2.ひずみ型、時には異常構音と呼ばれるもので、文字で表せない微妙な、あるいは奇妙なキシミ音や曖昧音です。五十音図のイ段(イ、キ、ギ、シ、ジ、チ、ニ、ヒ、リ、など)、カ行、ガ行、サ行、ザ行、タ行、ダ行、ナ行、ヤ行、ラ行などに現れます。「側音化構音」「イ列構音障害」「口蓋化構音」「カ行構音障害」「サ行構音障害」「接歯性・歯間性サ行構音障害」「ラ行構音障害」などと呼ばれています。
具体的には、
○イ段の音(イ、キ、ギ、シ、ジ、チ、ニ、ヒ、リ、など)が正しく言えない。(サンプル音声) (相談例)
○カ行、ガ行がタ行、ダ行、ラ行のようになる。
○キが正しく言えない。(サンプル音声1) (サンプル音声2)
○ギが正しく言えない。
○ケ、キ、ゲ、ギが正しく言えない。
○サ行がシャ行やヒャ行のようになる。
○サ行がハ行やファ行のようになる。(サンプル音声1) (サンプル音声2)
○サ行が鼻を鳴らすような音になる。
○サ行、ツ、ザ行がはっきりしない・だらしない。(相談例)
○シが正しく言えない。(サンプル音声)
タテト、ダデドが変だ。カケコ、ガゲゴのようになる。
○ジ、ヂが正しく言えない。(サンプル音声)
○チが正しく言えない。(サンプル音声)
○ツが言えない。変な息が混じる。(サンプル音声)
○ツがチュ、キュ、クのようになる。
○ツとズがはっきりしない・だらしない。
ナ行が変だ。ガ行のようになる。
○ニが変だ。ギのようになる。
○ヒが正しく言えない。
○ヤ行が正しく言えない。
ラ、ル、レ、ロがあいまいになる。
○リが正しく言えない。(サンプル音声1) ギのようになる。(サンプル音声2)
○拗音(キャ、シャ、チャ、・・・
など)が正しく言えない。(サンプル音声)
○しゃべると舌が見えておかしい。
○ある発音の時だけ唇や下アゴが横にずれる。
○ある発音の時だけ息が横に漏れる気がする。
サンプル音声は何れも完治例のものです。
一部MPEG
Layer-3に圧縮してあるために実際よりも正しいように聴こえるものがあります。
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などを言います。音節の構音評価レベルは20〜70。ひずみ度#1〜3。程度の甚だしいものから軽いものまでいろいろあります。
基本的に舌や唇の動かし方が間違っているために正しい呼気の流れが阻害されたり間違った位置で音が発生して起こるもので、発音が不正であると同時に、唇やアゴ、舌の動きが不自然に見えることもあります。
また、口の中の息の流れ方がおかしいと自覚することもあります。
多くのものは自然治癒は期待できず、また家庭でも学校でも見過ごされたり諦められたりして正しい矯正の機会が得られずにそのまま成人まで持ち越されるケースが大部分です。コミュニケーションに重大な(全般的な)齟齬をきたすことは少ないのですが、よく聞き返されたり聞き間違えられたりし、丁寧に言い直してもますます通じなくなります。
また本人に自覚があり自分で治そうと工夫しても、自己聴覚モニターの歪みのために正しい目標音の設定と評価ができず、改善は困難を伴います。
この障害には医学的原因はありませんから医療や歯科医療で治すことができません。またコ・メディカルの言語訓練を行っても他の種類の障害向けに一般的な基礎機能訓練や聴き取り訓練、繰り返し発音訓練などでは改善しません。小学校の「ことばの教室」でもこの種類のものは指導が難しいとされ、指導期間も長期に亘りながら殆んど実効が上がっていないのが実情です。
これらのことから一般にまた関係者の間にさえ、この障害は大人になってしまうと一生治らないという誤解が根強く存在します。刊行本やHPの中にも、早いうちに治すべきで大人になると治しにくいという記述が多く見られます。
しかし近年、成人に対する正しい構音指導の効果が認識されるようになってきました。
適切な音声学的構音指導によって音節はほぼ例外なくごく短期のうちにひずみ度#0(まれに#1)、構音評価レベル[70〜100](正常)に達し、会話も多くは比較的短期のうちに実用レベルに達することが分かってきたのです。経験ある指導専門家は最近では成人に達してからの矯正は容易で非常に効果的であると言っています。(逆に低年齢の場合は成果が上がりにくいことがあり、指導は高学年になるまで待った方が効率が良いと言われます。)
結局これらの不正音は正しく治してしまえることが明らかとなったため、最近ではこの種の機能性構音障害を「障害」という名で呼ぶのはふさわしくなく、単なる「発音の習慣的誤り」・「発音の学習の失敗」ととらえる方がより実態を表していると言われるようになりました。つまり誤った習慣の取り除きと正しい方法の学習こそがこの場合の発音矯正の要であり、また習熟期間についても、外国語の発音習得とは異なって乳児期からの正しい音聴取の積み重ねがあるために、極めて短期間で済むことも分かってきたのです。
「成人の機能性構音障害」は一生治らないという誤解は早急に解かれる必要があります。
(参考:構音評価レベル・ひずみ度表)
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