2003/09/28(Sun)
色々2
 『レザボア・ドッグス』のDVDを買った。
 そして土曜日、駄作『S.W.A.T』を観た帰りに一時停止違反で捕まる。罰金7000円+減点2。
 じじいのポリ二人なので延々と文句を言う。ちゃんと停止しました。見間違いじゃないですか?とシラをきるところからはじまり...以下、実際に口に出した言葉。

オレ「ほ〜、じゃあ、お巡りさんが取り締まるのは事故防止と違反防止の為なわけですね?だったら壁の影に隠れるようにして見てないで標識のそばで立ってればいーじゃないっすか」

ポリ「あんた、面白いこと言うね〜」

オレ「だったら笑えばいーじゃないですか」

ポリ「いや、そーゆー面白いということじゃなしにね...」

オレ「もし本当に事故を少なくする違反を少なくするんだったら、おまわりさんが眼につくところにいる方がいいと思いますがね云々」

 このあたりを実は延々1時間ぐらい言い合っていたのである。それでも「お巡りさんもたいへんですねえ」「いやいや(笑)」などと和気あいあいとしてきてもいたのだ。こっちとしては違反のシラは切りつつもなし崩しに見のがしてくれるかなと甘い考えがあったりしたのだ。

 が、甘かったのである。

ポリ「じゃあ、そーゆーわけでキップをきるんで」

オレ「?なんだよ、散々聞こえの良い事いっといて結局キップか?じゃあさ、オレは確かにブレーキを踏んだという証拠を見せられないけど、おまわりさんはオレがブレーキ踏まなかったっていう証拠を見せられるの?」

ポリ「それは、おまわりさん二人がこの眼で見てたんだよ。わたしら、あなたになんの恨みもないわけだからさ、別にあなたを陥れようということではないし...」

オレ「なに、ただ見たっていうだけで証拠になるっていうの?そんなあやふやなもんなわけ?」

ポリ「いや、それが不服ならさ、まあ裁判という手もあるかなさ..」

オレ「なんだよ、ふざけんなよ。そしたら相手はあんたらじゃなくて国相手じゃないか。あんたら全然痛まないじゃん。だいたい国相手の裁判ってだけで腰がひけるだろ。だいたいオレが高校のころから埼玉県は交通事故ワーストじゃねーか。あんたらサボってんじゃないの?」

ポリ「いや最近はワーストじゃないよ...下から5番目ぐらい...」

オレ「なんだそりゃ?下から5番目でいばってんのか?クドクド聞えの良い事言っといて、セコイやり方で小遣いかせぎかよ。確かに違反は悪い。だけどそれを下らない正論でごまかして、やってることがセコイのが気に入らねーんだよ。証拠写真もなくお巡り二人が目撃したっていうだけでそれが決定的な証拠になるのか?散々不祥事を起こしてるお巡りの眼がそんなに世間的には信用あるのか?わかったよ、さっさと切れよキップを...早く免許証かえせよ。これで終わりか?だったらさっさと行ってくれよ、また見つかって違反だといわれたらかなわねーよ」

 う〜んちょっとは清々したな(笑)
 違反したのはオレが悪いんだけどね。
 やはり頭にはくるやね。
 『レザボア・ドッグス』観てたんで啖呵のきり方がそれっぽいけど(笑)もう一度観たらこの一言も加えれば良かったと思ったよ。

「このワン公」
2003/09/28(Sun)
色々1
 鈴木みその『銭』が出版された。この人の漫画は手に入るものは全て手に入れて読んでいる。これまでの作品は、作者が作品に出て来て云々する漫画であった。ある意味作者が出て来て云々する漫画で面白いと読む方もそれを強く期待するから、作者がでてこないとつまんなく感じたりするものである。鈴木みそ自身もおそらく漫画の一キャラとして使い面白さを探ってきたのだと思う。
 『銭』ではあえてそのキャラを使わないという足枷をしている。それでも面白い。鈴木みその底力であろう。まだ一巻ということもあり完結までをみてみないと分らないが、読ませる魅力はある。
 どんなに高い理想も、高邁な職業意識でも、"銭"によって否定されもし、低劣で愚劣なものが"銭"によって肯定されもする。その逆ももちろんある。
 今後どのような展開になるのか楽しみである。

 数年前、今はなきミスターマガジン誌で連載されていた漫画『パプリカ』が大幅に加筆されて出版された。
 うれしい。
 連載中、作画家の唐突な中断宣言で宙に浮いていたものだが、その時は期待していただけに非常に落胆したりもした。
 小説版も好きだったので、上手い絵書きが原作を損なわずに漫画にしていたと思っていた。
 小説もそうだが漫画の方も情報量が多いので、今後もちょぼtyぼと読んでいこうと思ってる。

 映画『S.W.A.T』。土曜日に観て来た。
 ツマンねー。コリン・ファレルのプロモみたいだった。彼は良い役者だと思うけどエドワード・ノートンと同じで脇に徹した方がいいのとちがうか?同じく脇で光るサミュエル・L・ジャクソンがいたりして、演技は良いのかもしれないけど華がないと思う。
 ストーリーもイマイチ説得力がないな。
 だいたいやるか?1億ドルやるから助けてくれっていわれて護送を襲撃するか?アメリカ人ならやるのか?ちょっと信じられないな。
 
 つーことで、続く。
2003/09/15(Mon)
『オー・ブラザー!』
 『オー・ブラザー!』友人からDVDを借りたが、観終わったあと、自分でも買ってしまった。
 コーエン兄弟の映画は自分にも分かりやすい面白いものもあるが、分らない、というか自分の教養が足りない為に理解できない映画もあったりしたので、なんとなく敬遠していた。
 なんとなく分かって面白かったのは『赤ちゃん泥棒』『ミラーズ・クロッシング』。私がバカで理解できなかった『ブラッド・シンプル』『バートン・フィンク』。
 『オー・ブラザー!』は前者であった。分かりやすくておもしろいんだけど、やはり脚本が良く練られてるなと私にも良く分かった。
 アメリカの南部の、まあ黒人も問題をからめてたりしてるんだけど、それを告発するのではなく、強烈な皮肉な眼差しで見ているのである。
 出てくる登場人物はみんな懸命に生きているが、それが妙におかしくてシュールだったりする。
 こういう話を作れる事が才能なんだろうな。
 映像の切り取り方というのも独特なものがあると思う。
 映像がすごいとか構図が良いという映画はいくらでもあると思うが、コーエン兄弟の映像はストーリーの流れを踏まえた上で絶妙な画面を構成していると思う。で、なおかつ1カット1カット、1コマ1コマの画像が素晴らしい写真になっている。映画のフィルムから抜き出してスティール写真にしても見ごたえがあるのではないだろうか?
 キューブリックは、自分の映画の宣伝用の写真は必ず映画のフィルムから抜き出したという。あるカットの最良のポジションは映画のカメラからの構図であるという信念からであるようだが、コーエン兄弟のそれはまさにそうかもしれないと思った。
 その辺りはラストの洪水のシーンでも発揮されている。おそらくCGIをつかっていると思われるがそれが不自然に浮いていないのだ。
 シュールなストーリーを重めのリアリティーのある映像で紡いでいく。
 う〜ん、他のコーエン兄弟の映画も観たくなったな。
2003/09/15(Mon)
『未来世紀ブラジル』
 こないだ買ったクライティアリアン・コレクションの『未来世紀ブラジル』、日本公開版だと思ったらアメリカ公開版であった。
 アメリカのTV放映用の冒頭と同じく、空撮から始まっていた。
 ギリアムのインタビューで本人も言っていたが、空撮での始まりも悪くはないがヨーロッパ版(日本公開版)のハードで妥協のない方が好みだと言っていた。自分もそう思う。他のシーンがアメリカ版とヨーロッパ版でどれほど違うかは分らない。
 アメリカのTV放映用のラストの拷問室が雲で被われていくシーンもアイデアは良いとは思うけど雲の合成の仕方がもうちょっと良ければと思った。サムの模型で出したスモークの雲が非常に良い感じだったのだが。
 このラストの拷問室にかかる雲であるが、アメリカのTV放映版がそうであると本に書いてあったのを読んだ時、自分が観たヨーロッパ版のラストも雲がかかってたような気がしたのである。
 これが想像を喚起させる力なのであろうか?
 メイキングを観てたら、同じく本で知識として知っていた事だが、地上に敷き詰められた目玉が空を見つめてる、というシーンのテイクがあった。ゾクゾクするような映像であったが映画全体を考えた時、そこだけ浮いちゃうんじゃないかな?と思ったりした。
 しかしギリアム、監督のクセに良く動き回るよね。小道具の新聞紙を飛ばしたり、ドリーショットの台車をギリアム自身が押してたよ。ホントに感心した。妙にエラぶって些末な仕事はしない、などという態度のあの野郎とは全然違う。
 こういう所は自分も見習わなくてはと思う。
 ギリアムがそうなら自分はもっとちゃんとすべきだなと。
2003/09/09(Tue)
『未来世紀ブラジル』
クライティアリアン・コレクションの『未来世紀ブラジル』。
今年の11月には日本語字幕のDVDがでるようだが、ネットの通信販売でアメリカから取り寄せた。
このDVDの取り寄せに関しては非常によかった。金を振り込んでから1週間できたし、荷物が今どの場所にいるかもネットでわかるようになっているという。はじめてのネット通販なので分からないが、こういうのが常識なのか?信頼性がすごくあると思ったのでまた利用しよう。

で、肝心の中身だがオリジナル盤ではなく、アメリカでTV放映用に編集した、監督ギリアムが言う所の『愛はすべてに勝つ』版と言われるものが観たかったのだ。
オリジナルにないカットがあったりして新鮮ではあったが、元々暗い映画を無理矢理明るく作り替えてるのが見え見えでつまんないですな。
オープニングの空のシーンから始まるのは、それもアリかなとは思うが、ラストの拷問室に雲がかかるというカットを期待していたのだが、これは思っていたほどではなかった。
やはりギリアムのファイナルカットが一番いい。

おまけにメイキングもついているのでお得であったw
2003/09/07(Sun)
『座頭市』
土曜日の公開初日にタケちゃんの『座頭市』を観て来た。
日曜日の今日、カンヌで監督賞を貰ったようで目出度い。

『座頭市』と言えば大学時代に勝新の最後の『座頭市』を観たのが最初だった。不幸な事故があったりと映画自体は荒削り(サウンドトラックがブツブツいったり、唐突にシーンがとんだり)のまんまのものであったが、それでも強く印象に残っている。
ほぼ同じ時期に観た『浪人街』など足下にも及ばないほどの出来であったと思う。
殺陣のスピード、カット割り(切った鼻が柱にへばりつく。これすごくお金がかかってると思うけど、時間にして1秒なかったんjyないかな)、ユーモア。映画としての見せ方に品があったと思う。
ここで言う品とは説明すぎないという事である。

では北野版『座頭市』はどうかというと、ユーモアは勿論の事、殺陣のアイデアやスピード、意外なオチなど見るべきところ感心する所も多々あるのであるが、おそらく今までに無く説明が過剰であったと思う。特にラストの一言は絶対いらないというか、今までの北野映画と比べてみても、どうしてあんな一言を入れたのか理解できない。
それと北野映画のCGは酷いね。これはタケちゃんの責任ではないとは思うが(最終的に編集権を持っていてOKしたのであるから監督の責任は免れないともいえるが)『HANABI』でも照明器の影を消すのに雪道が揺れていたり、『dolls』のラストのCGも出来が良いとは言えなかった。
今回の『座頭市』のラストのタップシーンのモーフィング、あれは酷すぎた。
CGを使うでも刀についた血糊を払う部分だけにしておけばよかったと思う。腕が飛ぶシーンのスローモーションもやはり品がないと思う。
どう考えても、説明しすぎてる映画だと思う。

その他に関しては、刀の音の重さ、鞭打たれたようにつく刀傷、座頭市の造形、非常によかっただけに残念である。

DVDは、どうしよう。買うかな?