04/04/18 Sun 9:18 pm
DVD『KILL BILL』
『KILL BILL』のDVDを買った。
タランティーノはすごい。非常にマニアックなこだわりを大予算を使ってなおかつある程度一般的に観られるものにしている。だから単にマニアが観たいと思って作った映画とも違うのだと思う。
リューシー・リューが手下をつれて歩いているスローモーション。栗山千明の用心棒としての目配せ。流れる音楽。すべてすごい。
これも土曜日から2回観たが、一回は久しぶりに字幕版として観た。
オリジナル音声じゃないとリューシー・リューの「やっぢまいな”〜」が聴けないからね(笑)
たどたどしくも喋る俳優達の日本語がイカシてた。
ユマ・サーマンもカッコいい。
ただ、劇場で観た時の方がなんとなくインパクトはあったように思う。
今月末に公開されるVol.2が楽しみである。
 
こないだ買った『四月物語』を繰り返し観ている。
冒頭、両親との別れのシーンでドアが閉まると、ドアに手がかかるのだけど、そのドアのガラス窓に付いた水滴が一筋流れる。
言うまでもない暗喩であるが、これをCGでやったとは思わない。
この作品、まだまだ観つくしてないディティールがあるようだ。
04/04/11 Sun 11:07 pm
『茄子 アンダルシアの夏』『壬生義士伝』
取り立てて観たい映画がないのでレンタルDVD鑑賞日。
 
『茄子 アンダルシアの夏』興味があったのでDVD買おうかとも思っていたのだが、買わなくて正解。
映画としての出来の善し悪しは非常に微妙(笑)
作画も演出も丁寧だし、原作漫画にないコマとコマの間をシーンとして観せてみたりと演出も良いと思うのだが、度ういわけだか物語に入り込めなかった。
どちらかというと淡々とした展開の映画なのだと思うが、それだから、それだからこそ声を当てる声優の力量が必要なったのではないだろうか。
つまりである。ヒロインというべき人物の声を当てた人がヘタクソすぎて、物語に入り込めなかったといっても過言ではない。
完全なミスキャスト。あの大事な役を抑揚なく声を当てられたら思い入れることもできない。
あの兄弟が愛した女の声とは到底思う事はできないのだ。
これについては漫画の原作の方が好きである。

『壬生義士伝』。友人から勧められて観る事に。
オモシロかった。
エラそうな言い方だが中井貴一は良い顔になったなあ。TVドラマ『ふぞろいの林檎たち』の最初の頃はどうしようもない顔だったのに。
たぶん相当苦労したであろう。
役者は佐藤浩市もいてかなりの観応えのあるものであった。
役者もそうだが、冒頭中井貴一の着ていた衣装のヘタリ方、刀の柄のボロさにリアリティーがでていた。
CGで血飛沫を処理するぐらいの控えめさであれば、CGが全体から浮き上がることもないなと思った。
語り方が見事だと思うのは、十分チャンバラアクションとして売れるにもかかわらず、それをしないで、例えばラストの30分以上を使って主人公のモノローグや周辺の登場人物たちの顛末のみの語りで終わらせていることだ。
台詞のシーンが長いと退屈するというのは嘘だと実感した。
至極当然の話なのであるが、カット割り、構図、役者の台詞まわしを含めた演技が整えば、絶対退屈はしないものなのである。
アクションがつまらなかれば退屈することだってあるのだから。
滝田洋二郎監督って良い映画結構作ってるんだよね。学生の時にみた『コミック雑誌なんかいらない!』『木村家の人びと』『病院へ行こう』オレ、結構観てるな。
滝田監督だから観てる、というよりも、映画がなんとなくオモシロそうだから観てみたら結果的に滝田監督だったということであった。
よく分からないので失礼かもしれないが、御本人も作家というよりも職人として映画に向き合っているような気がする。
とにかく、面白い映画だった。映画館で観なかったのを後悔した。

04/04/04 Sun 6:55 pm
『殺人の追憶』『四月物語』
最近、ボチボチとであるが中国や韓国の映画を観るようになった。
『英雄』や『シュリ』、両方とも面白かった。
で、土曜日に韓国映画『殺人の追憶』を観てきた。
韓国映画であって日本映画ではない。言うなれば外国映画にあたる。いくら顔つきが日本人と変らないと言ってもそれは事実だ。
なんとなく日本は韓国や中国より上だという根拠の無い自信は私にもあったし、多分日本人の多くはそう思ってると思う。
『英雄』を観た時も感じたが、中国&韓国映画の水準の高さを謙虚に認めるべきだ。
日本映画にだって良いのはある。中国&韓国にだってつまらない映画は存在するだろう。
しかし今の日本で『殺人の追憶』に匹敵するドラマをつくれるのだろうか?

今回観た『殺人の追憶』は文句なく良い映画であった。
様々な伏線の貼り方も見事で、それが登場人物たちを駆り立てる行動のスイッチになっていて、そのアクションの全てに納得できるように作られている。
映画は80年から90年にかけての未解決の連続殺人事件についてである。
警察は囮捜査しまくり、拷問による自白の強要が日常的に行われている。
そのころの韓国はそんなそんな感じだったのであろうか?冤罪も多かったのではないだろうか。
同様にナイキのパチものということであろうか、ナイスというブランド名が反復してあらわれる。
映画の印象は『仁義なき戦い』のような妙な生々しさとギラつき感があった。そういう意味では今後その生々しさが消えていき同じ警察ものであっても『踊る大捜査線』のような無機質な洗練のされかたをしていくのかもしれない。
まあ良い悪いではないが。
登場人物の刑事が両足を揃えて思いっきりドロップキックしていたのが印象的だった(笑)
ストーリーは、陰惨な事件を時折ユーモアを交えながら進んでいく。
普通の顔をした人間がした犯罪という事を映画のラストで印象つける。
いかにも犯罪を犯しそうな顔つきや性向の人間が犯罪を犯すという論理から、ごく普通に特徴もなく生活している人間が凶悪な犯罪を犯す事もあるという事を認識し始めた、近代化というのはそういう事もあるのかもしれない。
人を見る目をもっていると自慢と自信を持って犯罪を解決してきた主人公の刑事の出番は近代化によってなくなったと言える。
ラストに容疑者の顔を見て「(犯人かどうか)わからない」と呟く主人公の刑事にもはや居場所は無く、科学捜査といわれるものにとって変られるのだ。

ところで日本人だけの慣習かと思ったら、韓国もあるんだな、人さし指と中指の間に親指をはさむという事を(笑)
映画冒頭、トラクターに乗って事件現場にいく主人公の刑事に向かって「ポンコツ、ポンコツ」といって追いかける子供達にそれをやっていた(笑)
ロックだ、過激だと言って中指立てて「Fuck You」といって悦にいってる日本人の初老のジジイなんかよりよっぽど過激だし潔い。
そう、日本人、いやアジア人なら人さし指と中指の間に親指をはさんで、「このオマンコ野郎」と言うべきだ(笑)

ついでに岩井俊二の『四月物語』DVDを買った。
以前観たのでずっと欲しいと思っていたのをやっと買ったのである。
中編の殆ど音楽と雰囲気で綴られた映像は美しい。
なので終日ずっとかけっぱなしにしていた。