補講206教室

特別授業:「いかにせう」と「どうしよう」について

 同じ語が時に「せう」と書かれたり「しよう」と書かれたりしてゐるのではありません。
 前者は「せ」+助動詞「む」から音便化した「せう」が転呼で「ショー」と発音されるもので、後者は「し」+助動詞「よう」(発音は「シヨー」)です。

 しかしここで面白いことがあります。
 それは後者の助動詞「よう」の成り立ちについてです。大昔には「よう」といふ助動詞はありませんでした。ところがその後、前者の「せう」や、似た形の「上げう」などが転呼によつて「ショー」、「アギョー」などと発音されるやうになると、それは「し+よう」、「上げ+よう」だといふ意識が生まれ、その結果「よう」といふ助動詞が出来上がることになつたのです。

 さて、かうやつて見ると前者の「せう」と後者の「しよう」は元をたどればまつたく同じ語だつたと言へることにもなるのです。


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