2004年10月29日
【新潟県中越地震でも直前の発光現象が観測されました】
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【発光″目撃の証言】長岡から震央方向「直後に揺れ」
新潟県中越地震の直前、長岡市内から震央にあたる小千谷市街方面の空に青白いせん光が目撃されていたことが28日、分かった。専門家によると、大規模地震の直前に表れる発光現象の可能性が高いという。
目撃したのは小千谷市の近藤進さん(49)と十日町市の藤木和成さん(53)。二人は本震直前の23日午後5時55分ごろ、長岡市内の病院建設現場で仕事を終え、現場内の事務所に戻る途中、南の空が一瞬青白く光るの目撃した。「今、何か光ったよな」と話した直後、突き上げるような激しい揺れに襲われたという。
発光現象に詳しい東海大地震予知研究センター(静岡市)の長尾年恭教授=センター長=は「発光現象は大規模地震か極めて震源が浅い内陸型地震で見られ、今回の地震に伴った可能性は十二分にある。非常に重要な証言と指摘している。地震に伴う発光現象は阪神・淡路大震災や松代群発地震などで目撃された。地震予知につながる可能性もあり研究が注目されている。
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静岡新聞 2004.10.29 朝刊より
2004年3月6日
【富士山の噴気は木材の発酵だった】
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昨年九月、富士山の斜面で見つかった弱い噴気について、山梨県は五日、建設業者(同県山中湖村)が林道工事の際に地中に不法処理した木材が発酵して発生したのが原因と発表した。
噴気は気象庁が昨年九月二十六日に発表していた。同庁火山課の山里平火山対策官は「結果的にお騒がせしたが、火山活動ではなくてほっとした」と話している。
同県消防防災課によると富士山の東北東斜面、標高約千五百三十b付近でこれまで、大小十七ヵ所の陥没が見つかり、うち四ヵ所からごく弱い噴気が見つかっていた。
山梨県と学識者が合同で掘削調査を実施。その結果、噴気があった地点となかった地点の二ヵ所で木材を埋設した痕跡を発見。建設業者が二〇〇二年一月ごろ、林道工事をした際、邪魔な木を伐採し埋設していたことが分かった。
建設業者は山梨県に対し、「木材を多数埋めた」と不法処理を認めた。県は業者に、原状を回復するよう勧告した。
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2004.3.6 静岡新聞 朝刊より
2003年9月26日
【富士山で陥没、噴気】
山梨県側で確認「噴火と関連なし」
富士山の山梨県側東北東、標高約一五〇〇メートル地点の斜面で、数ヵ所の地面の陥没が見つかり、陥没内や周辺の穴からごく弱い噴気が上がっているのが、二十六日までに確認された。これまでのところ、周辺で地震活動や地殻変動の異常などはなく、気象庁などは「噴火活動と直接関連するような現象ではない」とみている。
関係者の話を総合すると、今月中旬、同県富士吉田市内の「小富士」から北東に約二キロ付近で、一般人が一ヵ所の陥没を発見。陥没内に開いた穴から、二五〜四〇度程度の弱い噴気が確認された。数百b離れた場所でも三つの陥没が見つかり、陥没近くの穴からやはリニ六度前後の噴気が上がっていた。
気象庁などが状況を調査したところ、噴気から顕著な火山性ガスの検出はなく、富士山周辺に設置している地震計や傾斜計などにも、異常を示すデータは観測されていないという。
富士山での噴気確認は戦前以来というが、富士山防災を検討している内閣府や気象庁などは、現段階では活発な火山活動が予測される状況ではないとした上で、当面、噴気活動の推移を監視していく方針を示している。
(静岡新聞 2003/9/26 夕刊より)
2002年11月22日
【静岡県西部に臨時観測点】(東海地震にらみ緊張も)
国土地理院が21日に県内での地殻変動の臨時観測を発表したことについて、東海地震に関係する研究者らは「今後のデータを非常に注目している」と注視する姿勢を強めている。特に、東海地震の想定震源域付近で発生したスロースリップ(地殻変動異常)が予想以上に長く続いているため、東海地震の長期的な前兆の可能性も含めて緊張感を漂わせている。
地震防災対策強化地域判定会の溝上恵会長は観測強化を求めていただけに臨時観測を歓迎し、「東海地震はすでに定常的な観測で待ち受けるだけでは足りない時期に来ている」と現状を分析する。その上で「御前崎の沈降不足も一時的なのか継続的なのか、早く知りたい。変化量はわずかだが、東海地震が切迫した場合に現れるたぐいの重要な現象で、先回りした形で観測網を張る意味は大きい」としている。
地震予知連の岡田義光副会長も「御前崎の先端の沈降が止まったらしいということは非常に気掛かりだ」と臨時観測の結果を待つ構えだ。「スロースリップの影響で沈降は止まったとも考えられるが、そのスロースリップが今後どうなるか−。東海地震へつながるのかどうか、関係者はここ三十年で一番緊張している」と説明する。(2002年11月22日 静岡新聞朝刊より抜粋)
★東海地震が切迫していると叫ばれて久しい。この地域は世界でも例にない観測網で覆われている。その関係者がここ30年で一番緊張しているという表現を使っている。いずれにしろ歴史を振り返れば確実に定期的に起こっている地域です。遅かれ早かれ必ず発生することは間違いありません。そのときの被害は、人的にも経済的にも阪神大震災の比ではなくなるでしょう。
2002年5月21日
【身持ち悪い状態続く】(東海地殻変動で地震予知連会長)
地震予知連絡会(会長・大竹政和東北大教授)は20日の定例会で、東海地域で観測されている地殻変動異常について議論した。異常は浜名湖周辺では鈍化しているようにみえるものの、その東側では依然として継続していて、大竹会長は「センス(意味合い)としては、安心というよりも、気持ち悪い状態が続いている」とコメントした。
異常が観測されたのは、プレート境界面がずるずると滑るスロースリップが発生しているためとみられている。ただ、解釈を巡っては、この滑りにばらつきがあることなどが報告された。(タイトル共、静岡新聞5月21日朝刊より引用)
2002年2月19日
【異常な地殻変動続く】
地震予知連絡会(会長・大竹政和東北大教授)は18日の定例会で、東海地域で観測されている地殻変動の異常について議論し、異常は浜名湖周辺で鈍化傾向にあるものの、広域的には、いまだに停止には至っていないことを確認した。大竹会長は「もう少し時間をかけてみないと」としばらくは注意を要するとの認識を示した。(タイトル共、静岡新聞2月19日朝刊より引用)
2002年2月2日
【伊豆大島は将来噴火の恐れ】
井田善明会長(火山予知連絡会)は一日の定例会後の記者会見で、活発な地震活動が観察されている伊豆諸島・大島について「マグマをひたすら蓄積しており、遠くない将来に噴火する恐れがある」との見解を示した。時期については「そう差し迫っているとは思えない」と話した。(静岡新聞2月2日朝刊)
●「遠くない将来」と「そう差し迫っているとは思えない」という2つの微妙な表現を信じれば、おおよその時期が判別します。
2001年5月22日
【初めて現れた異常】
地震予知連絡会(大竹政和会長)は21日、定期会合を開き、国内の地震概況を分析した。
東海地震の想定震源域の地震活動について、予知連副会長の岡田義光防災科学技術研究所企画部長は、1999年8月ごろから急に静穏化したプレート境界下盤側の地震が昨年10月ごろには逆に従来よりも発生頻度が高くなるという状況に変化した一方、1996、7年ごろから20%ほど静かになっていた上盤側の地震が昨年10月ごろにさらに静かになり最近は少し持ち直し気味、と説明した。その上で「ここ10数年でみると初めて現れた異常らしき異常。今後も注意深く見ていく」と述べた。
また富士山の低周波地震が昨年10月ごろから急増したことについて「東海地域の想定震源域の地震活動が変化した時期と一致している。何を意味するかは分からないが、現象としてはそういうことが起きている」と報告した。(静岡新聞5月22日朝刊)
2001年5月8日
【富士山の低周波地震再び活発化】
富士山の低周波地震が、観測が始まってから最高の1日67回を4月30日に記録していたことが8日、気象庁のまとめでわかった。観測が始まった97年10月以降、これまでの最高は昨年12月18日の53回だった。
低周波地震は昨年10月、133回を記録してから活発になった。今年に入ってからは減少し、3月は1カ月で26回に減ったが、4月は132回で昨年10月並みに戻った。同庁火山課の担当者は「地殻に変動はなくすぐに心配することはないが、注意深く見ていきたい」と話している。(5/8asahi.comより)
2001年4月30日
【せん光・深まる謎】
4月3日に静岡県中部で起こったマグニチュード(M)5.1の地震の揺れの最中、NHK静岡放送局のカメラが静岡市内でとらえた「青白いせん光」のなぞが深まっている。東海大学地震予知研究センター(清水市)の長尾年恭教授(45)=センター長=らの調査で、発生場所は静鉄電車春日町駅付近に特定できたが、地震の宏観現象として知られる「発光現象」とも異なる部分があり、さらに分析が必要のようだ。
テレビの映像から方向を定め、予知研究センターの岩崎弘研究員(24)らが市内の春日、曲金方面を聞き取り調査したところ、周辺住民からかなり具体的な目撃情報が集まった。そのうち屋外にいて、直接光を見た人は現時点で一人。「空の低いところが全体的に光った」「音のない雷のようだった」「避雷針が光ったようには感じなかった」と証言している。光は強烈で、多くの人が閉めた窓からガラス越しに「強い光が差し込んだ」と語っている。
光った方向の証言を総合すると、発光源は放送局から直線で東2キロ、静鉄春日町駅付近の線路北側半径約百メートル以内に絞り込めた。場所の特定は発光現象ではまれ。ただ、現地踏査では、何かがスパークしたような形跡もなく「あれだけ強烈な光がどのように出たのか非常に不思議だ」(長尾教授)。架線のショートなども疑ったが、光り方が極端に強く、音を伴わない点などから可能性は低い。
となると、地震宏観現象の発光現象の可能性が高くなる。だが、過去に報告されている発光現象は地震前か同時がほとんどなのに、今回の光は地震の揺れが始まって約十秒後に発生しているため「もっと違った意味合いの発光かもしれない」と長尾教授は頭をひねる。
今回の地震では震源地が川根だったのに、最も強い震度5強を記録したのは静岡市曲金の気象台だったのも気になる点。1935年の静岡地震(M6.4)でも同じように曲金周辺が最も激しく揺れていることから、地下の構造に不連続な部分があるとも考えられ、長尾教授は光と関係があるのか解析を進めたいとしている。
発光現象は、岩石に圧力がかかると電位差が生じて放電するためではないか、とする説が有力。前兆としてはM7級以上の地震前が多い。阪神・淡路大震災では、地震直前かほぼ同時に「青白い光」や「オレンジか赤い光」の目撃例が断層沿いにあり、注目された。(静岡新聞・4月30日朝刊)
2000年12月15日
【噴火活動で64センチ移動】(三宅島西方の大野原島)
海上保安庁は14日、衛星利用測位システム(GPS)による観測の結果、伊豆諸島・三宅島の西方約9キロにある大野原島が、三宅島の噴火活動に伴い南へ64センチ移動していたことが分かったと発表、火山噴火予知連絡会に報告した。海上保安庁水路部によると、伊豆諸島は6日26日の地震多発後、地殻変動による移動が多くの島で確認されているが、大野原島の移動距離が最大となった。同部の調査では、これまで神津島の東にある祇苗(ただなえ)島が南西に47センチ移動したのが最大だったという。 (静岡新聞・12月15日朝刊)
2000年12月14日
【富士山・微小な低周波地震頻発】
富士山の山頂直下付近で今年秋以降、火山活動の前兆といわれる微小な「低周波地震」が頻発している。10月には月間で百回を越え、現在の観測体制を整えた1995年以降では例のないレベル」と気象庁。(静岡新聞・12月14日朝刊)
・富士山周辺での低周波地震の推移(2000年)・
1月14回
2月 6回
3月 6回
4月 5回
5月14回
6月 3回
7月 2回
8月18回
9月32回
10月133回
11月221回
気象庁火山課によると、震源は山頂北東部の深さ15キロ付近。観測史上最多レベル。
★このところ列島各地の火山が活動的になっていますが、富士山の火山活動の前兆は、伊豆諸島の地殻変動と無縁ではないように感じます。
2000年9月2日
8月21日までに三宅島雄山の陥没体積量は推定11億トンで、東京ドーム500杯分にあたるそうです。しかし、噴火で吐き出された量は8月18日までの累計で、1100万トンしかなく陥没量の1パーセント
しかないようです。
10億トンとは、鹿児島の桜島が45年かけて排出してきた火山灰の3倍にあたると書けば、いかに大きな数字か分かると思います。
2000年8月14日
現在進行中の伊豆諸島と三宅島の雄山の現象は火山学が経験したことがないことが起こっているようです。
そのひとつは、M6を越える群発がこれほど起こるのは世界的に見ても非常に珍しいこと。
三宅島の雄山の山頂の陥没の直径は1.5k深さは500mぐらいで、推定7億トンの物質が消滅していて、火山灰で吹き上げた量を遥かにしのいでいるそうです。これも説明できなく、1日あたり50mの沈下が起きているようです。また島自体もピークには1日で10センチ移動という大変な移動量です。