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(歴史的仮名遣いが現代仮名遣いと異なるものは末尾の[ ]内に示す。)
あいの風 春から夏にかけて、日本海沿岸で吹く、北ないし北東の風。あい。あゆのかぜ。
青嵐(あおあらし) 5〜7月の青葉のころに吹くやや強い南風。せいらん。[あをあらし]
あおぎた(青北風) 西日本で8月から9月ごろにかけて、晴天の夜間急に冷えて吹く北風。あおげたならい。[あをぎた]
煽(あおち)風 物がばたばたして起こる風。[あふちかぜ]
暴(あかしま)風 →あからしま風
暴(あからしま)風 暴風。
秋風 秋になって吹いてくる涼しい風。しゅうふう。
秋台風 秋の台風。
悪風 暴風。毒気を含む風。くさい風や息。
朝嵐 朝吹く強い風。
朝風 朝吹く風。日の出後、陸から海へ、また、山から谷へ吹く風。
朝東風(あさごち) 春の朝に吹く風。
朝戸風 朝、戸を開けたときに吹き込む風。
明日香風 明日香地方に吹く風。
仇の風 逆風、難風。
温風(あつかぜ) 夏の暑い風。
あなじ(乾風) 冬に近畿以西で吹く、船の航行を妨げる強い北西季節風。あなぜ。あなし。
油風(あぶらかぜ) 4月ころ吹く南寄りの穏やかな風。油まじ。油まぜ。
雨(あま)風 雨を降らせそうな風。雨交じりの風。
天つ風 天を吹く風。
雨(あめ)風 雨と風。雨を伴う風。
雨台風 雨が強く降る台風。
あゆ →あいの風
嵐 暴風。
嵐の風 山から吹き下ろす強い風。
暴(あらしま)風 →あからしま風
家風(いえかぜ) 我が家の方からの風。[いへかぜ]
家の風 →いえかぜ [いへのかぜ]
韋駄天台風 速い速度で進む台風。[ゐだてんたいふう]
いなさ 東日本、関東で海から吹く南東ないし南西の強風。雨の前兆とされる。辰巳の風。
いぶき 滋賀、岐阜県境の伊吹山周辺に吹くさまざまな風の名。元は何日も吹き続ける風、居吹きの意。
色風 なまめかしい風。
岩おこし 広島県で3月頃吹く西風。[いはおこし]
陰風 陰気、不気味な風。冬の風、北風、朔風。
海風 海上の風。海岸地方で、日中、海から陸に向かって吹く穏やかな風。海軟風。かいふう。
浦風 浦や海辺を吹く風。浜風。
浦山風 海辺にある山に吹く風。
上(うわ)風 草木、特に萩の上を吹き渡る風。[うはかぜ]
永祚の風 永祚元年(989年)に吹いた大風。
煙嵐 山中にかかったもや。山靄(さんあい)。嵐気。
追い風 後ろから吹いてくる風。進む方向に吹く風。おいて。順風。また、着物にたきしめた香のかおりなどを運び漂わせる風。[おひかぜ]
追風(おいて) 追い風。[おひて]
大風 強く激しく吹く風。暴風。[おほかぜ]
荻風 荻に吹く風。
沖つ風 沖を吹く風。また、沖から吹いてくる風。
おぼせ 淡路、伊勢、伊豆などで4月頃の日和の時に吹く南風。
颪(おろし) 山を越えて吹き降りて来る風。冬の季節風をいうことが多い。筑波おろし、那須おろし、赤城おろし、六甲おろしなど。
オロマップ 北海道の日高山脈の南麓に吹く強風。
温風 あたたかい春の風。陰暦の晩夏に吹くあたたかい風。 また、暖房器具などが送り出すあたたかい風。[をんぷう]
海軟風 →海風
海風 海上を吹く風。また、昼間、海から陸へ向かって吹く風。海軟風。うみかぜ。
回風 つむじ風。[くわいふう]
凱風 やわらかい南風。初夏のそよ風。
花信風 春、花の開花を知らせる風。[くわしんふう]
風台風 雨の少ない強い台風。
火風 火と風。火炎を伴った風。[くわふう]
神風 神が吹き起こすという風。特に、元寇の際に吹いた激しい風。
空風 湿気のない激しい風。関東地方の冬の季節風。空っ風。
空っ風 →空風
雁渡(かりわたし) 雁が渡って行く初秋のころに吹く北風。あおぎた(青北風)。
川風 川の上を吹き渡る風。川から吹いてくる風。[かはかぜ]
河原風 河原の風。[かはらかぜ]
寒風 冬の寒い風。
季節風 季節によって吹いている広範囲の風。
北風 北から吹いてくる冷たい風。
逆風 進行方向から吹いてくる風。向かい風。
強風 強い風。 ビューフォート風力階級の7。 参照 [きやうふう]
狂風 激しく吹きまくる風。[きやうふう]
暁風 明け方の風。[げうふう]
金風 秋風。西風。
葛の裏風 葛の白い葉裏を見せて吹く風。
下り 日本海沿岸、特に北陸地方以北でいわれる南寄りの風。京都から下るのに好都合な夏の季節風。逆は上(のぼ)り。
颶風 台風。
黒南風(くろはえ) 梅雨入りの頃、どんよりと曇った日に吹く南風。
薫風 初夏、若葉の香りを運ぶ風。
軽風 そよ風。 ビューフォート風力階級の2。 参照
勁風 強風。
恵風 万物を成長させる、めぐみの風。春風。
黄雀風 陰暦5月に吹く東南の風。[くわうじやくふう]
恒信風 →貿易風
光風 晴れあがった春の日にさわやかに吹く風。また、雨あがりに、草木の間を吹き渡る風。[くわうふう]
好風 快い風。[かうふう]
恒風 つねに同じ方向に吹く風。
業風 地獄で吹く暴風。業の風。[ごふふう]
小風 そよ風。
こがらし(凩、木枯し) 初冬に吹く強い風。季節風のはしり。木の葉を吹き枯らす風の意味。
黒風 砂塵を巻き上げ、空を暗くするようなつむじ風。
谷風 春先、東方から吹いて万物を生長させるという風。東風。穀風。また、谷を吹く風。谷底から吹き上げる風。たにかぜ。
東風(こち) 東の方から吹いてくる風。特に春の東風。梅東風(うめごち)、桜東風(さくらごち)、雲雀東風(ひばりごち)など。
木の下風 木の下を吹き渡る風。
木の芽風 木の芽を吹出させる春の風。
佐保(さお)風 奈良の佐保辺りを吹く風。また、東風をいう。[さほかぜ]
朔風 北風。
砂塵嵐 砂嵐。[さぢんらん・さぢんあらし]
寒風 →かんぷう
小夜嵐 夜の嵐。よあらし。
小夜風 夜風。
浚いの風 降り積もった雪を吹き散らす風。物を吹きさらう風。[さらひのかぜ]
山風 →やまかぜ
地嵐 山から海へ吹き降ろす風。[ぢあらし]
潮追風 潮の干満に合せ、同じ方向に吹く風。[しほおひかぜ]
潮風 海から吹く塩けを含んだ風。塩風。[しほかぜ]
鹿の角落とし 山口県で2〜3月の晴れた日に吹く南西風。
至軽風 ビューフォート風力階級の1。 参照
下風 地面近くを吹く風。
疾強風 ビューフォート風力階級の8。 参照 [しつきやうふう]
疾風 速く激しく吹く風。はやて。 ビューフォート風力階級の5。 参照
科戸(しなと)の風 風の美称。罪や穢れを吹き払う風。「し」は「風」、「な」は「の」、「と(ど)」は「処」の意。
しまき(風巻) 激しく吹く風。雨・雪などを交えて激しく吹く風。
霜風 霜の上を渡ってくる風。霜の降りそうな風。
秋風 →あきかぜ [しうふう]
秋嵐 秋の山にたちこめる靄。[しうらん]
しゆたらべ 喜界島で梅雨の前に吹く湿気を含んだ南風。
春風 →はるかぜ
順風 自分の進む方向、特に、船の進む方向に吹く風。追い風。
松風 松に吹く風。松籟。松韻。まつかぜ。
商風 秋風。[しやうふう]
白南風(しろはえ、しらはえ) 梅雨明けの頃、南から吹く風。しろはえ。
信風 季節風。
神風 →かみかぜ
晨風 早朝の風。朝風。
陣風 疾風。はやて。[ぢんぷう]
塵風 ちりやほこりを吹き上げる風。[ぢんぷう]
隙間風 壁や障子などのすきまから吹き込む風。
涼風 涼しい風。夏の終わりに吹くさわやかな風。りょうふう。
裾風 着物の裾が動いて起こる風。
砂嵐 砂漠で発生する、砂が激しく吹きつける嵐。
西風 にしかぜ。また、寂しい秋の風。
清風 さわやかな風。すがすがしい風。
凄風 凄まじい、もの恐ろしい風。
腥風 血なまぐさい風。
青嵐 青々とした山の気。青葉のころに吹きわたる風。あおあらし。
晴嵐 晴れた日に山にかかるかすみ。 晴れた日に吹く山風。
関風 関所を吹く風。
全強風 ビューフォート風力階級の10。 参照 [ぜんきやうふう]
旋風 渦巻き状の風。つむじ風。つじ風。
袖の羽風 衣の袖をうち振るときに起こる風を鳥の羽風にたとえていう語。
そよ風 そよそよと吹く風。微風。
大強風 ビューフォート風力階級の9。 参照 [だいきやうふう]
大風 強風。また西風の異名。
台風(颱風) 夏から秋の強風。たいふう。 ビューフォート風力階級の12以上。 参照
高西風(たかにし) 関西地方以西で10月ころ急に強く吹く西風、北西風。
卓越風 いつも吹きやすい風。常風。[たくゑつふう]
だし →出し風
出し風 山から吹いて沖へ向う風。山から吹き出す意味とも、船出に便利な意味ともいう。山形県庄内地方の清川だし、新潟県北部の荒川だし、北海道後志支庁寿都(すっつ)の寿都のだし風など。
太刀風 刀を振ったときに起こる風。
竜巻 大気の下層に起こる巨大な漏斗状・柱状の激しい渦巻。
谷風 日中、谷底から山頂に向かって斜面を吹きのぼる風。
束風 →玉風
玉風 東北・北陸地方の日本海沿岸で、冬に北西から吹く暴風。たばかぜ。
暖風 あたたかい風。
長風 非常に遠くから吹いてくる風。また、遠くまで吹いていく強い風。[ちやうふう]
筑波東北風(つくばならい) 筑波山の方から吹いてくる北風。[つくばならひ・つくばならい]
辻風 旋風。つむじかぜ。
つむじ つむじ風。
つむじ風 旋風。
強東風(つよごち) 春、東から吹く強い風。
手風 手の動きによって生じる風。
天狗風 急に吹き降ろす旋風。
天風 高空を吹く風。
東風 ひがしかぜ。→こち
通り風 さっと吹き過ぎる風。[とほりかぜ]
時つ風 ほどよいころに吹く風。時節にかなった風。順風。また、潮の満ちる時刻になると吹く風。
都市風 都市に特有の風。
突風 突然の強風。疾風。
流し 梅雨の前後に吹く湿った南風。木の芽どきに吹く木の芽流し、茅(ちがや)の花の咲く頃に吹く茅花(つばな)流しなど。
波風 波と風。また、波を起こす風。
ならい 冬に吹く強い風。東日本の海沿いの地でいい、風向きは地方によっていろいろ。ならい風。[ならひ・ならい]
ならい風 →ならい [ならひかぜ・ならいかぜ]
南風 みなみ風。→はえ
軟風 そよ風。微風。 ビューフォート風力階級の3。 参照
難風 船の航行を困難にする風。
鳰(にお)の浦風 琵琶湖の上を吹く風。[にほのうらかぜ]
にし 西風。
熱風 熱い風。
野風 野原を吹く風。
野分き 秋の暴風。台風。野分きの風。のわけ。
野分の南風(のわきのはえ) 雨の少ない南の強風。
南風(はえ) 西日本一帯で南または南寄りの風のこと。
葉風 草木の葉を動かす風。
羽風 羽の動きによって起こる風。あるいは舞人の袖による風。
刃風 刀を振るときに生じる風。太刀風。
爆風 爆発による衝撃風。
初秋風 初秋のころに吹く風。
初嵐 秋の初めに吹く強い風。
初風 その季節の最初の風。特に初秋風。
初瀬風 大和の初瀬の辺りを吹く風。
花嵐 桜の花の盛りのころに吹く強風。
鼻嵐 激しい鼻息。
花風 桜を散らすように吹く風。
浜風 浜に吹く風。浦風。
はやち →はやて
はやて(疾風) 急に吹く風。しっぷう、陣風。
春嵐 春の嵐。しゅんらん。春疾風。
春一番 立春を過ぎて最初に吹く、昇温を伴った強い南風。春一(はるいち)。2番目、3番目を春二番、春三番という。
春風 春の穏やかな風。しゅんぷう。
東風(はるかぜ) とうふう。→こち
春疾風(はるはやて) 春嵐。春荒(しゅんこう、はるあれ)。はるあらし(春嵐)。
ひかた 日のある方から吹く風の意味。広く日本海側一帯でいわれる夏の南寄りの強い季節風。
悲風 哀感をさそう風。主に秋の風。
微風 そよかぜ。
飄風 急に激しく起る風。[へうふう]
平野風(ひらのかぜ) 奈良・三重県境の高見山の西麓に吹く冬の強風。
ビル風 高層ビルの回りに起きる強い風。
広戸風 岡山・鳥取県境の那岐山(なぎさん)南麓に吹く強風。
便風 都合のよい風。順風。
舞台風 劇場で幕が上がる時、客席に向かって舞台から吹き出してくる冷たい風。
平穏 ビューフォート風力階級の0。 参照
へつかぜ(辺つ風) 海岸を吹く風。
便風 →びんぷう
貿易風 赤道付近の南北から赤道へ向かって吹く風。昔、貿易帆船が利用した。
暴風 激しい風。嵐。 ビューフォート風力階級の11。 参照
帆風 順風。追い風。
北風 きたかぜ。朔風。
星の入東風(ほしのいりこち) 中国地方で陰暦10月ころ吹く初冬の北東風。明け方昴(すばる)が没する時刻に吹きやすいという。
盆東風(ぼんごち) 夏の終わりに吹く東風。暴風雨の前兆という。
舞い風 つむじ風。旋風。[まひかぜ]
魔風 もの恐ろしい、不吉な風。
まじ(真風) 西日本で南または南西の風をいう。桜まじ、油まじなど。まぜ。
まぜ →まじ
松風 松を吹く風。松籟。
まとも(真艫) 船の船尾の方向から吹く風。
魔風 →まかぜ
まつぼり風 阿蘇の火口原にたまった冷気が外輪山から熊本平野へ吹き出す強風。まつぼりは余分、へそくりなどの意味。
豆台風 小さな台風。
港風 港や河口に吹く風。
みなみ 夏の季節風。南風。
南東風(みなみごち) 東のやや南寄りから吹く風。
向かい風 向こう風。逆風。[むかひかぜ]
向こう風 向かい風。[むかふかぜ・むかうかぜ]
猛風 強風。[まうふう]
八重の潮風 はるか遠くの海から吹いてくる風。[やへのしほかぜ]
矢風 矢が巻き起こす風。
山颪(やまおろし) 山から吹き降ろす風。
山風 山の風。また、山からの風。
山下風 山の麓に吹く風。山から吹き降ろす風。
山背 山を越えてくる風。また、夏に東北の太平洋側に吹く冷たい北風。山背風。
夕嵐 夕方に吹く強風。[ゆふあらし]
夕風 夕方の風。[ゆふかぜ]
雄風 勢いがありすがすがしい風。 ビューフォート風力階級の6。 参照
夕下風 夕方、地面をはうようにして吹く風。[ゆふしたかぜ]
夕山風 夕方、山から吹いてくる風。[ゆふやまかぜ]
雪嵐 吹雪。
雪風 雪と風。また、雪交じりの風。吹雪。
夜嵐 夜の嵐。
夜風 夜の風。
横風 横から吹く風。
横しま風 横なぐりに吹く風。
四方の嵐 あたりを吹き荒れる嵐。
夜半の嵐 夜吹く風。一夜で桜花を散らす嵐。[よはのあらし]
嵐気 湿りけを含んだ山の空気。山気。
陸風 夜間に陸から海へ向って吹く風。陸軟風。
陸軟風 →陸風
涼風 涼しい風。[りやうふう]
緑風 青葉を吹く、初夏の風。薫風。
冷風 冷たい風。
烈風 激しい風。
若葉風 若葉の頃の風。
和風 穏やかな風。春の風。 ビューフォート風力階級の4。 参照