2002/10/27(Sun)
『スパイダーマン』『ダークブルー』
 この日記もすっかり映画やらDVDやら感想日記になってしまった。取り立てて面白い日常を過ごしいているわけではないのでしょうがない。この日記に付き合って下さってる方も何人かいるようなのでせめて暇つぶしになれば幸いです。

 『スパイダーマン』のDVDを買った。やはり良い。
 劇中の台詞である「大いなる力には大いなる責任が伴い、僕に授けられた力は僕を一生呪い続ける」これが映画のテーマであり、現代のアメリカ人が自ら自覚したいと思っている事だと理解したい。この台詞だけでも『スパイダーマン』はオイラにとって本年度ナンバーワンの映画なのである。
 
 『ダークブルー』宮崎 駿推薦の映画ということで15年ぶりぐらいでシネスイッチ銀座で観た。
 雨の中銀座に行き、劇場では先着100名のチェコビールを貰った。
 あらゆる表現が非常にささやかである。『パールハーバー』に比べれば映像的にも台詞でも劇的な興奮というのが抑えられていると思う。逆にいえば『パールハーバー』はやりすぎなのであろう。
 空から降ってくる薬莢、紙のようにもろい戦闘機、犬、人間の無意味な死がごく自然に表現されている。そのすべてに引き込まれるようなリアルさがあった。
 ドイツ軍の侵攻により祖国のチェコをおわれ、英国空軍に行き、親友の死、恋人との別れ、祖国に残していた犬とも分かれ、共産主義政権下の祖国では監獄に入れられ飛ぶことすら許されなくなった主人公。
 劇中当然大団円のハッピーエンドにはなるはずもないが、ラストシーンのステンドグラスからの光と天井に描かれた天使を看守の寝ている少しの間に見上げる主人公の顔が非常に良かった。
 なんつーか、生きる力というか、生きている事を肯定的感じている、生きているって素晴らしいという。
 オイラにとってはその笑顔がこの上もないハッピーエンドでした。

 蛇足:今日のニッカンスポーツに東京国際映画際でスティーブン・スピルバーグ、トム・クルーズ、そして石原慎太郎東京都知事がいっしょに写ってる写真が掲載されていた。
 石原慎太郎東京都知事曰く、「私はもともと映画人」「都知事やめたら映画を作りますよ」「映画をつくり続けていたら黒沢明に肩をならべる監督になってましたよ」

 ……

 ほんとに石原慎太郎って男は恥知らずだ。世界的な映画監督を前にバカもいい加減にしろ。いまだに弟のネタで食わせてもらってるくせに。
 ほんとに恥ずかしい奴だ。
2002/10/20(Sun)
つくづく・・・
 つくづく酷い話である。
 戦争中の賠償云々は分かる。日本人は酷い事をしていた。それについての賠償はするべきだと思う。
 しかし、その恥ずべき事をやられたからやり返すというのなら話は別である。それでも戦争中のおとしまえをどうしてもつけると言うのであれば、こちらも今回の北朝鮮の日本人拉致についてのおとしまえをつけるべきだ。
 他の国の人間を拉致したり自国の国民が亡命するなんて国は最低であろう。
 拉致され、一時帰国した人の中には北朝鮮で子を生み育てた人もいるのである。現実問題としてその家族共々帰国して上手く日本に溶け込めるのか、不安な材料はある。
 こんな時だからこそ、日本のリーダーはその不安を積極的に取り除く行動に出るべきだ。
 「心配するな」と。
 そういう意味ではマスコミも私を含めた国民もこれまで拉致問題を無視し続けていた。全国民あげてこの問題の被害者へ優しくいたわりのある現実的な行動をとるべきだ。
 わたしはそうしてあげたい。
 国民の無関心がいたずらに24年間の歳月を使ってしまったと反省したい。

 で、腹がたったのは拉致被害者といっしょにやってきた自称赤十字の職員という北朝鮮の二人。
 押し掛けたマスコミに「この国にはプライバシーというのはないのか?」などとニヤニヤしながら話してた。
 金正日というのは意外や知的でユーモアのある人間らしいといわれている。
 知的でユーモアのある精神異常者だ。その自称赤十字とやらの二人もそうだ。
 このダメ国家は潰した方がいい。日本が援助したところで物資が末端の国民にまで行くとは考えられない。可哀想だがこのダメ国家が自壊して南北統一がなされるまでのらりくらりと日本との国交正常化は先延ばしするべきだ。
 知的でユーモアのある精神異常の指導者はしたたかだ。

 ほんとにこの事はやりきれない気分である。
2002/10/14(Mon)
『ビューティフル・マインド』
 『ビューティフル・マインド』。DVDで視聴。

 おもしろかった。

 「天才とキチガイは紙一重だ」というような通り一遍な感想は言いたくない。
 これは、この世で一番多い所謂普通の人間には見えない世界を見る事ができる者が、治療と言う名の元にその力を失わざるを得ない事についての映画である。
 数の論理で言えば圧倒的多数の人間が見えないものを見たり聴いたりできる者は気狂いとして扱われる。
 普通の人間が感じる事のできない事を『感じてる』と言う事は幻覚を見てると決めつけられる。
 果たしてそうか?
 それが幻覚ではなくそれ事態がリアルに感じられているのであれば、その人にとって普通の人間の見ているものこそ幻覚だと感じるのではないだろうか。
 そういう意味では精神治療というのは、その人にとってリアリティーのない幻覚を現実として信じ込ませる作業である。
 
 例えば人間の脳は音についてかなり制限をかけているはずだ。普段聴こえない風の音や虫の声、梢の鳴りがふとした瞬間に聞こえてきたりする体験は普段普通の人でもある筈だ。聴こえないのではない。聴きたいものだけを選別しているのだ。
 その理屈でいえば雲の流れる音や太陽光線が物に当たる音、地球の自転の音が自分の周りで鳴っていても不思議ではない。
 聴こえないのは脳がそれらを不要な情報としてカットしているからだ。
 だとしたら異常でもなんでもなく他の人よりちょっと鋭敏な感覚を持っている者として認知されるべきだとは思う。
 しかし全てがハイスピードで進む文化を良しとしているこの世界で、彼等のペースに合わせる事は不可能だ。
 だから生活不適格者として治療され隔離されるのである。
 もっと人類全体がペースを落とし多少の貧乏を許容さえすれば、彼等と上手く付き合えるのではないだどうか?
 所謂普通の人間は彼等と付き合うには歩むスピードが早すぎる。
 我々は何かを恐れているのであろうか?潜在的に彼等の能力を恐れ、逃げるように追いつけないように走ってるのかもしれない。

 出演の役者が全て素晴らしかった。ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス。
 とくにラッセル・クロウは凄かった。冒頭から飛ばしまくりの演技。普通にリラックスしてるのに眼が妙に泳いでる。
 キチガイの役は役者にとって儲け役なのであろうが、それでもすごいと思う。
 同じような役をデ・ニーロやダスティン・ホフマンもやっていたが、彼等はホントに直球ストレートな演技であった。それはそれで凄かったが、ラッセル・クロウは普通の人っぽく演技するなかで狂気と呼ばれるものを極々控えめに出してそれを演技として成立させていた。
 今年のアカデミー賞はデンゼル・ワシントンがとっていたが<デンゼル・ワシントンも大好きだが>、受賞対象作が『トレーニングデイ』なら、オスカーはラッセル・クロウが取って当然だったのではないだろうか。
 映画の内容、演技についてもラッセル・クロウだと思う。

 まあいまさらしょうがないけどね。
2002/10/13(Sun)
『ドールズ』
 タケちゃんの新作映画。
 おすぎ某の酷評をよそに観にいったけど、おもしろかったよ。つくづくおすぎ某とオイラの感性は違うのだなと思った。
 よく分からんが、文楽をモチーフに指定るようなんだけど、冒頭の文楽の人形が異様に表情豊かに思えた。人形なんだから表情が変わるわけないのだけど、その無表情に豊かな表情を観る者に想像させる力があるのかもしれないと思った。

 ヤクザの親分が撃たれた瞬間に場面が切り替わって、真っ赤な紅葉が落ちる。
 
 繋がれた赤い紐が紅葉を引きずるように動いていくと雪道になる。

 両方とも手がこんでいて観ていて感心するんだけど、そういうのを何回もやるとあざとく観えてしまうね。

 後、ラストのヘタクソなCGの合成はよけいだったな。あれは興醒めする。

 そうはいってもそれらの事は全体で観れば些細な所だと思う。淡々と進むこの映画、ある意味で前作『ブラザー』より暴力的だと思う。
2002/10/05(Sat)
『ダークエンジェル2』『天空の城ラピュタ』
 『ダークエンジェル2』レンタルDVD。
 シーズンフィナーレ。これでこのシリーズおしまいらしい。非常に面白かった。伏線をすべて解決できたわけではなかったが、自分と自分とは違う他者を許容できるかという問い掛けなので解決というか結論を出すのが不可能だったのもわかる。それでも希望の欠片のようなものを用意していたので好感がもてた。
 ラストの演出はジム・キャメロンだった。だからといって力が入ってるということもなく、そう言う意味ではシリーズを通してバランスがよかった。
 これでラストなのはもったいないなあ。

 『天空の城ラピュタ』DVDで購入。
 劇場で5回は観たし、ビデオでも2回以上は観ていた。それでもDVDが出たら買ってしまったのだ。
 久しぶりに観たけど、やはり面白かった。
 劇場では高校を卒業して流浪らっている頃観た映画で、色々な意味で頭を刺激された。
 こんな女の子を守れたら、とか、軍隊に対する考え方、イマジネーション、絵の上手さ、宮崎駿の眼の眩むような才能、ラストの歌。
 この映画をあの時に<大学入試の模擬試験を受けに行くといって金を着服して朝早くから並んで、同時上映の映画1時間を含めて2回づつ観て、映画館を出たら夕方の陽になっていたっけ>観れた事は自分としては一生モノの糧を手に入れた気分だった。
 エンディングの『君をのせて』を必死に覚えようとして聴いていたよな。