剣道指導者として、指導上の心得を述べよ。
  • 剣道の本質を良く理解して、それに合った指導をすること。 指導する相手の年齢、能力、技能に応じて行うことはもちろん、剣道の目的と精神を十分に理解させることに心がけなければならない。
  • 稽古を行う環境の改善と保健衛生についても十分に注意をはらうこと。
    環境の改善は指導者の熱意にあるが、指導者は指導目標、指導内容を明らかにし、みんなに知らせることは大切なことです。
  • 保健の面では、室内競技の欠点とも言うべき換気に十分に注意し、全員の健康状態を常に注意し、無理な稽古や過度な稽古を要求することのないようにします。無理な稽古は、健康を害しばかりでなく、意欲を失わせてしまうので、特に適切な指導を心がけることです。

○剣道指導の心構え(平成19年3月14日 財団法人全日本剣道連盟制定)
 (竹刀の本意)
 剣道の正しい伝承と発展のために、剣の理法に基づく竹刀の扱い方の指導に努める。
 剣道は、竹刀による「心気力一致」を目指し、自己を創造していく道である。「竹刀という剣」は、相手に向ける剣であると同時に自分に向けられた剣でもある。この修錬を通じて竹刀と心身の一体化を図ることを指導の要点とする。
 (礼法)
 相手の人格を尊重し、心豊かな人間の育成のために礼法を重んずる指導に努める。
 剣道は、勝負の場においても「礼節を尊ぶ」ことを重視する。お互いを敬う心と形(かたち)の礼法指導によって、節度ある生活態度を身につけ、「交剣知愛」の輪を広げていくことを指導の要点とする。
 (生涯剣道)
 ともに剣道を学び、安全・健康に留意しつつ、生涯にわたる人間形成の道を見出す指導に努める。
 剣道は、世代を超えて学び合う道である。「技」を通じて「道」を求め、社会の活力を高めながら、豊かな生命観を育み、文化としての剣道を実践していくことを指導の目標とする。