二酸化炭素(CO2)が急上昇し始めた研究報告が出ました。2004.11.8
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【CO2濃度急上昇】過去2年間・日米観測、悪循環の指摘も
地球温暖化の原因となる大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度の上昇率がここ二年ほどの間、それ以前に比べ、目立って大きくなっていることが、日本や米国の研究機関などのデータで8日、明らかになった。
原因は不明だが、CO2が大気中に蓄積されることによって起こる気温上昇が、一層のCO2濃度の上昇を招く悪循環が始まっている可能性を指摘する専門家もいる。
温暖化防止のための京都議定書が発効することになったことを受け、環境保護団体などからは各国の削減対策強化を求める声が強まりそうだ。
日本の東北大や国立極地研究所による南極・昭和基地での観測では2001年には368・4ppmだった年平均濃度が、02年には370・5ppm、03年には372・7ppmと2年連続で2ppm以上増加。それ以前は年1.5〜1.6ppmだったのに比べて、上昇傾向が大きくなっていた。
また、米海洋大気局(NOAA)がハワイで行っているCO2の長期観測でも、02年には前年より2.1ppm、03年には2.5ppmも平均濃度が高くなっていた。
NOAAなどの研究者は、大気中のCO2濃度が高まって気温が上昇した結果、海洋や森林、土壌のCO2吸収量が減少、さらなる濃度の上昇を招く「フィードバック現象」が起こっている可能性もあるとしている。
東北大の青木周司教将は「最近の濃度上昇率はかなり大きくなっている。大気中濃度に影響を与えるエルニーニョ現象が02年春から03年冬にかけて起きているが、その規模は大きくないので、可能性としてはフィードバックの結果であることも考えられる」と指摘。「傾向を注意深く監視する必要がある」と話している。
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静岡新聞 2004/11/8 夕刊より
【海面水位、100年で最高水準】 2004.5.10
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【水温上昇→海水膨張→海面上昇】
ここ数年、日本沿岸で海面水位が上昇している現象は、日本近海の水温上昇と密接な関係があり、最近5年間の日本の平均海面水位は通常の水位と比べて4、5センチ前後高く、過去百年で最も高いレベルとなっていることが9日までの気象庁の調べで分かった。
気象庁は全国13ヵ所に精密型水位計を設置する一方、国土地理院と協力して地盤変動による影響も調査する方針。「水温変化の原因には謎の部分も多く、解明に向け調査を進めたい」(同庁気候・海洋気象部)としている。
気象庁によると、日本近海の水深0〜約700メートルの平均水温は、1970年から85年まではほとんどの海域で低下していたが、北太平洋中部海域での海上風の長期変化や地球温暖化などの影響で、85年以降は上昇傾向が続いている。
南西諸島から日本海では年0.01〜0.06度、東海沖や関東東方沖は年0.1度を超える上昇率だった。
水温が上がると海水は膨張して水位が増し、逆に水温が下がれば収縮して水位は低下する。全国の検潮所や海洋気象観測船を使った調査でも、水温変化と海面水位の上昇傾向がほぼ一致したという。
日本沿岸では毎年夏から秋にかけて潮位が高くなっており、沖縄本島などでは昨年8月から9月にかけて平常潮位より10〜20センチ高い状態となリ、被害も相次いだ。また昨年十月には世界遺産に登録されている広島県宮島町の厳島神社の回廊も冠水し、参拝が一時中止された。
忍路(北海道)、輪島(石川県)、串本(和歌山県)、浜田(島根県)、細島(宮崎県)の2003年の平均的な水位変化は、北日本の低温の影響を受けたため、02年に比べて1.6センチ低かったものの、長期的に見ると、依然として高い状態だった。
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静岡新聞 2004/5/10 朝刊より
【北極域の気温急上昇】 世界の気象にも影響(ワシントン23日共同)2003.10.24
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北極圏のほぼ全域で過去二十年間に気温が急激に上昇し、世界各地の気象にまでも影響を与えている可能性があるとの人工衛星による観測結果を、二十三日、米航空宇宙局(NASA)の研究グループが発表した。
大気中の二酸化炭素の増加が原因である可能性が高く、気温上昇の結果、海氷が溶けて海水の温度が上がり、これがさらに気温上昇を加速するという悪循環が、発生していることも考えられるとしている。
NASAのゴダード宇宙飛行センターのジェセフィーノ・コミソ博士らは、一九八一年から二〇〇一年までの北極圏の気温に関する人工衛星のデータを解析。夏の平均気温が十年間で一・二二度のペースで高くなっていることを突き止めた。これは、過去百年間の温度上昇の八倍だった。
温度上昇の結果、北極域の海を覆う海氷の面積が縮小して二〇〇二年に過去最小を記録。海流や周辺の気圧配置も変化して、世界的な気候変動を招いている可能性が高いという。
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静岡新聞 2003/10/24 夕刊より
★海氷がどれだけ融解しているかは、ゴダード飛行試験施設(Dryden Flight Recearch Center)で見ることが出来ます。1979年と2003年との比較写真には驚きを禁じ得ません。
http://www.gsfc.nasa.gov/topstory/2003/1023esuice.html
【世界の陸地の気温、5月は観測史上最高に 】2003.7.3
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世界気象機関(WMO)は、5月の世界の陸地の平均気温が11.2度となり、観測史上最高を記録したと発表した。過去の同月の平均値を1度近く上回ったという。海上を含めた地球全体の平均気温も14.6度で、史上2位の高さだった。
こうした傾向は6月に入っても、欧州大陸を中心に続いており、各地で記録破りの暑さとなっている。
スイスでは、各地で最高気温が35〜36度に達し、しかも暑さが持続した。「少なくとも過去250年で最も暑い6月」になったという。フランス南部も熱波に襲われた。地域によってばらつきはあるものの、いずれの都市でも6月の平均気温が、過去の月平均を5度から7度上回った。最高気温が40度以上になった場所もある。
WMOは、地球温暖化が進む中で、こうした異常気象が今後、さらに頻繁に起きる可能性が高いと指摘している。 (07/03 23:29)
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ashi.com(http://www.asahi.com/science/update/0703/001.html)より
【海面の水位100年で最高】(浸水に注意呼び掛け)2003.7.2
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【海面の水位100年で最高】(浸水に注意呼び掛け)
気象庁は一日、日本沿岸の海面水位が一九八五年以降上昇を続け、昨年の平均水位は過去のピークだった一九四八年を上回り、この約百年間で最も高かったと発表した。
同庁は「地球温暖化や黒潮の変化が関連している可能性がある。潮位が上がる夏から秋は浸水被害も出やすく注意してほしい」と呼び掛けた。
気象庁気候・海洋気象部によると、石川県輪島市など五カ所の検潮所のデータを集計したところ、二〇〇二年の平均海面水位は過去百年間の平均を五・一二センチ上回つていた。これまでの最高は一九四八年に記録したプラス五・〇七センチ。今年も高い状態が続いている。
例年七〜十一月は主に水温上昇による海水の膨張で、多くの沿岸で最高潮位が冬から春より二〇〜三〇センチ上昇。台風の影響でさらに潮位が高くなることがある。
気象庁は、各地の検潮所に精密水位計を設置し、メカニズムの解明を進める方針。
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静岡新聞 2003/7/2 朝刊より
【最悪で70億人が水不足に】 国連「世界水発展報告書」(2003.3.5 )
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水問題にかかわるすべての国連機関が共同でまとめた淡水資源に関する「世界水発展報告書」が5日、発表された。人口増、水質汚染、地球温暖化などが原因で、今世紀半ばに深刻な水不足に直面する人口は、最悪の場合60カ国・70億人(50年の推定人口は約89億人)に達すると予測、水確保に向けた地球規模の行動を求めている。
国連開発計画、環境計画、ユネスコなど23機関が参加。水に関する国連初の包括的な報告書で、16日から京都市などで開かれる第3回世界水フォーラムに報告される。
水消費量は過去50年間で倍増。先進国の子どもは途上国の子どもの30〜50倍の水を使っており、各国の経済発展に伴って今後も消費量の増加が予測される。将来の水不足では、気候変動で乾燥地帯が広がるなど、地球温暖化による影響が2割を占める。
農、工業や家庭排水が河川や湖に流されると、1リットルの排水で8リットルの淡水を汚染する。現在の汚染が人口増に比例して進んだ場合、50年までに世界で1万8千キロ立方メートルの淡水が使用不能になる。現在の世界の潅漑(かんがい)用水の9倍の量だ。
安全な飲料水が手に入らない途上国人口を15年までに半減させるという国際目標を達成するには、15億人への水供給が必要で、毎日27万人ずつ供給人口を増やしていかなければならない。
国際的に議論が起きている水道事業民営化について報告書は、水が貧困層の手が届かないものになってはならないとして、完全民営化には否定的な見解を示した。
報告書づくりの中心になったゴードン・ヤング事務局長は東京都内で会見し、「安全な飲料水に関する国際目標の達成には100億〜400億ドル(約1兆2000億〜約4兆8000億円)の追加資金が必要だ」と訴えた。
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以上、2003/3/6 asahi.comより引用
(http://www.asahi.com/international/update/0305/020.html)
【地球は大量絶滅期。鳥類減少で警告】 [ワシントン10日時事]2003.1.11
『米国の民間シンクタンク、ワールドウォッチ研究所は9日、2003年版の地球環境白書を発表し、鳥類の絶滅種が急速に増加していることなどから、現在地球は生物の大量絶滅時代に突入した可能性があると警告を発表した。
「2003年世界の状況」と題した白書は、環境の悪化により、現在世界では9800種存在する鳥類の中で、絶滅している種の割合が最近はかつての50倍以上になっているとして、過去500年間に絶滅した128種の鳥類のうち、103種は1800年以降の200年間に集中していると指摘。
「著名な科学者らは、現在世界が6500万年前の恐竜絶滅時代以来の生物の大量絶滅期のただ中にいると考えている」と述べた。(03年度版民間環境白書)「タイトルとも静岡新聞1月11日朝刊より引用」
【今世紀中に北極海の氷が消滅?】 [ワシントン29日共同]2002.11.30
北極圏の海を夏でも解けずに覆っている永久海氷が、急速に減少しており、地球温暖化が現在のペースで続けば、今世紀末には完全になくなってしまうとの予測結果を、人工衝星による観測結果などを基に、米航空宇宙局(NASA)のグループが、二十九日までにまとめた。
氷が少なくなればなるほど海の温度が上昇して、これがさらに氷の溶解を加速。氷の消滅は、世界の気候や海の生態系に大きな影響を与える可能性があるという。
NASAの研究グループは、衛星観測データに、船やブイなどの観測結果を加えて、北極の海面が毎年夏、どの程度氷に覆われていたかを1978年から2000年までについて解析した。
北極の夏の永久氷の面積は90年代に入って急速に減少。十年間で9%も減っていた。夏の平均気温はこの十年間に1.2度高くなっており、地球温暖化傾向が、減少の主因らしい。
氷が減ると、大気中に反射される光の量が減って、海に届く熱の量が増えるため、海水温度がさらに高くなり、これが氷の溶解を早めるという。(11/30静岡新聞夕刊より)
【“破産”に向かう地球の生態系】 [ワシントン24日共同]2002.6.26
漁業資源やエネルギー資源などを人間が消費する量は、1970年代終わりに資源全体の再生能力を上回り、それ以来地球の生態系は、元手となっている資源を食いつぶす「赤字決算」が続いているとの調査結果を米国、英国などの国際研究グループがまとめた。24日、米科学アカデミー紀要に発表した。現在では、人間の資源需要は、再生能力を20%も上回っており、調査結果をまとめた米国のシンクタンク「リディファイニング・プログレス」のマティス・ウェイカネーゲルさんは、「この傾向が続けば、やがて地球は破産してしまう」と警告している。(6/26静岡新聞朝刊より)
★この先、エネルギー関係で画期的なシステムが採用されても、それだけでは解消できないことを示しています。1970年代がこの文明のターニングポイントだったことは、当時から言われていました。
【北極域の氷床の移動が加速】[ワシントン6日共同]2002.6.7
北極域のグリーンランドの氷床では、表面の氷が解けるために氷床全体の動きが加速しているとの観測結果を、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターなどのグループがまとめ、6日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。この氷床は南極大陸の氷と並ぶ、地上に存在する巨大な氷で、縮小すると地球の気候や環境に大きな影響を与える。これまで、表面の氷の変化が氷床全体の移動に影響を与えるまでには、数百年から数千年かかるとされていた。(6/7静岡新聞朝刊より)
★南極での異変は多く報告されていますが、北極圏でも顕著に表れてきたようです。
【ロンドン19日共同】2002.3.20
南極の南極半島付近の海を覆っていた厚さ200mの巨大な棚氷(たなごおり)「ラルセンB」が気温の上昇によってついに崩壊した、と英国南極観測局(BAS)が19日発表した。
BASによると、崩壊した棚氷は3250平方キロの広さで、南極大陸周辺の五大棚氷の一つ。その一部が過去一ヵ月の間に一気に砕け、高さ100m前後のおびただしい数の氷山や氷片の群れに一変した。BASはラルセンBの崩壊を1998年に予測していたが、急速な崩壊に驚き表明している。(3/20静岡新聞夕刊より)
★温暖化は確実に進行しているようです。すでに温暖化防止は手遅れとの研究も報告されています。
【ワシントン22日共同】2001.6.23
今年5月の世界の平均気温は正確な記録を取り始めた1880年以来、2番目に高く、北緯20度以北の北半球では最も高かったことが米海洋大気局(NOAA)の22日までのまとめで分かった。過去25年以上にわたって続いている地球の温暖化傾向の表れだという。
NOAAは地球上の気温の傾向を、過去の長期的な平均気温との差で評価。5月の地球の平均気温は1880年から昨年までの平均気温より0.41度高く、1998年に次いで二番目の暑さ。北緯20度以北の地上平均気温に限ると平均より1.17度高く、昨年の記録をわずかながら更新して史上最も暑い五月になった。
NOAAは高温の原因を明らかにしていないが、研究者の中には、人間活動による二酸化炭素の排出量の増加が原因だと指摘する声が強い。(6月23日静岡新聞夕刊)
全米科学アカデミー、温暖化警告 IPCC報告書を追認
全米科学アカデミーは6日、大気中の二酸化炭素(CO2)などがこのまま増えれば今世紀末までに地球がかなり温暖化するとした「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の報告書を、大筋で追認する見解を発表した。ブッシュ政権に温暖化対策の必要性を説く内容だ。
3月に温暖化防止のための京都議定書に反対を表明したブッシュ政権や与党の共和党には、温暖化予測の科学的根拠に疑問が根強かった。また「IPCC報告書は、CO2削減に熱心な特定の国々にゆがめられているのではないか」との疑念もあった。このため、5月に同アカデミーに対し、こうした点への見解を1カ月でまとめるよう求めていた。
アカデミーの答申は「IPCC報告書には不確実さが残っており、人間活動に伴う影響がどの程度かは正確には分からないが、温暖化が確かに起きており、過去20年で特に強まっているということは広く合意されている」とした。
「今後、IPCCが報告書をまとめる際は、特定の国々の影響が強すぎると見られないようにする必要がある」と述べてはいるものの、「農作物の増産が見込めるなどとした米政府報告書には、議論がある」と指摘するなど、ブッシュ政権が期待した内容とは少し違っていたようだ。(asahi.comより)2001.6.7
気温上昇で棚氷崩壊 (NASAが海面上昇警告)【ワシントン16日共同】
南極大陸から海上に張り出している広大な棚氷(たなごおり)は、南極の短い夏の気温が高くなるだけで崩壊し、世界規模の海面上昇を招く恐れがあると米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが16日、警告した。
従来は、地球温暖化が進んでも南極の年平均気温は氷点(セ氏零度)を大きく下回っているため、巨大な棚氷が崩壊する可能性は少ないと見られていた。
研究チームは、1998年に一部崩壊した南極半島東側のラルセン棚氷の崩壊メカニズムを分析、同年の夏(2月)に棚氷付近の気温が零度を上回ったため、表面の氷の一部が溶けて亀裂に流れ込み、水がその重さで、くさびのように作用して棚氷が割れたことが分かった。
同チームのテッド・スキャンボス博士は「厚さが約200メートルある棚氷でも、表面に出来た深さ5〜15メートルの亀裂に水が流れ込むだけで割れてしまうことが判明した。棚氷は従来考えられていたより、はるかに崩壊しやすい」と指摘している。(2001.1.17)
日本のような大量消費では地球が三つ必要
「世界自然保護基金(WWF)」
(本部・スイス)がこの30年間に人類が利用できる資源が3分の1に減少するなどの分析結果を発表した。
そのなかで「世界中の人々が日本など先進国と同じように資源を消費するならば、地球があと二つ必要になる」
と先進国の消費型文明に対する反省を促している。(10/20 毎日新聞)