| 7月の3連休はどこか遠くの山へ出かけたいと思った。ただ、夏の休日の山小屋は混むだろうから、日帰りピストンできる山を2座探したところ、ちょうど長野県の奥、群馬県との県境辺りに、四阿山(あずまやさん 標高2,354m)と草津白根山(2,171m)が隣り合わせであることを知った。どちらも日本百名山だ。ターゲットを絞るとすぐに行程表をまとめる私(笑)。1泊2日でこの2座を登って来ることに決めた。行程表が決まると、行動に移るのも早い(笑)。前夜仕事が終わってから、一旦帰宅し、荷物をまとめて、スーパーで買い出ししてから出発した。 |
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登山日:2005年7月16日(土) 曇り コース:あずまや温泉四阿高原ホテル駐車場 8:40 〜 9:15 牧草地帯入口 9:15 〜 10:20 中四阿への分岐 10:25 〜 10:50 7合目 10:50 〜 11:30 8合目 11:30 〜 12:30 四阿山頂上(昼食) 12:55 〜 14:05 7合目 14:05 〜 14:23 中四阿への分岐 14:35 〜 15:35 駐車場 |
| 夜8時頃出発して、国道163号線〜名阪国道〜東名阪自動車道〜国道22号線〜名神〜中央〜長野自動車道〜上信越自動車道と走りついで、上田菅平ICを下りたのは午前2時頃。流石に仕事が終わってからの長距離運転はハードだ。肩がこる。何度か休憩をとった。 コンビニへ寄り、ガソリンを給油して、国道144号線を群馬県嬬恋村方面へ向かう。県境手前で左折し、「あずまや温泉」の看板に従い、県道を上って行った。 あずまや温泉「四阿高原ホテル」の手前右側に登山者用の無料駐車場があったので、そこへ駐車し仮眠をとった(ホテル前の駐車場は宿泊客や外来入浴客用なので注意)。 |
![]() あずまや温泉登山者用無料駐車場 |
![]() 四阿高原ホテル |
眠りに陥ったと思ったら、すぐに夜が明けた感じだった。ほとんど眠っていないが、体はだるくない。空は曇っている。時折日差しが射し込んでくる。まだゆっくり眠っていたかったが、差し込む日差しで段々車内が熱くなってきたので、出発せざるをえなくなった(笑)。 缶コーヒーでパンを流し込み、出発する。 ホテルはまだ人気がなく、静かだ。宿泊客はゆっくりと朝湯を楽しんだり、朝食をとっているのだろう。 ホテルの前に登山届ボックスがあった。用紙に記入して投函した。側で出発の準備をしていた男女4人のパーティーに挨拶をして、先行する。はじめは舗装道路を緩やかに登って行った。 |
![]() 登山届ボックス |
![]() 舗装道路 |
| 一昨日まで雨が降っていたのか、路面も笹も濡れていた。 別荘地の中を通る。別荘地とはいえ、そんな立派な建物はなくて、木造の平屋建てとかトレーラーハウスを別荘代わりにしている家もあった。 しばらくして、舗装道路は終点となり、車止を越えて細い道を歩く。笹が水気をたくさん含んでいて、パンツがびしょ濡れとなる。持参したレインウェアを履くべきであったが、判断が遅すぎた。ヤケクソでそのまま強行した。 |
![]() 笹に覆われた登山道 |
![]() ホタルブクロ |
![]() オトギリソウ |
| ホタルブクロやオトギリソウが咲く、笹林の中を通り抜けると広々とした牧草地帯へ出た。前方に四阿山や根子岳が望めるはずだが、雲掛かっていて、麓しか見えない。 ひと息入れて、水分を補給していると先ほどの4人組が登って来た。 |
![]() 牧草地帯 |
![]() シロバナタテヤマウツボグサ |
休憩するパーティーを後にし、緩やかに牧草地帯の間を登って行く。 沿道にはシロツメクサやマメ科等の外来種の花が咲き乱れていた。タテヤマウツボグサもたくさん咲いている。そんな中、白いウツボグサを発見して驚く。今までウツボグサの花は紫色だと思い込んでいた私にはこの白花タイプは衝撃的な出会いだった。 他にもハクサンフウロやウスユキソウも見られ、早くも高山ムードに突入する。 途中、アンパンでも食べようとザックを下ろした。パンを取り出し、一口二口頬張り、ふと下を見ると、ザックにたくさんのハエのような虫が止まっている。手で振り払ったが、飛んでいかない。何かおかしい。。。目を凝らすと、それはハエではなく蟻だった。しかもまだ後から後からゾロゾロとザックへ這い上がってくる。何と、私の足元からも大勢の蟻がよじ登ってくる(^^;。あまりの気持悪さに慌てて叩き落とした。噛み付かないようだったが、その数は半端ではないし、結構体長もある。長閑な牧草地だからといって、寝転がるとひどい目に遭う。 |
![]() ハクサンフウロ |
![]() ウスユキソウ |
![]() 4人組のパーティー 恐怖の体験をしてから、しばらく足元やザックの置き場所には細心の注意を払うようになった。ゆっくり休んでいられない。 牧草地帯からベニバナイチヤクソウが咲いている笹と白樺林の中へ入ると、雨が降り出した。すぐに止むような感じではなかったので、レインウェアを着る。その間に4人組のパーティーが追い越して行った。 |
![]() ベニバナイチヤクソウ |
![]() 中四阿への分岐 |
| やがてちょっとした広場へ出た。道標があり、左へ道が分岐している。地図で確認すると、隣の尾根を経由して、中四阿(標高2,106m)を経て四阿山頂上へ向かう道だった。直接頂上へ向かうため、直進した。 またこの分岐点には遭難碑があった。当時25歳だったその青年が亡くなったのは積雪期かと思ったら、9月だった。周囲を見回しても危険な箇所はないのだが。。。何故亡くなったのだろうか。 |
![]() 7合目 標高2,000m |
分岐を過ぎると林の中へ入る。少しずつ傾斜が増してきた。いきなり左側に「7合目 標高2,000m」の標識が現われた。あとでわかったのだが、標識は5合目からあった。それにしても下の駐車場から結構歩いたのだが、あまり高度を稼いでいないように思える。7合目の標識に戸惑ってしまった。 相変わらず腰の辺りにまとわり付く濡れた笹を掻き分けて進むが、ダケカンバが見られるようになり、亜高山帯特有の風景となる。 |
![]() セリバシオガマ |
![]() ハクサンオミナエシ |
![]() オニシモツケ |
![]() ハクサンチドリ |
| 緑一色の風景の中にも色とりどりの高山植物が咲いていた。セリバシオガマ、ハクサンオミナエシ、オニシモツケ、ハクサンチドリ。加賀の国から遠く離れたこの山で白山の名前を冠した花が見られるのは変な気がしないでもない。ここは信濃の国。四阿山の向こう側は上州、群馬県だ。 濡れた笹が登山道を覆いつくし、掻き分けるように登る。足元が見えにくいので石に躓きやすい。おまけに風が吹かず、気温も低くないので、レインウェアの中が蒸れて不快だ。 状況が悪い。登りに悪戦苦闘する。 |
![]() 笹を掻き分け |
![]() マルバタケブキ |
![]() 小さな祠 |
![]() 8合目 |
高度を上げるに連れて、木が少しずつ疎らになり始めた。雨は止んだ。 トロピカルな花が印象的なマルバタケブキを見つける。緑一色の林の中では一際目立つ存在だ。 小さな祠の側でレインウェアの上を脱いだ。Tシャツは既に汗でびしょ濡れだった。 8合目へ来ると、周囲の風景が一変した。シラベが点在し、石が転がる。見晴らしがよくなり、振り返ると下の方に牧草地帯、そして向かい側に美ヶ原の山並みが見えた。 |
![]() 8合目から振り返る |
![]() 道標 |
![]() 草原状のなだらかな斜面 |
| 8合目を過ぎると草原状のなだらかな斜面を登る。気温がグッと下がり、半袖では少々寒い。踏み跡を見落としやすい地形なので、石にペンキで書かれてある○印や「→ ガンバ!」を忠実に辿る。 緩やかな登りであるが、標高2,000mを越えると空気が薄く、足取りが重い。 左から中四阿経由の登山道が合流する。 左から二人連れの中高年登山者が登って来る。空気が薄いせいか立ち止まっては肩で大きく息を整えていた。私が登って来たコースよりも菅平牧場〜中四阿経由で登って来る登山者が多いようだ。 |
![]() 中四阿への分岐 |
![]() 頂が見える |
![]() ツガ林 |
![]() 根子岳への分岐 |
ここで初めて四阿山の頂が草原の向こうにチラッと見えた。分岐から緩やかにツガ林の中を通り抜ける。 今度は左から根子岳からの道が合流する。 羽虫が数匹顔にまとわり付いて鬱陶しくなる。この頃になると下山してくる登山者達にすれ違うが、用意のいい人は虫除けマスクを被っていた。 |
| 根子岳への分岐から僅かに登りつめると、ようやく四阿山の頂が全姿を現した。標高2,300mを越えるのに、針葉樹林に覆われている。8合目付近の様子からして、岩がむき出したような荒々しい山容を想像していたので、意外だった。 心持緩やかに下って、最後の登りとなる。途中、土砂流出を防ぐために設けられた長い木製階段を上る頃、再び雨が降り出した。 |
![]() 四阿山のピーク |
![]() 信州祠 |
![]() 石室 |
![]() 上州祠 |
最後は低木の林を抜けて頂上に到達した。頂上は細長い。まず小さな祠があった。これは菅平(信州側)を向いているので、信州祠と呼ばれるのだそうだ。すぐ隣に石室があり、その向こうに上州祠があった。群馬県(上州)側を向いているからだそうだが、こちらの方が登山者で賑わっていた。 無造作に岩が敷き詰められたような頂に腰を下ろして、昼食をとった。 |
| 昼食は火を使わないもの、コンビニで買った握飯、卵焼き、胡瓜と大根の浅漬けだった。卵焼きは甘い味付けがしてあった。。。。コトーご主人の美味しい卵焼きが懐かしい。 昼食をとっている間にも右から左から登山者が登って来る。上州側にも登山道があり、あちらから登って来た人の話では尾根までゴンドラで楽に上がれるそうだ。 顔にまとわり付く羽虫が鬱陶しい。周囲の人も手やタオルで虫を追い払いながら食事をしていた。 ガスに覆われて展望は全くない。残念がって折り返すように下山する人もいた。 |
![]() 四阿山頂上にて |
![]() 昼食 |
![]() 上州側で |
![]() 下山開始 |
展望は期待できそうにないので、長居は無用だった。昼食を終え、ひと息付けると下山することにした。 ガスが立ち込める。階段や踏み跡がないとどこを歩いているのかわからなくなる。下で見た遭難碑、もしかしたらガスが原因で道に迷い、命を落としたのではないかと思った。 分岐からは慎重に道を辿ることに集中した。 8合目まで下ると、ガスは晴れ、下界が見えた。もうすぐ午後2時だというのに、これから登って来る団体がいた。大人に混じって中高生ぐらいの女の子もいた。ちょっと遅すぎる出発ではないかと心配した。 牧草地では牛達がのんびりと草を食んでいる。夏の日差しが照りつけ、少し肌を焼いた。 |
![]() ガスの中の分岐 |
![]() 放牧 |
| 下山したら、ホテルで入浴するつもりだった。ところが、外来入浴は午後4時までだった。仕方がないので、着替えだけ済ませて、次の目的地へと向かった。明日は草津白根山へ登る。 国道144号線を走り、長野県から群馬県側へ入った。国道には温泉が点在しているが、休日でどこも混んでいる。ふと「温泉 つまごい館」の看板が目に留まり、立ち寄ることにした。 。。。JR吾妻線の無人駅の側にある「つまごい館」は普通の民家のような小さな建物だった。受付で聞くと外来入浴は午後5時までだった。あと10分しかない(^^;。時間オーバーしても構わない、ゆっくり入ってというおばさんの暖かい許しを得た(T_T)。 |
![]() つまごい館 |
![]() 万座ハイウェイ |
ほんの微かに硫黄の匂いがする、重曹泉に体を沈めると疲れがすうーっと融けていくようだった。体を温めながら、今日一日の登山を振り返った。展望はあまり楽しめなかったけれど、山の雰囲気とか、数々の高山植物を楽しんだのでヨシとしよう。 コンビニで買物を済ませ、国道144号線から万座ハイウェイを走る。ここは有料だった。草津白根山へ通じる道路で、奥には万座温泉がある。 |
![]() 四阿山(中央)と浅間山(左後方) |
| 途中、見晴らしのよい草地へ通りかかった。地図で確認すると、今日登った四阿山が目の前に聳えていた。頂上付近に雲が掛かっている。その左側後方には浅間山(標高2,568m)が見えた。現在も活発に噴煙を上げている火山だ。いつかあの山へも登る日が来るだろうか。 噴煙といえば、草津白根山も立派な活火山だ。万座温泉へ通り掛かると、いくつかの噴気孔があり、有毒なガスを噴出していた。ホテルや旅館が林立しているものの、歓楽街はないようだった。 |
![]() 白根火山有料駐車場 右は逢ノ峰(標高2,109m) |
| 万座温泉街を通り抜け、グングンと高度を上げて、白根火山有料駐車場へやって来た。既にレストハウスは閉店し、駐車場係も不在だった。それでも観光バスや車が停まっていた。皆ここから歩いて10分ほどの湯釜(火口湖)を見に行っているようだ。 駐車場の一角に車を停めて、夕食をとった。今晩はここで一夜を過ごし、明日、草津白根山のひとつ本白根山へ登る。夕食後は、前夜の運転疲れや寝不足のせいもあり、暗くなると同時に眠りに陥ってしまった。 |