『世界かけまわり番外編』スペシャルゲスト投稿旅行記3
あおばさんの南イタリア旅行記 <編集:女王様1号>
掲示板常連・あおばさんが2005年8月に体験された南イタリア旅行に関するカキコをまとめさせていただきました。
ちなみに上のアイコンでイタリア国旗と交互に表示されるのはシチリア州旗です。
旗のマークに関する説明はコチラ。
概要 投稿日: 8月23日(火)22時39分1秒 おかげさまで天候に恵まれ、1ヶ所だけは見逃した所はありましたが(後述)美しい景色や文化遺産、美味しい食事を楽しんでまいりました。
- ◆ツァー名:
- とっておき南イタリア・シチリア島8日間 阪急交通社
- ◆費用:
- 本体 \309,800-\1,000
成田空港施設使用料 \2,040
旅行保険(9日分←成田前泊のため) \9,760
イタリアの空港施設使用料 \4,400
燃油サーチャージ \8,700→原油価格高騰による(-_-#)
自宅から成田までの交通費および前泊費
- ◆為替レート:
- 1ユーロ≒\140.95(円→ユーロ)
- ◆日程
- ※イタリア国内で特にことわりのないところはバス移動です。
- 11日:
- 自宅→成田(前泊)
- 12日:
- 成田→(アリタリア787)→ミラノ・マルペンサ空港→(アリタリア1295)→ナポリ(泊)
- 13日:
- ナポリ車窓観光→(ジェットフォイル:佐渡島に行く船と似たようなの)→カプリ島(マリーナ・グランデ)→(モーターボート)→青の洞窟の手前→(モーターボート)→マリーナ・グランデ→アナカプリ(リフトに乗って風景を楽しむ)→カプリ(昼食)→マリーナ・グランデ→(ジェットフォイル)→ナポリ→エルコラーノ(カメオ工房見学&ショッピング)→ポンペイ遺跡→ナポリ(夕食および泊)
- 14日:
- ナポリ→ポテンツァ(休)→マテーラ(世界文化遺産であるサッシ見学および昼食)→アルベロベッロ(世界文化遺産であるトゥルッリ見学、ホテルで夕食後ふたたびトゥルッリが林立する街中を散策、泊)
- 15日:
- アルベロベッロ→コセンツァ(昼食)→ヴィラ・サン・ジョヴァンニ→(フェリー)→メッシーナ→ジャルディニナクソス(泊)
- 16日:
- ジャルディニナクソス→タオルミーナ(ギリシャ劇場など見学、繁華街でショッピング、昼食)→パレルモ(ヌォーヴァ門、ノルマンニ宮殿、クァトロ・カンティ、マッシモ劇場、プレトリア広場(別名"恥の広場")、ベッリーニ広場(以上は下車観光)、カテドラル(入場観光)、夕食、泊)
- 17日:
- パレルモ→アグリジェント(世界文化遺産「神殿の谷」、昼食)→モンレアーレ(ドゥオーモ(内壁のモザイクがすばらしい)、キオストロ)→パレルモ(市内散策、夕食、泊)
- 18日:
- パレルモ→(アリタリア1762)→ミラノ・マルペンサ空港→(アリタリア786・機中泊)
- 19日:
- →成田→自宅
南イタリアレポート第1弾 投稿日: 9月 6日(火)23時19分23秒 とりあえず、日程順に行き先などについてのレポートを…
- ○アリタリア航空
- 今回は全ての空路がアリタリア航空でした。
ここの会社は2000年に初めてイタリアに行ったとき、パリ→ミラノ間で利用して以来ですが、職場の後輩が「アリタリアの長距離はあまり良くないですよ~」と以前に言ったのが心にひっかかっていました。
実際に長距離で利用してみたら、食事はまあまあだったし、何より個々の座席に液晶画面が備え付けられていて、観光情報を入手したり、各種ゲームを楽しむことができたりして退屈しませんでした。
「クイズミリオネア」の本家本元(英国)版が入っていたのですが、日本版では他人が解答するのをテレビで見て笑っている私も英国版では笑えませんでした。(ライフライン全て使っても第1ステージをクリアできないこともありました。)
- ○マルペンサ空港(ミラノ)
- 前回ミラノに降り立ったときは国内線(EU内)扱いのリナーテ空港で、しかも夜遅く着いたので特に印象は残っていませんでしたが、今回はイタリアの北の玄関口というべき空港で、人の出入りが多い時間帯の利用だったので、どんな所か興味津々でした。
行ってみたら、ブランド物の免税店やら土産物店がひしめく、普通に大きい国際空港でした。
今年はトリノ五輪の前年ということでオフィシャルグッズを売っている店がありました。
記念にとシンボルマークをかたどったピンバッジを購入しましたが、ライセンス料が相当かかっていると見えて結構なお値段でした。
- ○ナポリの町
- 阪急さんの方針では、「ナポリの旧市街は治安が悪いので下車観光は最小限とする」ようで今回も前回同様、海をバックに海岸で記念撮影のために短時間下車したのみでした。
天候に恵まれたので「世界三大美港」と言われる風景を楽しむことはできましたが。
泊まったホテルは日本で言えば西新宿みたいなところにあり、旧市街ほど街中は散らかっていませんでした。
ちなみに、ナポリ名物の「洗濯物万国旗」は少々の雨が降ったくらいでは取り込まないそうです。
理由は、水道水の硬度が高いので洗濯物にミネラル分がくっついてしまいますが、それを雨水で洗い流すためだそうです。
南イタリアレポート第2弾 投稿日: 9月21日(水)00時38分6秒
- ○カプリ島
- 歌にも唄われたカプリ島へは、ナポリの港からジェットフォイル(新潟~佐渡島間に就航している双胴船に似た感じの船)またはフェリーで向かいます。
私共は朝9時頃のジェットフォイルで島へ渡りました。
この日も天気は良く、海の色も溜め息をつくような青だったので、いやがうえにも期待は高まりました。
しかし、いざマリーナ=グランデに着いてみるとなんと「今日は高潮のため、青の洞窟へのボートは出ません」という掲示が!(T_T)
波はそれほど高そうには思えなかったのですが、洞窟の入り口自体があまり高くないので海面が鏡のように静かでないと入れないそうです。
事情を知ったツァーのメンバーのうち数名は諦めて港の周囲を散策することにしましたが私や友人を含め、諦めの悪い面々はモーターボートに乗って洞窟の手前まで行きました。
途中、波打ち際に珊瑚が生えている小さな洞穴などを見ながら目的の場所にたどり着きました。
入り口には、以前ウルトラの母様が投稿なさったとおり、ボートを進めるためのロープが張ってあり、近くの岩場には階段が取り付けられていました。
なるほど、この潮位では入るのは難しいと納得しましたが、ボートが無理だったら水着着用で階段のところまで行って、あとは浮き輪かライフジャケットを着けてから泳いで中に入るほうが確実なのでは、と思ったりもしました。
もうお気づきかと思いますが、ツァー費用の~\1000は青の洞窟に入るためのボート代の返金分です。マリーナ=グランデに戻ってツァーのメンバーが再集合したあとは、やや高台にあるアナカプリまで行き、チェアリフトでソラーロ山に登って絶景を楽しんだり、昼食後にここの名産品であるリモンチェッロ=ディ=カプリ(レモンリキュール)の試飲&ショッピングを楽しみました。
#チェアリフトからの風景は最高でしたが、場所が場所だけに怖かった!
- ○トッレ=デル=グレコのカメオ工房
- ジェットフォイルで再びナポリ港に戻ってからは、ポンペイの遺跡へ向かいました。
が、ポンペイは日没まで開いているので、その前にカメオ工房へ立ち寄りました。
ここの工房は5年前にも行ったことがあり、そのときブローチ兼ペンダントヘッドを買いましたが、貝のグレードが安いほうだったので、今度はグレードが上のを買おうと出かける前から買う気満々でした。
…でも、彫刻された白や淡いオレンジ色の面が滑らかになっている(鑿跡が目立たない)のってお値段が桁違いなんですよね~。
散々迷った挙句、貝のグレードは狙い通りのものにしましたが、ダリア(?)の花がやや荒削りな感じで彫られているブローチ兼ペンダントヘッドを買いました。
溜め息が出るようなのは人物が複数彫られていたり、貴金属や宝石と組み合わせたデザインになっています。
中には、写真を元にデザインされていたり、ランプシェードがカメオに使われる貝だったりというのもありました。
阪急さんのツァーで行ったのは「ジョヴァンニ・アパ」という工房です。
- ○ポンペイ
- あまりにも有名なここの遺跡も2度目の訪問になります。
今回見た主なところは
でした。
- フォロ(公共の広場)
- 市場
- 悲劇詩人の家(「猛犬注意」の床のタイル画で有名)
- 公衆浴場
- パン屋(ピッツェリアの釜と同じものが当時既にあった!)
- バール
- 賭博場(サイコロのイカサマも既にあったらしい)
昔も今も変わらないなぁと思うものがあったり、道路行政の見事さに「国土交通省のお役人に見せてやりたい」と思ったりしました。
今回は残念ながら、遺跡中で最も人気があるといわれる「古代のフーゾク店跡」には行きませんでした。(修復中だったらしい。)
南イタリアレポート第3弾 投稿日:10月17日(月)01時27分3秒
- ○マテーラ
- ナポリがあるカンパーニャ州を後にして、この日はイタリア半島のちょうど足首部分を西から東に横断する形になります。
しばらく山間を通ったあと、洞窟住居群が世界遺産に指定されているマテーラに到着しました。
バスは旧市内に停めておけないので、町の郊外にある城跡を利用した駐車場に停めてから徒歩で洞窟住居群の区域に入りました。
昼食は洞窟レストランで、焼きソーセージ、蛸のトマトソース煮(蛸がとても小さい!)アイスクリームというメニューでした。
#洞窟住居というと、昔ある政治家が洞窟住居に住んでいる人を軽蔑するような発言をしましたが、地盤と通気がしっかりしていればそう悪くもないものです。
そういえば、一昨年のトルコでも洞窟レストランで食事したなぁ。(カッパドキアにて)マテーラの洞窟住居群は単数でsasso、複数あるのでsassiといわれ、3つの地区に大別されます。
- ・Barisano地区
- 比較的裕福な人が住んでいる地区。家のつくりもただ穴を掘っただけでなく、岩からせりだして石をきちんと積んであるという感じ。
洞窟レストランもこの地区でした。
- ・チビタ地区
- カテドラルがある地区。ここのカテドラルは「正面の薔薇窓が印象的なプーリア・ロマネスク建築」だそうですが、あまり印象に残っていません。(^^;)
ちょうどお祭りがあるとかで、教会前の広場で電飾の準備が行われていたような…。
- ・Caveoso地区
- こちらはあまり裕福でない人が住んでいる地区。家のつくりはまさに洞窟そのもので石を積んだ家はあまり見かけませんでした。
町の一角に昔のsasso内の生活を再現した小博物館がありました。入場料はひとり1.5ユーロほど。
何しろ穴を掘らない限りリフォームなどというのは困難なので(それに、強度を考えると無制限に穴も掘れないだろうし)限られた空間を巧みに使って生活していた、という印象を受けました。(住居の中に家畜小屋までありました。)
なお、町の郊外の岩山は、映画「Passion」のロケ地だったそうで、撮影のときは大賑わいだったとか。
- ○アルベロベッロ
- カゴメのトマトソース「アンナマンマ」のCMで知られる(?)アルベロベッロのとんがり屋根の住宅は単数でtrullo,複数でtrulliといわれます。(なぜか「ばか」という意味もあるそうですが。→辞書に載ってた)
この種の建物はアルベロベッロにのみあるわけではなく、近郊にも畑の中にぽつぽつと見られますが、現在他のところでは農家の納屋としてのみ使われているようでした。
これがアルベロベッロの町にはいると、これでもかというほどtrulliがたくさん、それも隣同士で壁がくっついているので町全体が一続きになっているのも同然!町は観光地化が進んでいるMonti地区と,住宅地であるAia Piccola地区に分かれています。
地元ガイドさんの案内で、まずAia Piccola地区を見学してから自由時間となりました。地元ガイドAさんによる逸話:
この日に泊まった宿は実は町の郊外で、trulliが立ち並ぶあたりまでは歩いて5分ほどでいける距離にありました。
- とんがり屋根は今でこそセメント等で固めてありますが、昔は税金対策のため役人が来る直前に崩していたそうです。
というのも、その税金が日本でいう固定資産税だったので、屋根を崩してしまえば「私は住宅を持っていない」と言い張ることができたからだとか。
- 最近、この住宅が何故かアメリカ人に人気で、郊外にある物件をよく買いにくるそうです。
値段は…すみません、忘れました。
- アルベロベッロは文化遺産つながりで、白川郷(岐阜県)と姉妹都市提携しています。
Aさん交流事業で白川郷に行ったことがあるそうで、そのとき振舞われたカニがいたく気にいったとか。
そこで、夕食をとったあとも1~2時間ほど街中を散策し、教会を見学したり、土産物屋を冷やかしたりしました。(ちょうどお祭りがあるとかで、昼間はブラスバンドの行列に出くわしたり、教会の近くの広場に露店が出たりしていました。夜は夜で大通りの脇に露店が多く出ていたり、普通の店も遅くまでバーゲンをやっていました。)町の中心にポポロ広場というのがあり、ここに建つオベリスクには第二次世界大戦のときにこの町から出征して戦死した人の名前が刻まれていました。
ちょうど終戦記念日の前日だったので「国が違ってもこういう悲しい歴史はいっしょだなぁ」と思いました。(オベリスクの形が、父の生家近くにある「忠魂碑」とよく似ていたので余計そう思いました。)世界遺産を連発で見た翌日は移動日でした。
日本とは比べ物にならないほど使い勝手の良い高速道路や、シチリア島へ渡るフェリーが思い出に残っています。
南イタリアレポート第4弾 投稿日:11月20日(日)23時17分19秒
- ○フェリーでシチリア島に渡るの記
- 建物関係の世界遺産を2つも見た翌日はひたすら移動でした。
途中、Cosenzaという町で昼食をとったあと(昼休み&バカンスシーズンなのでまるでゴーストタウンの如く人通りが少ない!)半島側の港町Villa San Giovanniに到着。
ここからフェリーでいよいよシチリア島に渡るわけですが、日本ではもう殆ど見られなくなった「列車ごと海を渡る」光景も見られます。(日本では橋やトンネルが次々に開通しましたし。)イタリア本土とシチリア島の間で最も幅の狭いところはメッシーナ海峡といいだいたい3kmほどだとか。
フェリーは所要時間20分ほどで対岸に到着しました。
上陸後、タオルミーナ近くまで行く途中に映画「グランブルー」の舞台になった場所が車窓から見えました。ここにも「青の洞窟」があるそうです。この日はタオルミーナ近郊のGiardini Naxosという町にあるホテルに泊まりました。
全体的にお洒落なところだったのですが残念なところが2点、これは後ほど申し上げます。
- ○タオルミーナ
- 一晩明けていよいよタオルミーナへ。
Giardini Naxosからはクルマで20分ほどの距離でした。
旧市街は山の中腹にあり、あちこちから青い海とエトナ山(火山)を見ることができます。
私達はメッシーナ門から旧市街にはいり、まずインフォメーションが置かれているコルヴァイア宮をちょっと見たあと、ギリシャ劇場を見にいきました。
ここは紀元前3世紀に造られ、ローマ時代に改修された円形劇場で、客席からは舞台だけでなく、後方に海やエトナ山を見ることができます。
ガイドのCさんによると、今でもコンサートなどが開催されるそうで、Cさんが子供の頃には女優のソフィア=ローレン(実はナポリ出身!(生まれたのはローマ))も来たことがあるとか。このCさんはなかなか話が面白く、「このギリシャ劇場は時と場合によっては女性にとっては危険な場所である。あるとき東京から来た女性が二度と故郷に帰れなくなったこともあるから」と言うので何のことかと思ったら、Cさんの奥様が日本人なのだそうで。(H社のツァーで担当になるガイドさんは、地元の人でも日本人と結婚している人がかなりいるみたいです。トルコでお世話になったYさんもそうだったし。)
劇場の周囲には実がなっているウチワサボテンや、テキーラの原料としてしられるアゲーヴ(竜舌蘭)、宝石の単位"carat"の語源になった植物などが生えていました。
Cさんがウチワサボテンの実の食べ方を教えてくれましたが、中は枇杷に似た感じの色で、種が多いようでした。(食べなかったので味は不明。)観光案内はここまでで、あとはメッシーナ門から反対側のカターニャ門の間の目抜き通り・ウンベルト1世通りあたりで自由時間を過ごしました。
ここで、お土産にしようと目論んでいたマルトラーナ(アーモンドの粉と砂糖などを固めて果物そっくりに成形したお菓子。日本でいえば餡で作った雛菓子というところか)を家族と職場用にまとめ買いしました。
あと、どこかの店先で「放送禁止用語の形をしたパスタ」を見つけたり、太っている人が多いという某国の人を締め出すため(?)の「街中で最も細い通り」を見て大笑いしました。昼食は目抜き通りから海側にしばらく降りていったところにある店でとりました。
南イタリアに来てからパスタはトマトベースのソースがほとんどでしたが、ここではウニソースでした。(辛かったけどとても美味しかった!)
- ○パレルモ
- シチリア島は以外に面積があるので、島の東側にあるタオルミーナから西側のパレルモまでは高速で飛ばしても4時間ほどかかります。
私達はまず南下してカターニャの町をかすめ、内陸部を通ってパレルモに向かいましたが途中は麦刈り後の畑と放牧地、オリーブと柑橘類の畑がえんえんと続きます。
このあたりはスペインと似ていますが、スペインでは異なる種類の作物の混植が見られるのに対し、ここシチリア島では混植はしていないようでした。さて、市内に入ると歴史の重みずっしりといった感じの建物が出迎えてくれますが、西洋の建物に詳しくないせいか、ミラノやローマ、スペインのマドリッドとあまり区別がつかない感じがしました。(道路や建物の表示がなかったらわからないかも^^;)
めぼしいスポットを挙げてみると…
- ・ヌオーヴァ門
- 目抜き通りのひとつ、ヴィットリオ=エマヌエーレ通りの起点となる門。
この近くに、
- ・ノルマンニ宮殿
- 今でもシチリア州の役所として使われているらしい(?)。
広場にフェリペ5世(ルイ14世の孫で、スペイン=ボルボン王朝の始祖)の像が建っていました。
- ・マッシモ劇場
- 映画「ゴッドファーザー」のロケ地。とにかく巨大な劇場。
前の広場でグラニータ(かき氷)売りの親子がいた。かき氷は1杯2ユーロ。
- ・クアットロ・カンティ
- ヴィットリオ=エマヌエーレ通りとマクエダ通りの交わる「4つ角」。
角の建物の壁面の1階に噴水、2階に歴代スペイン王(シチリア島を治めていたことがある)、3階に守護聖人の像があります。
王様のラインナップは、カール5世(スペイン王としてはカルロス1世)、フェリペ2世、フェリペ3世、フェリペ4世です。
- ・プレトリア広場
- 市役所の前に「ここは屋外の彫刻展か?」と言いたくなるほど神々の像がたくさん並んでいる広場があります。
別名を「ヴェルゴーニャ広場」というそうですが、日本語に訳すと「恥の広場」。
理由は「こんなに裸の像がたくさんあるとは恥ずかしい」からだそうで。
- ・サンタ=マリア=デッラミラーリオ教会(ラ=マルトラーナ)
- この教会のそばに「マルトラーナ修道院」があったのでこの別名がありますが、タオルミーナで買った例のお菓子はここが起源のようです。
- ・サン=カタルド教会
- 目印はてっぺんの赤いクーポラ。
- ・カテドラーレ
- 12世紀にはじめて建立されて以来、さまざまな建築様式で増改築されている。
内部には多くの聖人像と、VIP4人のお墓がある。この日の夕食は市内のオステリアで取りました。
ハーブの香りが強いカポナータ(野菜の煮込み)と魚介類のリゾット、それに店内にいたとても太った虎猫(体重11kgもある!)が印象に残っています。ホテルは市場近くにあり、ここで2泊したのですが、朝は市場から聞こえる競り声で目が覚めました。
南イタリアレポート第5弾 投稿日:11月27日(日)22時40分55秒
- ○アグリジェント(世界遺産)
- 「神殿の谷」と呼ばれる地域にここはギリシャかと見まごうような建造物が点在しています。
建物の周囲にはウチワサボテンやアゲーヴ(竜舌蘭)、分銅の木、笠松、アーモンド、オリーブといった植物がよく見られます。
オリーブは成長が遅い木で、しかも男木と女木があるので一対揃えて時間をかけないと実がならないそうで、ツァーのメンバーの一人だった女性が「うちのはなかなかならなくて…」と嘆いたら、別の女性(この方は小豆島出身)が上記↑の話をしてくれました。
- ・ヘラ(ジュノー)の神殿
- 砂岩で造られていますが、白く見せるために当時は大理石の粉を表面に塗ってあったそうです。
ここからは海がよく見えたので「ギリシャだと言われてもおかしくないかもね」と友人と話しました。
- ・コンコルディア神殿
- 6世紀頃には教会に転用されていたというこの神殿は、シチリア島内で最も保存状態が良いそうです。
私達が行ったときはたまたま修復中で、建築当時の色を再現したというカバーがかかっていましたが、その色があまりにも派手なので吹き出してしまいました。
各神殿を結ぶ神殿通りの脇には、石造りの小さな区画がいくつか見られましたが、これはキリスト教徒達の墓地の跡だそうです。
- ・ヘラクレス(エルコーレ)の神殿
- 神殿の谷地域では最古の神殿ですが、地震で倒壊してしまいました。
しかし、イギリス人船長ハード=キャッスル氏が費用を出してくれたおかげで柱の一部が復元されています。
- ・ジュピター(ジョヴェ・オリンピコ)の神殿
- 最高神に捧げるため、大きなものにする予定でしたが完成することはありませんでした。
近くにテラモーネ(人像柱)のレプリカが横たわっています。
※テラモーネの本物は近くの博物館に保存されているそうです。
- ○モンレアーレ
- 神殿の谷観光を終え、昼食を済ませた後、パレルモ方面にもどり、こんどはパレルモ郊外のモンレアーレに向かいました。
- ・ドゥオーモ
- ノルマン王グリエルモ2世の寄進で建てられた教会です。
内部の壁や天井に、キリスト像、聖人像、聖書の内容を絵解きしたもの(仏教で言えば曼荼羅とか「○○寺縁起絵巻」みたいなの)が美しいモザイクで表現されています。
正面のキリスト像は視線が八方睨みになっています。
- ・キオストロ
- ドゥオーモ左手にある建物。昔は修道院でしたが今は学校だそうです。
二重回廊の柱の装飾がとても凝っていて、1本1本が全く別のデザインでモザイク装飾されていました。
- ○パレルモ空港
- シチリア島の空の玄関のひとつです。(他にカターニャ空港があります。)
税関とか出入国チェックのオフィスがあるので一応国際空港なのですが、現在となっては行き先の大半を占めるヨーロッパ各都市は国内線扱いなので、地方空港のようなものです。
空港の敷地は前面が海と鉄道と道路、背面が岩山で、何となく函館空港を思い出しました。(というより、私は国内線では羽田と新千歳と函館しか知らないので、比較の対象があまりないわけですが。)
店の数はあまり多くありませんでしたが、郵便局があるのは便利だと思いました。
ツァーだと旅先から手紙を出したくても切手を買うのに一苦労することが多いのですが空港にあれば出してから到着までの時間も短いので助かります。
ホテル編 投稿日:1月 3日(火)23時15分36秒
- ・ホリディインナポリ
- ご存じホリディイングループのひとつ。
新市街(東京で言えば西新宿みたいな所)の駅からも空港からも近いところに立地しています。
部屋の設備は可も不可もなくといったところでしたが、磁気式の鍵が使えなくなることがちょくちょくあり、そのたびにフロントまで行って情報を入れ直してもらうのが面倒でした。
- ・コレ・デル・ソル(アルベロベッロ)
- 阪急ツァーとしては珍しく、お目当ての観光地から歩いて5分という便利なところにある小ぢんまりとしたホテル。
(のちに「探検ロマン世界遺産」でアルベロベッロが取り上げられたとき、「私の泊まったホテルはこっちのほう!」と言ってしまいました。)
南イタリアは水不足になりやすいせいか、浴室はシャワーだけでした。
- ・セントアルフィオガーデン&スパ(ジャルディニナクソス)
- 比較的広い敷地に花が咲き乱れ、プールやスパが備わっていました。
各室はもちろん、ダイニングやバーカウンター、ロビーなどの内装がとてもお洒落。
部屋の鍵の調子が良くなかったのと部屋の浴室がシャワーだけだったのが残念。
(つかりたければスパに行けってことか?)
- ・アストリアパレス(パレルモ)
- パレルモ市内で、港と市場に近いところに立地していました。
ここは部屋が比較的広く、浴室もバスタブ完備だったのでほっとしました。
近くの市場からは朝5時頃から競り声が聞こえてきました。
食事編 投稿日:1月 8日(日)23時14分45秒 イタリア料理というとすぐに連想するスパゲッティ(パスタ)は南が本場なのだそうです。そしてトマトベースのソースも。
あちこちで出会った料理をジャンルごとに整理してみました。
- ○アンティパスト(前菜)
- ・トマトとチーズのブルスケッタ(カプリ島)
- ○プリモピアット
- ・ピッツァ=マルゲリータ(カプリ島。本来ピッツァはコース料理では出ない。)
- ・各種パスタ類(パスタの形や中の具などは色々な種類がありましたが、トマトソースが大多数でした。ソースは日本の市販品より酸味が強い。)
- ・ウニソースのパスタ(タオルミーナ。かくし味は唐辛子だった。)
- ・茄子のカポナータ(パレルモ。野菜の煮込み。ハーブの香りが強かった。)
- ・焼きソーセージとレタス(マテーラ)
- ・ミネストローネ(コセンツァ)
- ○セコンドピアット
- 北部や中部だと肉類が多いのですが、南になると魚介類が多くなります。
- ・小エビと烏賊の揚げ物(カプリ島)
- ・サーモンのほうれん草包み(ナポリ)
- ・蛸のトマトソース煮(マテーラ)
- ・ポークソテー(アルベロベッロ)
- ・牛肉ロール(コセンツァ。中身はモッツァレッラチーズ、生ハム、松の実。)
- ・メルルーサのソテー(ジャルディニナクソス)
- ・かじきまぐろのソテー(タオルミーナ)
- ・魚介のリゾット(パレルモ。トマト味だった。これは本来プリモピアットのはずだが?)
- ・牛肉のミートローフ(アグリジェント近郊)
- ・チキングリル(パレルモ)
- ○デザート
- ・アイスクリーム(いろいろな味のがある。)
- ・果物(メロン、桃、りんご、すいか、オレンジ、ぶどう、洋梨、すもも…)
- ・パンナコッタ(タオルミーナ)
- ・ババ(ナポリ。ラム酒に漬けたケーキ。極甘)
- ○飲み物
- ・搾りたてのレモンジュース(カプリ島およびポンペイ近く。そのままでは飲めないので砂糖を入れる。)
- ・真っ赤なオレンジジュース
- ・カプチーノ
- ・ワイン(銘柄が確認できたのはラクリマクリスティの白とTenuta Rapitalaの白のみ。ラクリマクリスティは何故か澱(おり)がとても多かった。)
- ・ビール
- ○食事以外のおやつ(?)類
- ・アランチーニ(お米のコロッケ、または揚げおむすびのようなもの。シチリア島行きフェリー内の売店で売られていて、メンバーのうち数名が食べていた。)
- ・グラニータ(パレルモ。かき氷かシャーベット)
- ・ウチワサボテンの実(タオルミーナでガイドのCさんが実の剥き方を実演してくれた後さっそくマーケットで購入した方がいたらしい。)
- ・カッサータ(砂糖漬けの果物を固めたもの。食べなかったがパレルモ市内の菓子屋の店頭で見かけた。)
- ・各種木の実(アルベロベッロの屋台で見かけた。)
ショッピング編 投稿日:1月21日(土)22時06分1秒
- ・カメオ
- すでに記載していますが、「ジョヴァンニ=アパ」で 念願のサルドニカ貝のブローチ兼ペンダントヘッドを購入。
価格は定価が504ユーロのところを免税してもらって400ユーロ。
イタリアのカメオ店は他にもありまして、JTBでは「ドナディオ」という店を推しているようです。
- ・ピンバッジ類
- トリノ五輪のシンボルマークをかたどったものが6.8ユーロ。(マルペンサ空港)
シチリア州シンボル「トリナクリア」が5ユーロ。(パレルモ空港)
- ・絵葉書
- 場所によって価格に開きがあり、ボリボリ価格の所は1枚2ユーロでしたが、今回一番安価だったのはモンレアーレのある土産物屋で何と1枚5セント!
- ・スパイス
- 初めてイタリアに行ったときのこと。ある土産物店で母が各種スパイスを粗く刻んで混ぜたものを一袋購入し、その後しばらく料理に使っていました。
野菜炒めなどに一匙混ぜるとなかなかいい味になるので重宝していましたが、さすがに1年ほどでなくなりました。
で、今回パレルモでホテル周囲を散歩したときにスーパーマーケットで似たようなスパイスを見つけたので数袋購入しました。
乾燥させたトマト、バジル、にんにく、唐辛子などが混ざっているもので20g入り一袋が60セント程度でした。
- ・お菓子
- ガイドブックを見たときに職場および自宅のお土産にしようと目論んだのが「マルトラーナ」というアーモンドの粉と砂糖などを固めて作られたお菓子。
たいてい果物の形に成形されていて量り売りされています。
タオルミーナの店でキロ19ユーロで売られていたのを、友人は「色々な種類を入れて1kg」購入しましたが、職場のお土産にしたい私としては重さよりも個数が問題だったので籠に数個ずつ入れられているのを5籠購入しました。しめて40.5ユーロ。
#休み明けに職場に持っていったらある後輩が「はじめ消しゴムかと思いました」と。(こら!)
- ・リモンチェッロ
- カプリ島名物リモンチェッロはさらさらしたのやクリーム状のなどいろいろ種類があります。そしてボトルのデザインも様々です。
私と友人は100ml容量で、ボトルはあとで一輪挿しに使えそうなのを1本ずつ購入しました。価格は6.5ユーロ。
購入したお店はガイドブックにもよく載っている「リモンチェッロ・カプリ」です。
リキュールのほかに、レモンピールをリキュールに漬けたものをチョコレートコーティングしたお菓子や、壁掛け陶板や食器類などの品が売られていました。
番外編 投稿日:2月11日(土)23時56分4秒
- ・納得のいかない話
- 前回イタリアに行ったのは2000年でしたので、通貨はイタリアリラでした。
で、今回は当然ユーロなわけですが、どうもユーロ移行に便乗していろいろな物の値段が上がっているような気がしました。
顕著だったのはトイレチップで、2000年当時は最高でも500リラ(25~30円相当)でしたが、今回は50セント(70円相当)なんてところがざらにありました。
便乗値上げとはズルいよね。
- ・ドライブインで見かけた土産物
- ネーム入りグッズ:
- 日本でも、よくあるファーストネームをプリントしたハンカチとか認印などを売っていたりしますが、カラブリア州内の某ドライブインでファーストネームをプリントしたペンダント等を見つけました。
おかげでイタリア人の名前の種類がよ~くわかりました。(^^)
- 漢字入りグッズ:
- 表音文字であるアルファベットを使っている現地の方にとって、表意文字である漢字の形は興味の対象であるようです。
フランスでも漢字を書いてある絵葉書を見かけましたが、ここ南イタリアでもペンダントが売られていました。
- 激辛(?)トマトソース:
- 鮮度や重量制限の問題があっておいそれとは買えないチーズやハムの売り場の近くに"bomba"と記されている真っ赤なソースの瓶詰めがありました。
「爆弾」というくらいですから相当辛いのでしょう。
- ・ひょんなところで
- アルベロベッロでの話。
最近は下水のマンホールのデザインに工夫を凝らしている自治体も多いですが、アルベロベッロの古いマンホールには町の紋章とまさかりをかたどった紋章が並んで刻まれていました。
まさかりをかたどったほうは何とムッソリーニ率いるファシスト党の紋章です。
- ・陽気なオジさん
- 帰国前日のディナーはホテル内の"CEDRO"という名のメインダイニングでとりました。
- 私どもツァーの一行が食事していると、一人のオジさんがやってきて陽気に話しかけてきたりカンツォーネを歌ってくれたりしました。
このオジさん、お名前はDiegoといい、北海道で1年ほど暮らしたことがあるとか。
- ・大丈夫なのか?
- タオルミーナでお世話になったガイドのCさんが自身のクルマの免許証を見せてくれましたが写真が古い!
なんと、イタリアではクルマの免許の更新はないそうです。
番外編2&参考情報 投稿日:2月17日(金)21時52分44秒 参考情報:
- ・ポンペイ遺跡内のワンちゃん
- 前回行ったときも目にとまりましたが、遺跡内では犬が何頭か放し飼い、というより半野良状態になっています。
観光客が相手をするせいか、近寄ってきたり道案内でもするようなしぐさをします。
- ・アルベロベッロ修復計画?
- ヨーロッパの古い町というと道が石畳で舗装されているものですが、アルベロベッロは大昔は石畳でしたが、現在は無粋にもアスファルト舗装されています。
世界遺産に指定されたこともあって、ゆくゆくは道を石畳に戻そうという話が持ち上がっているそうですが、その話を聞いたとき「これはビジネスチャンスかも!」と思いました。
石畳にするのと併行して電線を地中化すれば景観の美化にもつながりますので。(勤務先でその方面の仕事もあるはず)
- ・やはり苦手だ!ガス入りミネラルウォーター
- ミネラルウォーターにはガス入りとガスなしがあるのは皆様ご承知かと思います。
ヨーロッパの人に言わせれば「ガス入りのほうが整腸作用があって良い」そうですが以前フランスでガス入りのペリエを飲んで苦かった思い出があるので、私はもっぱらガスなしを選んでいます。
ところが、パレルモのスーパーマーケットで知らずにガス入りを買ってしまい、「今度はどうかな?」と思って飲んだらやはり苦い味がしました。
- るるぶワールドガイド ヨーロッパ4「イタリア」
- 「イタリアは南が楽しい!」 タカコ・半沢・メロジー 講談社知恵の森文庫
- 「土曜日はイタリアン・キッチン」 貝谷郁子 宝島社文庫
- 「恋してパスタ」 くろまめの枝豆会 保育社カラーブックス
- Vesuvioinrete
ご丁寧にも「フニクリ・フニクラ」の曲まで載ってます。- アリタリア航空ホームページ
シチリア州のシンボル「トリナクリア」 投稿日:10月22日(土)21時49分37秒 州旗に描かれているマークが「トリナクリア」です。
ウィキペディア「シチリア島」の項にも少し記載がありますが、現地での説明を付け加えると真ん中の顔は怪物メドゥサまたは太陽神アポロンで、頭髪は蛇です。
3本の足はシチリア島の3つの岬を表わしております。
このマークは土産物として島内各地でピンバッジや壁掛けの陶板、絵葉書などにデザインされて売られています。
私は金色のピンバッジをパレルモ空港の売店で買いました。
あまり買い物好きでない友人もこのマークは気に入ったようで、いいデザインの壁掛け陶板がないかと探し回っていましたが、結局「これは!」というのは見つからなかったようです。