構えには次の中段・下段・上段・脇・八相の構えがあり、「五行の構え」といいます。
- (1)中段の構え
- 「常の構え」、「正眼の構え」といわれるように、攻防に最も都合がよく、理想的な構えです。
- 剣先を相手の中心に付け、自然体の姿勢から右足を前に出し、左足をへその前に置き、握り拳ひとつぐらい出すようにします。
- (2)下段の構え
- 「守りの構え」といわれますが、八方の敵に応じることのできる構えといわれます。
- 相手に隙があれば直ちに攻撃に転ずることが可能な構えでなくてはなりません。
- 中段の構えから竹刀を下げ剣先を延長線が相手の両膝の中間に付けるようにします。
- (3)上段の構え
- 「火の構え」といわれる最も攻撃的な構えです。
- 相手の技の起こり頭を一刀で制する気持ちで構えます。
- 中段の構えから竹刀を頭上に上げ両腕が顔の前で三角形を作るようにします。
- 左上段、右上段ともに双手と片手がある。
- (4)脇構え
- 「陽の構え」といわれ、相手の出方に応じて竹刀を長くも、短くも使い分けることができる構えです。
- 中段の構えから右足を一歩引き、手元を右脇に引き寄せ竹刀の先を水平よりやや下げ、剣先を身体にかくして相手から見えないようにし、竹刀の長さを知られないようにします。
- (5)八相の構え
- 「陰の構え」といわれ、自ら攻撃を仕掛けるのではなく、相手の出方によって攻撃に変わる構えです。
- 中段の構えから左足を一歩踏み出すとともに左拳を右乳頭部の前に、右拳を口元の高さにします。
- 抜いた刀と鞘が八の字をなすから八相という。
- また、瞬時に八方の敵に対応できるから発早とかく流派もある。
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