04/11/23 Tue 9:55 pm
まとめて感想
ここ二週間のDVDと映画の感想をまとめて。
まとめて書いちゃうぐらい、実は思い入れが無かったりする。
以下観た順番に。
 
『BIG FISH』をレンタルDVDで観た。
面白かった。
ティム・バートンの映画でDVDを購入してあるのは『スリーピーホロー』だけなのだが、これもすごく面白かった。
『BIG FISH』は親父のホラ話(虚実入り混じっているのだが)をめぐる話で、そのホラ話の部分をあたかも実在していたような幻想の世界として非常に丁寧に描写していた。
つまり現実と幻想とを等価として真実味を与えてる。現実から逃避をしてるのではなく、現実の世界から逃げないために別の角度から現実を俯瞰するのがホラ話なのかもしれん。
莫迦莫迦しくも美しくワクワクするような力を与えてくれるホラ話というのは誰も傷つかないばかりか、生きて行く希望を与えさえしてくれるものだと思った。
というところで思い出されるのは、テリー・ギリアムである。
バートンにしてもギリアムにしても、夢や幻想をモチーフにした強烈な映画を作り続けているが、だからこそ彼等は非常に根の深いペシミストであるのではないかと思う。
 
『ハウルの動く城』を初日初回で映画館で。
観る前に非常に不安だったのが、キムタクの声であった。いきなり「ぶっちゃけ」だとか「てゆーか...」とか言い出したら困るしぃィ、と思っていたのだが、そんな心配は杞憂であった。上手いかどうかは別にして声とキャラクターにまったく違和感無かった。キムタク以外の声優も(ジブリ名物の俳優からの登用)適材に適所なものであったと思う。
不安と言えばそれだけだったのだ......観る前までは。
今まで宮崎駿には散々楽しませて貰ってきたし尊敬もしてる。自分に理解できないからつまらない、などというつもりはない。もしかしたら、映画を反芻するうちに隠れた意味を見つける事ができるかもしれない。
...というぐらい、初見では自分の琴線に響いてこなかったのだ。また今後ビデオで見直そうという気も今現在おきてこないのだ。
このハウルの世界というのが、普通の人々の共通認識として魔法使いがいるということが常識の世界であるという事に、私は観ている間理解できてなかったのだ。それが観ている間入り込めなかった一因であると思われる。
それと後半クライマックスで取って付けたようなキスの荒らし。『紅の豚』あたりからキスシーンが入り始めていた。キスシーンが嫌なのではないが、ものすごく安っぽいのだ、キスが。
その他飯を食べる、空を飛ぶはさすがに上手いのだが、街並がどうもヒロ・ヤマガタみたいだった。まあ好き嫌いがあるということだと思う。
宮崎駿の映画で始めて残念な気分になった。
 
『アップルシード』DVDレンタルで観た。
絵を描かずにモーションキャプチャーで動きの基をつくり、コンピューターのソフトでアニメーション風の映像にしたらしい。
滑らかな動きはディズニーアニメの様。日本の動きを抑えたアニメーションに慣れた身としては情報量が多過ぎて観ていてつらい(笑)
情報が多ければいいというものでは無い事は、押井守の一連の作品を観れば分かる。情報の多さではなく、情報のコントロールが大事なのである。
と、いいつつも、この映画今後洗練されていけば非常に魅力的な媒体になると思った。
では、どのあたりが洗練されてなかったと言えば、この映画の監督、ライティングの「いろは」が分かってません(笑)
光源のない暗闇でなんであんなメリハリの効いた顔になるんだ。もっとフラットになるんじゃないか?
影の付け方がちょっと前に流行って今でも根強く存在する昆布のような、2段3段影を乱用しまくっているのである。描いてる方は上手く見えると勘違いしてやってるのだろうが、ライティング、光の方向が理解できなきゃ単なる模様にしか見えない。
だから影が模様だったり、顔についたシミやあざに見える事すらあったよ。
パート2を作っているようだが、監督変えた方がいいと思うぞ。
ところで、私は原作も好きで読んでいるのだが、難しくて
性格には理解してはいない。
が、原作がこの映画のような内容ではないということは分かる。別段脚色がおかしいとも思わないが。
原作は大河ドラマ化してるので、映画にするのは困難なんだろうな。
04/11/12 Fri 0:45 am
ちょっとムカついたので...
自分が好きだったり尊敬したり私淑したりしても、他人はそうは思わないと言う事は分かる。
当然だ。
その人を小馬鹿にした文章を書いた所で書くなとは言えないし、また言ってはいけない事だとも思う。
だったら当然自分が好きな人が実に愚劣な言われ方をしたら、言い返す権利だってオレにはあるはずだ。
 
薄っぺらで下らない文章を書いて悦にいってWEBに公開して、事もあろうに先日イラクで"銃撃"で亡くなった橋田信介氏について"頭の弱いジャーナリスト""つたない本"などと非常に高見から見下ろした書き方をしている頭の弱いヤツがいる。
100歩譲って"頭の弱いジャーナリスト""つたない本"などの言葉が肯定的な意味を含んでいるとしても、わざわざそんな品のない事を書くべきではないのではないか。
ちなみに橋田氏は"爆撃"で死んだのではなく"銃撃"で殺されたのだ。
そんな最低限の事も知らず、確認もしないでエラそうな文章をかくんじゃねーよ。
04/11/07 Sun 10:40 pm
『インファナル・アフェア』
『インファナル・アフェア』をDVDでレンタルした。
オモシロかった。
2度観たのだが、初見だと主人公二人の若い時の顔と、その後の顔が一致せずに話の内容に入り難かった。
それが中盤以降、警視が殺された辺りから内容に引き込まれ始めた。そのシーンはなかなかに素晴らしい。(あの落ちて来た警視、人形なのかなそれともスタントなのかな?)
落ちて来た警視を見つめるトニー・レオンの演技も良い。トニー・レオンの放心したように見つめるその眼と、そこにかかる女性ボーカルの優しい歌声がマッチしている。そしてそこから始まる銃撃シーンへ繋がるとその歌声がレクイエムのように聴こえてくる。
その他モールス信号でのやりとりや、書き損じた文字による伏線まで見事としか言い様がない。
つまらない比べ方ではあるが、今どきなんの解釈の刷新もせずに平気でリアリティのないドンパチをする『西部警察』なんかをオモシロがって作ったり観たりしてる場合じゃない。そのような感覚は何十年も遅れてるのだと思う。
ドラマはかように進化してるのだと。
難くせをつければ、オープニングが古臭い。女が出てくるエピソードは余計。演出が時々古臭い(今どき驚いたシーンになるとカラーからモノクロになるなんて、自動車教習所のビデオぐらいだと思ってた(・∀・)ニヤニヤ)。それとアンディ・ラウ演じるマフィア側の潜入がまっとうになろうとした時の切っ掛けがイマイチわかりづらかった、ぐらいか。
3部作らしいので、完結した時にどんな物語りになるのか。
行行しくいえば叙事詩みたいなものなのだろう。
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