「残心」について記せ。
 残心とは、打突が終わった後でも、少しも油断せず、次に起こるそんな変化にも、ただちに応じられる心の構えと準備のことです。全身の気力を傾け打突したとき、かえって自然にそこに油断のない心が残ることをいいます。
 はじめから心を残して打突すれば、そこに心が留まって隙を生じ、相手に反撃されることになるのである。全力をあげて心を残さず、無心で打突することにより、十分な打突ができ、打突した瞬間、自然に備わる相手に対する心構えが残心である。