<文責:女王様1号>
◆ 事の起こりは… ◆
前々から浴衣がほしーなーと思ってはいたのだ。が、高い。ちょっと良さげなものだと2万3万は当たり前。かと言って、ヨー○ドーで 売られている「3点セット \7,800」のようなのは見るからに安っぽいし…。
そんな1号が昨年秋のインド旅行を計画中に思いついてしまったのが、
「インドでサリーを買ってきて、自分で浴衣を作ればいいかも?!」
そしてその後に続く困難を予期せぬまま(いや実際には結構予期していたのだが、とりあえず棚上げしておいたのだ (^^;)、本当に 木綿サリーを購入して帰ってきたのだった。
◆ サリー布地との闘い ◆
ご存じの通り、サリーはインド女性の伝統的衣裳で、シルクや木綿の長さ5~6mの1枚布(幅は1m10cmだった)だ。実は以前 バリ島に行ったときにも密かに浴衣作成を目論んでバティック(木綿更紗)を買ったことがあるのだが、これは長さが足りなかった。 サリーなら長さ的には十分。(※普通の反物の場合、幅36cmくらいで長さ12m程度必要)
だが、いざ作成開始となると、サリーにはサリーの難点があったのだ。
- ・サリーの柄は着物向きじゃない
- サリーは横長の布を巻いていく…という形式なので、基本的に柄は横方向に続いている。だからサリー布地を使って浴衣用の パーツを裁断すると、柄が90度曲がってしまうのだ。象や孔雀が並んでいるような、いかにもサリーっぽい柄だとこれは キツイ。
結局1号は、買ってきたサリーのうち1番サリーっぽくないろうけつ染めのような模様の布を使うことにした。…実はこのページ の背景画像に使用しているのがその布地。
- ・安いサリーはB反だ
- たたみじわがついていたので、裁断前に洗濯&アイロンかけをしてみたところ、かなりの織りキズを発見。1ヶ所端の 方が破けていたし(洗濯で破けた可能性もアリ)。何せ長~い布なので、買う時に広げて隅から隅までチェックするわけにもいかない。
裁断時、なるべく織りキズを避けるべくあーだこーだと頭を悩ませるハメに。
- ・木綿サリーと言ってもいろいろ
- 柄問題をクリアした「ろうけつ染めもどき」サリーだが、非常に薄手なのが困ったところ。透けて見えるんじゃないかと いう点はさておき、印付けの度に伸びたり曲がったりしてしまって、なかなか正確に裁断できないのだ。1号の裁縫能力のせいだけでは ない(と思う)。 (^^;
もっとしっかり目の木綿サリーならこの点は大丈夫だったかもしれない。木綿サリーとしてはこれほどの薄さの布はメジャーではない と思うのだが、柄問題のために選択の余地がなかったのだ。
- ・片耳ゆえに
- 布地の端(というか脇というか)のほつれなくなっているところを「耳」と言いますが、反物より幅の広い布地から浴衣パーツを 裁断すると、どうしてもパーツの片側にしか耳の部分を使えない。耳を使えなかったサイドは前処理としてジグザグミシンでほつれ 止めしておく方が良いとのこと。ミシン作業なので大変ではないが、何ヶ所もあるので面倒は面倒。
◆ 和裁との闘い ◆
女王様2号は高校の家庭科で浴衣を縫ったことがあるそうだが、1号は和裁初チャレンジ。ともかく本屋で縫い方の本(関連リンク 参照)を買ってきてみた。しかしここで出てきたのが初耳の手法や道具。いくつか例を挙げると…
- ・きせをかける
- 縫いしろを倒す時、縫い目より0.2cmほど内側から折って縫い目が表から見えないようにすること。これをやって、更に 縫いしろを下記のように「くけて」留めつけてしまえば、多少引っ張られても縫い目が表に出ないハズなのだ。
- ・くける
- 縫いしろ部分を表から目立たないように布に縫いつけてしまう処理方法。本ぐけ・耳ぐけ・三つ折りぐけ・一目落とし などの種類があって、部分によって使い分ける。どれも初めて見る縫い方だ。
洗った後にちゃんとアイロンをかければ済む話にも思えるのだが。
また、くける時に使うという不思議な道具が…↓
- ・かけはり&くけ台
←かけはりは洗濯ばさみに似ている。1号はこれを小学生時代の裁縫箱セットから発見した(無論、当時これを使うようなモノを 縫ったわけではない)。
くけ台を机の縁などにネジを締める要領で固定し、かけはりについている紐をくけ台に引っかけておいて、かけはりで布をはさんで 引っ張ればくけ作業がやりやすい…ということらしいのだが、結局1号は使用しませんでした。
◆ 縫うべし縫うべし縫うべし! ◆
そしていよいよ縫う段階に突入。背中や脇などすべてミシンを使用して構わないのだが、その後で結局同じだけの長さを手縫いで くけて縫いしろ処理、という作業がついてまわる。ちなみにくけ縫いは普通のまつり縫いに比べて3倍くらい(1号体感比) 面倒くさい。 (-_-# テクニック的に難しいのは襟の部分。何枚もの布が重なったところを、イイ感じにカーブさせつつ縫わなければならない からだ。くける距離も気が遠くなるほど長い。(袖のたもとに丸みをつけるのは一見難しそうだが、大したことはない。)
2号の高校時代の浴衣作成体験談によると、襟の出来具合が見た目の善し悪しを結構左右するとのこと。1号の襟は少々「ヤバっ」と 思わせる箇所もあったが (^^;、持ち前のごまかし能力をフルに発揮して一応見られる襟となった。
そんなこんなで先日めでたくサリー浴衣は完成。 \(^o^)/ 毎日作業していたわけではない&1号は元々裁縫得意なタイプではない ので足かけ3週間くらいかかった。1号は現在ぷーだから良かった(?)ものの、勤めている人が片手間に作るのは相当大変 そうである(除 裁縫が得意な人)。
それでも自分で苦労して作成したと思えば愛着もひとしお。今からならまだこの夏に間に合う(かもしれない)ので、貴女もゼヒ!
…ただしその時はサリー布地ではなく、普通の反物を使う方が要らん苦労をせずに済むでしょう。
(おっと、全然「サリーで浴衣」のオススメじゃなくなってるぞ (^^;;)
◆ 関連リンク ◆
ぶきっちょさんのソーイングレッスン14 ゆかた」 (紀伊国屋BookWebより)
- これさえあれば「ぶきっちょさん」なアナタも浴衣が作れます。1号実証済!
ゆかた、大好き。
- 浴衣の着付けや帯の結び方が画像入りで説明されています。
インド古典舞踊 ダルパナ・アカデミー・ジャパン
- 舞踊団のHPですが、サリーの着方や売っているお店を紹介しているコーナーがあります。貸し出しもしてくれるらしい。
GO GO INDIA ! ~ インド旅行記 ~
- 手前ミソながら、まだお読みでない方はどうぞ(笑)。