最近観たもの
とりあえず普通に
近況などについて書くトコもあった方がいいかな、なんて思いながら作りました。
ここは映画とかビデオとか。新旧問わず観た時に書いてるはず。
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1999年9月
- 映画「マトリックス」
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面白い映画でした。それは間違いなく言えるけど、見る人を選ぶのかもしれません。
ネタバレになりそうなんですが「オタクの理想」ともいえる仮想現実=マトリックスに寂しさを感じてしまいました。
どういうところかっていうと「これこれの能力が欲しい」と言うと、現実世界にいるオペレーターがディスクドライブにソフトをロードして、コードに繋がれた主人公たちの頭脳にインストールしてくれるんです。数秒の読み込み時間の後に主人公が目をぱっちり開けて「○○を体得」とか宣言してくれるんですが、何だよそれぇと言いそうになりました。
何の努力もなしに一瞬で何かのエキスパートになれる(または苦手な物を克服できる)というのは、コンプレックスのある人間にとって憧れの技術です。
私はそこがマトリックスの登場人物のキモだと思ったので、もっと格好いい演出でキメて欲しかったんです。他のシーンは練り込んであるなーと感心したのに、問題のシーンだけが「○○体得(実際のセリフは違います)」だったのでした。なんかそこだけイヤに浮いてない?
私はあまりのストレートさに「え〜っ?」と不満そうな声をあげてニヤニヤ笑うしかなかったのです。
どうしてそれが寂しいのかというと、ごっこ遊びのお約束に疑問を感じ始めたらやっぱり寂しいものでしょ? 出された物を無邪気に楽しむという精神が欠けてきたのかなって気づかされちゃったからですね、きっと。
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1999年10月
- 400台コメントの埋め草
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(前略)
とりあえず、暫定的に管理人こなの憧れの職業についてコメントしておきます。
まず、幼稚園の時は絵描きさん。小学生の時は芸者さんまたはホステスさんでした。理由は特にありませんが、ドラマなどに出てくる粋でいなせなお姉さんというイメージがあったため、格好いい大人の女の代表的職業として捉えていたようです。
中学生になって進路について損得を考えるようになり、一時期女性でも出世が望めるという看護婦になろうと思いましたがとある理由(自分以外の血なんか見たくない)で頓挫し、商売人を目指すことにしました。
それから何年も経ったある日、スーパーファミコンの『MOTHER』というゲームをプレイして、ヒーラーという職業を知りました。
あの人に会うとね、むっちゃ心が慰められるんですよ。
以来「ヒーラー」は私の憧れの職業になりました。
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2000年1月
- 映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」
- 最初に言いたいのは、お互いのことを良く知らないカップルは一緒に見に行っちゃ絶対ダメです。
ほとんどのシーンが喧嘩のシーンだったりします。
しかもBGMはないです。音楽の入ってない映像がどれほど見る人に苦痛を与えるか、映画音楽の必要性を切実に感じさせてくれます(上映時間は、実は1時間半弱なのに3時間くらい見させられてる気分になりました)
それからパンフレットの「ブレア・ウィッチ年表」は見る前に必ず目を通しておいた方がいいです! この映画は、予備知識が必要です。
じゃないと辛いですよ。「なんじゃこりゃあ!!(故・松田優作)」級です。
珍しくパンフレット買って読んでおいて良かったと思いました。レイトショーだったので1200円+パンフレット700円で抑えられたから結構得したと思います。
で、オモシロイなーと思ったのが閉じ方! ほとんどのページが「袋とじ」になってるんです。
袋とじの外側になっているのは「行方不明になった学生たちの記録映像」を見るために必要な予備情報のみで、切り開いたページには「『ブレアの魔女伝説』を背景にした映画作りとメディア展開」など現実世界の情報が載っていました。
緻密に設定された世界観と、各種資料ごとに補完している情報の種類が違っているなど、ハマると抜け出しにくそうなマニアックな魅力を感じてしまいました。
映画の感想は、とても気分が悪くなる映画でした。でも、ちゃんと筋が通っているので駄作ではありません。きちんと恐ろしいです。ラストシーンもインパクトがあります。
その効果が現れたのは、私の場合は帰り道でした。
ウチの近所とか駐車場って常夜灯がないので、暗闇が怖くなります。たとえもうすぐ街灯の明かりに溢れた場所にたどり着けると分かっていても、明るいところに踏み入れるまでの足下の暗さに不安を感じ続けるのです。
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2000年2月
- ビデオ「RONIN」
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こばけんさんと職場のヤマグチ君おすすめの「RONIN」を見たのは、話を聞いてから何ヶ月も経ってからのことでした。……しかし、最初に借りたときは結局仕事やら用事やらで忙殺されて見ないウチに返却期日がきました。むっちゃ不幸です。
気を取り直して1週間レンタル出来るようになってから借り直しましたが、今度は1週間だから……と気を大きく持ちすぎたのがアダになり、返却期日の前日に慌てて見ていたのです。しかし私と「RONIN」の不幸(?)は止まりませんでした。
へっぽこスパイマニアがロバート・デ・ニーロにシメられて、これから面白くなりそう〜というところで、友人から電話がかかってきました。はっきり言って長電話は特技です。自分からは経済的な理由で滅多に電話をかけたりしませんから、人からかかってくると自分の用事なんかどーでもよくなって話し込むのです。
というわけで「RONIN」は眺めただけで終わってしまいました。人間関係や謎解きなど「ナニソレ?」でした。けれど、カーチェイスシーンは確かに面白かったです。いい車というのは、山道で荒っぽい運転をしてもエンジン音がぶれたり、車体が軋んだりしないんだなあと感心しました。
映画自体の感想にはなり得ませんが、それしかコメントできないです。よほどご縁がなかったのね、私たち。
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2000年3月
- ビデオ「鮫肌男と桃尻女」
- この作品を見るきっかけになったのは「SF」こと「サムライフィクション(*1)」です。このビデオに「SM」こと「鮫肌男と桃尻女」の予告編が入っていて、岸辺一徳が血まみれで電話してるトコに惚れました。あと出演者もほとんど知らない人ばかりなので、結構アタリ臭いと思ったのです。
原作だかが望月峯太郎という人だとのことですが、この人は確か漫画家(劇画家?)だったはずでは?「ワイルド7」はこの人の作品じゃなかったかしら?……などということが引っかかったりうっかり掲示板にカキコしてしまったりしたものの、私には珍しくビデオを一時停止して(*2)見直していました。
よかったです! ストーリーと真行寺君枝は別にどうでもイイ感じですが、役者さんの良さが活かされた映像だったなあと思います。
私はそれまで、動いている浅野忠信を見たことがなくて「いつもボーとした顔のこの人を、どうして世間の女性は『カッコイイ・ステキ』とか言うワケなんでしょう?」と常日頃から疑問に思っていたのですが、コレを見て謎が解けました。なんか自然な空気をもってるんですね。演技が自然というか。セリフが違和感なく聞けました。そして笑顔にやられました。
「別に戻んなきゃいーじゃん、そんなトコ。なあ、泣くなよ」こう言われたら頷くしかありません。
現実の男の人には言えないセリフなので映像上の浅野忠信王子様化は絶対的ですな。
あと役者さんの名前は忘れましたが、鮫肌の兄貴分・沢田が神様について語るシーンに差し込まれた一連のフラッシュバックは是非見ていただきたいです。
(*1)サムライフィクションでは、藤井尚之が地毛でちょんまげを結っています。素晴らしく似合っていて、やっぱナオちゃんっていい男!と思うコトしきり。無駄に長髪にしている男を見かけると月代(さかやき=ちょんまげの人の頭頂部の剃ってあるトコ)を作ってやりたくなります。長髪よりよっぽど似合うと思います。
(*2)私はビデオを一時停止するのは大嫌いです。途中でトイレが我慢できなければ、そのまま走らせてトイレに行き、もう一度見る価値があると思えば最初から見直します。単なるバカかも知れませんが、そうしないと気が済まないのです。「SM」のオープニングは少なくとも3回見直してます。
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2000年5月
- 映画「スペーストラベラーズ」
- 『怪獣映画風味の青春映画』と、よその掲示板で紹介したら、先行して見ておられた方から「言い得て妙」とのお墨付きをいただきました。なんとなく、誇らしい気分です。
ジョビジョバという演劇集団の舞台を映画化したと聞いていたので、後半の語りのクサさも耐えられましたが、予備知識のない方がどう受け取られたのかは謎です。
ものすごく感動したり、ワハハと大笑いさせることのない映画ですが、面白かったです。ちょっといい話レベルの感動が少しと、クスッあるいはニヤリと笑わせるギミックは盛りだくさんでした。
役者さんで一番印象的だったのはガッツ石松です。かつてのボクサー、ガッツを思い出させる頼もしさでした。
逆に期待はずれだったのは、浜田雅功。中途半端な役でした。あのチラシで取っていた胡散臭いポーズはなんだったのォ〜?
とかいいながらも、その後しっかり舞台のライブビデオ「ジョビジョバ大ピンチ」をレンタルして見た私は、6月23日発売の、アニメ版「スペーストラベラーズ」を見ようとするのかな?
- 映画「どら平太」
- TSUTAYAの紹介ビデオを見て「いっちょ見てみようかな」と思って、つい公開日の翌日に映画館に出かけました。
その気になったのは役所広司が好きとか、市川 昆監督ファンだからというわけではなく、賭場のツボ振り役で岸田今日子の徒な姐さん姿がツボにはまったからです。
やはり岸田今日子は格好良かった! 年増ではあるけど、スジの通った任侠の徒を感じさせてくれました。
しかし、それ以上に感動したのは「堀外」という治安の乱れきった場所で生活する人々。人相が悪〜い! 教育されたことなさそうな面構えとか、刺青の入った顔(この時代の刺青はあくまで見せしめの罰だから書いてある文字も強烈なんです) もう、一言では言い尽くせないほど刺青に込められた時代考証に圧倒させられました。
チンピラが刺青をちらつかせて他人を威嚇するのには、この辺りが発祥になったのかしら?などと考えてみました。刺青を入れられる程の罪を重ねて来たからこそ、掃き溜めの中で生き抜いてこられたという自意識のよりどころになっていたんだろうな、と。
刺青の中には、あからさまに「こいつは人間扱いしなくて良し」というモノもあります。そんな状態で生きていくことは現代人の私にはかなり辛いことだと感じられます。昔の悪人たちが凄んで見せる気持ちは、ファッションでTATOO入れてる人達には分かりにくいのではないかな、と思いました。
お話は痛快とはちょっと違いました。本に例えるなら「読後感の爽やかな小説」という感じでした。ある程度までは読めるのですが、ひねりが利いていてかなり目から鱗が落ちたような気分になれます。
あと、主人公の恋人役を浅野ゆう子が演じていたのですが「一途に主人公を追いかけてきた女性」というよりも「捕まらない限り、地獄の果てまで追いつめられる!」という鬼気迫るものを感じてしまい、恐かったです。
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2000年6月
- 展覧会「亀倉雄策の世界」
今年の春、島根県立美術館でポスターを見て以来、見たくて堪らなかった展覧会のポスターと再会したのは6月の始めでした。
半月ほどずれ込んだ引越の合間に、友達に付き合ってもらって浜松市美術館に行って来ました。
グラフィックデザイナー・亀倉雄策氏の『作品』はかなり有名です。NTTのロゴマークやリクルートのカモメマークは彼の作品だということを、私は展覧会で見て知りました。
JRのスキー広告のうち「苗場」は、雑誌広告の形で見ていたのですが、このシリーズも氏の作品だと知って感動してしまいました。A4の紙面いっぱいに雪景色。真ん中で曲線を描くシュプール。片隅に極太のゴチック体で「苗場」その下に説明が少しだけ……それが、シリーズ全編駅貼りポスターの大きさで見られるという驚き。
シンプルかつインパクトのある広告で大衆を掴む。その技術に卓越してると私は思いました。
氏の作るグラフィックアートは主にインダストリアル・デザインだったそうです。コニカのカメラのパッケージデザインや企業ポスターも展示されていました。(夫婦連れの観覧者が「ウチにもありそうな物だよね」と話していたのが印象的)
友達は、まさか美術館でのっぺりしたポスターばかりを見ることになるとは思ってなかったらしく「ハッキリ言って退屈だった」と言っていました。そんな友達でも少しは機嫌を直してくれそうなのが、特別展示の「亀倉雄策追悼作品集」です。実は、亀倉氏は1997年に逝去されています。28名(うろ覚え)の画家・写真家・イラストレーター・グラフィックアーティストが各人の亀倉氏への思いを作品化していますが、そのどれをとっても敬愛や親しみといったものが感じられて故人の人柄のよさを実感するのです。
ちなみに、浜松市美術館では2000年7月23日まで開催されます。
亀倉雄策氏の作品は新潟県立近代美術館の所蔵のものらしく、全国を巡回した後は新潟に戻ると思われます。
美術展のポスターは「オリンピック」と「ヒロシマアピール」を目印に。それが作られた年代に注目しなくちゃ、亀倉氏の偉大さは解らないんだからね。
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