２１世紀になっても相変わらず低迷する日本経済。尊い労働の結晶をせっせと貯金しても、この低金利で利子は雀の涙…。
そんな折、会社で情報誌「シティリビング」を愛読する女王様２号から「女性のための資産運用セミナーに行かない？」と お誘いが（詳細は上記）。あからさまにサブタイトルに「ＯＬのための」とついているのが勤め人ではない１号にはちょっと気の引ける ところだが、素知らぬ顔でＯＬ風を装って（？）参加してまいりました。

　定員150名ということだが、開演時刻にはほぼ満席。やはり２～３人連れが多いようだが、中には１人で来ている人もいた。ＯＬとは いってもいわゆる「イマドキＯＬ」っぽい人はほとんど見受けられず、「運用するだけのお金はしっかり貯めてます」という共通 のオーラが感じられた。時間ギリギリにホテルに入った１号＆２号も、エレベータホールでシティリビングの案内係の人から「ｅｘｅ． フォーラムにご参加の方ですか？」と声をかけられたので、一応は小金を持ってそうに見えたのでしょう（笑）。
　案内文には「紅茶やコーヒーを飲みながらの気楽な雰囲気の中で、楽しく金融について学べます」とあったが、実際に出されたの はオレンジジュースとイチゴショート（ミニサイズ）。実はセミナー前に女王様たちはお茶してケーキを食べてきたところだった。 (^^; 「紅茶やコーヒーって書いてあったのに…」と思わずアンケートの「良くなかった点」に文句を書いてしまう女王様２号。

　セミナーは二部構成になっており、最初の１時間は「貯蓄の”ああ、失敗”」というテーマでゲストによるトークが行われた。ゲスト はフィナンシャルプランナーの浅井秀一氏＆生活経済ジャーナリストのあんびる（←外国人とでも結婚しているのかと思ったら、 「安蒜」と書くらしい）えつこさんという２人。司会はニッポン放送の女性アナウンサーが務める。
　わざわざセミナーに来たのだから、ここは一つ専門家に「こうしなさい！」と力強く指導してほしいところなのだが、浅井氏の話は

• 株価が安いときこそ投資するチャンス
• リスクを避けるには商品（株式とか外貨預金とか）を組み合わせて資金を分散させる
• まず１回は損することも覚悟で色々試してみるしかない（１００万円を１ヶ所に投資するより１０万円ずつ１０ヶ所に投資する）＆ その上で失敗したものには次から手を出さない
• 全財産を投入するようなことは避ける

など、当たり前と言えば当たり前な内容が多かった。アナウンサーが「『この会社の株がオススメ』とかいう情報はありませんか？」 と、我々の気持ちを代弁して突っ込んでくれていたが、さすがフィナンシャルプランナー（？）、うっかり言質を取られるような発言は しないのだ。やっぱり誰もが成功する投資術なんてないよな、とわかっちゃいるけど…。
　一方のあんびるさんは「小学生の時にクルーガーランド金貨（＠南アフリカ）を買ったら暴落して損した」「大学生の時に（！）ＮＴＴ 株を買ったら暴落して損した」（しかも２回とも購入を勧めた親に「損失補填」してもらったらしい）というエピソードを披露。失敗談な だけでなく、自分には縁遠い話に「や、役に立たん…」と思って聞いていたのだが、株を買うにあたって一つ参考になる話があった。 それは自分が勤めている会社の株ではなく、同業他社の株を買ってみるというもの。なぜかというと、自社の業績が良ければ それはボーナス増として反映されるし、自社の業績が悪い時はイコール他社の業績が良いハズなので、他社株の配当が良くなるからだ そうだ。な～るほど～、とこれはちょっと目からウロコでした。確かに自社株だけ持っていても、倒産した時には何の役にも立たないし。
　それから、マンションを購入するＯＬさんなんてのも最近よく聞きますが、マンションは購入した瞬間から「中古」になってしまうの で、「他人に貸したらいくら取れるかということも考えて、立地第一で選べ」とのことだった。でも立地のいいマンションなんて なかなかＯＬに手が出る値段じゃないでしょう。

　トイレ休憩をはさんで（アナウンサーが「トイレに行きたい方はどうぞ」と言ったのだが、我々のすぐ後ろに立っていたスタッフの男 は「ここで立たせちゃダメなんだって！」と怒っていた。第二部のプレゼンテーション前に帰られると困るということだろうが、なんか 言い方が不遜で不愉快だった。飲み物出しておいて「トイレに行くな」もないだろーよ。誰も聞いていないと思っていても、壁に耳 ありセミナーに女王様あり。）、第二部は協賛３社によるプレゼンテーション。
　大和証券は特定の商品ではなく、インターネットやｉモード携帯を使っての個人投資入門ビデオ上映がメイン。東京三菱銀行は 「ＭＶ」という投資信託商品の説明だったが、あまり良く理解できなかった (^^;。ゴールドマン・サックス証券のイチオシは 少額から投資できる「ポケ株ワラント」という商品。この説明をした人が、営業マンとしては一番話が上手かった。少なくとも 女王様２号の心を動かしたようだ。ちなみに販促グッズとして、大和証券：ロングストラップと繰り返し使えるカイロ、ゴールド マン・サックス：胸に「ポケット株」と書かれたＴシャツをもらった。（こういうＴシャツもアメリカ人から見ればｃｏｏｌ！？）
　予定時間の９時を１０分くらいオーバーして終了。希望者は各社の担当者に質問したりできたようだが、むろん我々はアンケートだけ 提出してペンセットをゲットし、そそくさと新橋のガード下に向かったのだった。
　所詮女王様たちは、将来の蓄えよりその日の楽しみを優先するキリギリス。はたしてこのセミナーが役に立つ日が来るのだろうか…。

余談：

シティリビングの会員組織（会費無料・結構特典ありそう）への参加申込書も配られるのだが、その組織は３６才になると自動的に 退会させられるらしい。シティリビング的には「ＯＬ３５才定年説」のようである。

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