File12 駅伝応援バスツアー体験

<文責:女王様3号>


内容 2002年東日本実業団駅伝 応援バスツアー
場所 千葉県印西市千葉ニュータウン
体験者女王様3号体験日2002年11月10日
料金無料(朝食,昼食,飲み物つき)※但し陸上部後援会会員のみ


■そもそもの始まり

もともと、3号の家では駅伝やマラソンなど、長距離レースをTV観戦するのが好きである。 特にお正月は、元旦に実業団日本一を決める全日本実業団駅伝ニューイヤー駅伝)、2日・3日は箱根駅伝(関東の精鋭15~20大学で東京←→箱根間10区間を2日で往復)と、おせちより何より駅伝を観ないと正月じゃないというほど。 そして、3号の勤務先には陸上部があり、職場にはランナー前田さんが今年入社。コンディションの整わない選手が多かった我が陸上部で、駅伝出場のチャンスを見事ゲット。これは生で応援するしかない!というわけで参加することになった応援バスツアー。 初めての「ナマ」駅伝の雰囲気が伝わるでしょうか?そして目前に迫った2003年ニューイヤー駅伝(TBS系列で元旦に放映)もあわせてお楽しみいただければ幸いです。

■出発は夜明け前

東日本実業団駅伝(以下東日本駅伝)、今年の会場は「千葉ニュータウン」。東京都の西端から行くにはけっこうな距離である。というわけで集合は朝5時50分に会社正門(泣)。5時少し前に起床し、前夜仕度しておいた衣服とリュックを身につけていざ出発。こんな時間に路線バスは走っていないので、国道沿いをてくてく歩く。ちなみに外気温0度。くら~い(夜明け前)。さむ~い。人気(ひとけ)がな~い。ババシャツ+厚手セーター+裏フリースの上着+マフラーと防寒対策をしているにもかかわらず、首もとを冷たい風が吹きすぎる。東京都とはいえ山沿いは寒さも厳しいのである)。歩くこと約30分、身体がじんわりあたたまったところで会社に着き、指定された1号車に乗り込む。後援会スタッフが点呼したにもかかわらず、あやうくトイレに一人置き去りにしそうになったりもしたが(をい)、6時前にバス出発。途中、JR駅前集合組をひろって中央高速のインターへ。このころようやく空が白みはじめる。配られたお弁当とお茶でようやく一息といったところ。ここで後援会スタッフより本日のオーダー(1区~7区を誰が走るか)が発表。同じ職場の前田さんはアンカー7区の重責を担うことに。1区も新人さんという、やや苦しいオーダーだ。

東日本駅伝は、日本一を決めるニューイヤー駅伝の予選でもあり、12位以内なら出場できる。当社は今年ニューイヤー駅伝で優勝したためシード権を獲得しているため、途中棄権さえしなければOKだが、駅伝は何が起こるかわからないスポーツ。車内でレース予想などをしつつ、首都高~東関東自動車道を経て千葉ニュータウンへ。

■組み立てるべし、かつぐべし、配るべし

新木場のあたりで渋滞に巻き込まれたため、予定より少し遅れ8時30分に現地着。強風のせいか磯のにおいが。3号の乗った1号車の使命は、楕円形の1周約10kmの周回コースの短径部分(約600m)を徒歩で往復し、コース2カ所で応援すること。応援側もけっこー大変なのである。ランナーたちは7人で8周(80km)を駆け抜けるから文句はいえないんだが。ちなみに2号車はもう1カ所ある中継地点での応援(移動はなし)。
9時スタートなので急いでのぼり(大・小)を組み立てる。現・執行役員だろーが元・常務だろーが有無をいわさず総動員で、もくもくと家内制手工業状態にいそしむ。しかし、スタート地点・中継地点ではのぼり(大)を持っての応援は禁止なので要注意(コースの他のところならばOK)。

各自、沿道で応援する一般客に配る小旗(紙製)を持ち、スタート地点へ急いで向かう。要領の悪い3号は小柄なのにのぼり(大)をかつぎ小旗20本を持つはめに。のぼり(大)は街路樹にひっかかりやすく、強風にもっていかれそうになるので、正直つらい(女性で持っているのは私一人。応援場所に穴を掘って立ててもらったので、持って歩いたのは1往復ですんだ)。小旗を「欲しい」という人に配ったり(全社集めている子供達もいる)となかなか忙しい。

応援風景(のぼり)応援風景(のぼりはこんな感じです)

途中、ワゴン車で待機している前田さんを発見し、声をかける。今年の箱根駅伝で花の2区を走り、歴代2位のごぼう抜き記録を持つ彼だから、新人とはいえ余裕なのかと思ったら、レース後に本人に聞いてみたところ「いや、箱根より東日本(今回のレース)の方がめちゃめちゃ緊張しました」とのこと。箱根の方が注目度高いし応援も多いけど、実業団はまた別の雰囲気があるらしい。

ようやくたどり着いたスタート地点では、今年の新人 谷川選手が緊張の面もちで待機している。先輩酒井選手が付き添い。昨年1位の我が陸上部はゼッケン1番だが、今回1位は無理かなー。現地で配られた全チームのオーダー表を見る限り、箱根駅伝のエース級をそろえた日清食品、元旦の雪辱に燃える富士通が強そう。

■歩くべし、叫ぶべし

朝早いので一般の応援客は少なく、どこかのチームの応援団が殆ど。スタート地点でアップしている選手や付き添いには、箱根駅伝で観たことのある顔が多い。手の届くところに有名選手がいるので嬉しくなってしまう(←ミーハー)。やがて運営側による点呼がはじまり、緊張感がさらに高まる。

号砲とともに27チームがスタート。もたもたしていると、次の応援地点までは走る距離が短いので 移動が間に合わない(応援団が使う道路は楕円コースの片側に寄っているため)。各社ののぼりがぞろぞろと次の応援地点へ向かうさまは壮観だ。1区(10.0km コース1周)はNECがトップ。我が社は15秒差で5位とやや出遅れた。(1区は順位よりも秒差が重要)。TBSのTVクルーもぞろぞろと移動している(生中継ではなく11/16に録画ダイジェストで放映)。

のぼりを立てていたら出遅れてしまい、次の応援への移動が間に合わないため、そのまま2区(7.4km)の選手を待つ。金髪に染めた迎選手は気負いがちな悪い癖が出て、7位に落ちてしまった。うーん、やっぱり今年は厳しいなー。他チームの応援団に「今年はK(我が社)さん、調子悪いねぇ」などと噂され、応援にも気合いが入る。

3区(12.6km)を走る小澤選手は奥さんとお子さん(2歳くらい)が応援に駆けつけていた。パパが走っているのがわかるのか、ベビーカーを降りて必死に走るジュニア。だいぶ差が縮まってきたぞ。続く4区(17.4km)は松宮選手(双子の兄)登場。最長のエース区間だけあって、ギタヒ@日清食品,カビル@ホンダ,ジェンガ@ヤクルトと外国人選手が目立つ。双子で顔の見分けがつかないから、途中こっそり弟に入れ替わっちゃえ…とアコギな手を考えてみたりする(←走るフォームが全く違うので無理です)。ここは日本人最高の区間4位で逆転に望みをつないだ。

4区を走る小澤選手 4区小澤選手  5区磯松キャプテン 5区磯松選手(右端)

■走るべし、走るべし

5区(10km)を走るのはキャプテン磯松選手。10日ほど前にフランクフルトマラソンを走ったばかりで駅伝を回避するかと思われたが、チームの緊急事態にそんなことができる彼ではない。疲れを感じさせない走りでタイム差を縮め、大学の後輩である6区(12.6km)坪田選手にたすきをつなぐ。坪田選手は快走し、3位をかわし2位にあがった。その瞬間を運良く目の前で見ることができた3号は鳥肌がたった。ペースを上げて抜き去る瞬間を時々TVでも見るけど、ナマはぜんぜん違います!隣にいたTBSのTVクルー(徒歩移動)は、中継車も中継バイクも付いていなかったことをしきりに悔しがっていた。もー、なんでこんな決定的瞬間を撮ってくれないのよー。

6区坪田選手 ホンダを抜きさる坪田選手

しかし、5区及び6区の応援はつらかった。2人ともスピードがあるから、「がんばれー」と声を出した直後に急いでで移動しないと次の地点に間に合わない。下位がどうなっているかをチェックする余裕なんて全くなし。徳本→ギタヒ→奈良の豪華リレーでトップに立った日清食品は完全に独走態勢に入り、我が陸上部は2分以内の2位を狙う。選手が揃わなくても地力を発揮するのがニューイヤー2連覇の意地ってもんよ。坪田選手はアンカー前田選手の負担を少しでも減らそうと区間賞の走りを見せた(アジア大会の雪辱もあったかもしれない)。

中継地点に前田選手の顔がちらりと見える。職場で見せる顔とは全く違う、ぴりりと引き締まった表情が遠目から見て取れる。いよいよたすきはアンカーへ。いけー、前田さん!! 次の応援ポイントでは、中継で1分20秒あまりだった差が開いてしまっていた。ニューイヤーで走るチャンスをもらえるかどうかの瀬戸際、がんばれー。夏場、彼は故障でずっと思うように走れなかった。足首が腫れるのを氷嚢で冷やしていた姿を思い出す。青東駅伝で痛みがぶりかえしたと言っていたけど大丈夫かなー、アンカー区間は10kmもあるし。4往復して棒になってきた足を励まし、再び中継点=ゴール地点の応援に向かう。1位日清食品。そして、そして、さっきより少し差を縮めて2位前田選手がやってきた。苦しい息づかいまで聞こえる。職場の同僚と「がんばれー」と声をふりしぼる。そして、ゴール!2位だけど、よく頑張ったよ。

選手整列 戦い終えて、ニューイヤーへの抱負を語る監督と選手達

■戦が終われば腹が減る

応援中にトイレ休憩はしたものの、飲まず食わずでいつのまにか13時。朝食が7時前だからお腹はぺこぺこ。バスに戻り、お弁当をもらって食す。応援中こっそり姿を消したおやじ達が酒盛りをしたらしき跡が 残っているが見ない振りをしてやろう(なお、本当はアルコールを飲んでの応援は禁止です)。その後、選手や役員控え室になっている小学校に移動し、監督・選手の総括を聞く。その後全員で記念撮影。 バスも帰途についた。帰りは当然のことながら爆睡。会社に到着し、ハンドタオルのお土産をもらって家路へ。翌日はアキレス腱まわりに鈍い痛みが出て、運動不足を痛感しました。

■感想いろいろ

いやー、写真が全然とれませんでした。何せあっという間もなく目の前を通過しちゃう。かなり前から シャッター押してもだめでした。とほほ。 TVを見て想像していたよりはるかに速いですね。あんなスピードで10km20km走るなんて(絶句)。 10秒差がけっこうな距離差になるのが体感できました。正面からの映像が多いTVではぴんとこな かったんですが。
選手の息づかいまで聞こえるのがナマの迫力でしょうか。苦しそうな選手を見てると、他チーム でも応援したくなります。なお、選手に応援の声はとてもよく聞こえるらしい(前田選手談)。 ニューイヤー駅伝は未体験なので分かりませんが、東日本駅伝ではそんなに応援もいないし警備も厳しくないので、徳本選手や藤田選手など、一流選手がまさに目の前で見られます。 ごくフツーにファンが話しかけたりしているのを見て驚きました。確かにSMAPとかとは違うけど、ファン なら応援に行きたくなりますよね。ちなみに、3号は徳本選手に話しかけている谷川真理サンも見ました。 いままで駅伝に興味のなかった方も、まずはTV観戦からはじめてみませんか?

◆ 関連リンク ◆

TBSニューイヤー駅伝2003ホームページ

元旦朝8時30分よりニューイヤー駅伝を生中継するTBSの特集ホームページ。出場する実業団チーム・選手のプロフィールなどが掲載されています。全46回の歴史も。

うちのチームのホームページ

ニューイヤー駅伝特集にリンクしてみました

3Qs’Try一覧へ
旅好き3女王様の小帝国トップへ