そうなのか?)。
 1号にはチェンバロ演奏の良し悪しはほとんどわからないのだが(爆)、チェンバロ生演奏を見聞きするのはおそらく初めてだったし、ちょっと金属っぽい独特な音色も満喫できて、なかなか貴重な体験でした。
 コンサート後に展示室をざっと見回ってから帰ろうとしたら、玄関で窓口のおばちゃんに「ご苦労様~」と声をかけられている人がいたのでふと見るとチェンバロ演奏の学生さん(女性)だった。 なんだかものすごく急ぎ足で去って行ったので、「これからデート?」と余計な詮索をしてしまう1号でした(笑)。

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