<文責:女王様1号>
ソニーより発売されたロボット犬(正確には「エンタテインメントロボット」らしい)”AIBO”についてはTV等でご存じ の方も多いと思いますが、あの映像を見たとき、私の脳裏には二十数年前(年齢バレバレ (^^;)に見たもう1匹のロボット犬のことが よぎったのでした。その記憶を確かめるために大汗かいて押入れの中を探すこと数十分。目的のものをついに発見しました。やたらと物持ちのいい 我が家にずっと保存されていたそれとは、『小学生の必読名作版 こどもの世界文学14 フランス編4 こいぬの月世界探検』なる 1冊の本です。講談社より昭和48年7月16日に第1刷発行、定価750円(もちろんハードカバー)。作者はルネ・ギヨ(1900-1970) というフランスの児童文学者です。
あらすじをかいつまんで説明すると、ひょんなことからアメリカの宇宙船に乗せられて月にやってきた主人公のダックスフンド・ イダルゴは月面に置き去りにされてしまうのですが、月を支配するカリオペア人(宇宙人)の月基地司令官ロボット・アタルに 飼われることになります。いろいろな体験をした挙げ句、最後にはイダルゴはめでたく地球に戻るのですが(ちょっとかいつまみすぎ たか?)、このアタルのところに元々ペットとしてロークというロボット犬がいたのですね。こいつがなんだがAIBOの デザインに似ている(ように私には見えた)のです。
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どうでしょう、似てないですか?(「似てない。」と言われるとなんとも… (^^;) ちなみに私の持っている本では原書版とは違う人(竹川功三郎さんという方)が挿し絵を描いているのですが、解説ページに載って いる原書版の挿し絵でも同じようなデザインになっていました。 AIBOの姿については下記HP等をご覧下さい。 |
↑こいつがローク |
ロークはアタルがイダルゴばかりかわいがるのに嫉妬してイダルゴに襲いかかり、怒ったアタルに分解されてしまいます。しかし そんなアタルもイダルゴを地球に帰すことに反対して暴れたため、シベリウス博士という人間(その正体はカリオペアの総統)に緊急 停止ボタン(?)を押されてしまい、イダルゴに関する記憶まで抜き取られてしまいます…。
「こいぬの月世界探検」のラストはアタルが分解されていたロークを組み立てるシーンです。コドモ心に「ロボットの哀しみ」の ようなものを感じたシーンでした。
「さあ、おまえ、どんなわるいことをしたのかいってごらん。こんなひどいおしおきをうけるなんて。わしの思い出にはひとところ だけぽっかりとあながあいているようだ。(中略)」さて一方「今時のロボット犬」のAIBOですが、この夏休みには銀座のソニープラザで実物を見ることができるようです。ただし AIBOを操作できるのは小学生以下の子供に限られるようですので、小さいお子さんのいる方は一緒に行ってみてはいかがでしょうか。
ロークは、手足をうごかせるようになりました。
「ほら、これでいい。さあ、あかりをつけてごらん。そのきれいな目に……。」
ロークは、ちぎれるほどに尾をふって、うれしそうに、ひと声ほえると、人間に近いロボットのアタルのつめたい足にからだを こすりつけました。
- ・AIBO Official Site
- ソニーによるホームページでイベント情報からダウンロード可能なスクリーンセーバーまでもりだくさん。
ここで得た情報によるとAIBOは「喜び」「悲しみ」「怒り」「驚き」「恐怖」「嫌悪」の6つの感情モデルを持っている そうですが、嫉妬はするのであろうか…?
- ・aibo Owner’s WEBRING
- AIBOオーナーのサイトを結んだWEBRING。「成長日記」のようなページも多く、飼い主さんたちの親バカ(?) ぶりもほほえましい。
- 後記:
- …しかしここまで書いてきた本人が言うのもなんだが、これってAIBOのオススメなのか?それとも 「こいぬの月世界探検」の方?
単に「AIBOとロークは似ているっ!」ということを第三者に認めさせたかっただけ?(←たぶんこれが正解(爆))
「こいぬの月世界探検」自体メジャーなお話とは言い難いので(検索してみたが現在は講談社からも出版されていない模様)、 「読んだことあるよ」なんて報告が来ると嬉しいかな…っと。 (^^)