学 科 問 題


 平成15年11月9日(日)に神奈川県立武道館にて実施される、剣道四・五段審査における学科問題です。
 共通問題は必ず出題されます。もう一問はそれぞれの段位の出題から一問出されます。


四段・五段 共通(必須)
○審判員としての心構えを記せ。
 剣道の審判員は、常に公正に試合者の勝敗を裁決するとともに、試合をスムーズに進行しなければなりません。
 審判員としての責任を自覚し、打突部位、間合い、強度、理合、刃筋、残心、姿勢等の要素や条件を公正、明確、果断、厳正に、しかもスムーズに判定し、いやしくも混乱や堕落を引き起こすことのないように心がけ、審判員としての権利と義務を正しく完全に遂行するよう心がけねばなりません。
 正しい審判が、剣道の発展につながることを自覚して、公正、明確、果断、厳正に、しかもスムーズに進行することが大切です。
四段(二問中一問出題)
○守破離について説明せよ。
 守、破、離とは、剣道の修業の段階を示す教えです。
 守とは、指導者の教えを忠実に守り学び、基本を身につけることです。
 破とは、守という段階で学習したことにとらわれずに、それぞれが工夫をこらし、自分に合った技術をつくりあげることです。
 離とは、守、破といったことを超越して、悟りの境地に至ることです。
○「摺りあげ技」と「返し技」の違いを説明せよ。
 「摺り上げ技」と「返し技」の違いは、「摺り上げ技」は相手の竹刀に対して摺りあげた側を打ち、「返し技」は応じた反対側を打つところにあります。
 「摺り上げ技」は、打突してきた相手の竹刀を自分の竹刀の右側または左側で摺り上げげ、相手の打突を無効にすると同時に打ち込む技で、「返し技」は、打ち込んでくる相手の竹刀を摺り上げるように応じ、ただちに手首を返して反対側の部位を打つ技をいいます。
五段(二問中一問出題)
○虚実について述べよ。
 心構えや身構えに隙のできた状態を虚といい、用意があり、構えが完備している、整っていることを実と言っています。
 実があれば、必ず虚があり、強いところがあれば弱いところがあるものです。
 試合において、最も労少なくして効多き方法、すなわち、相手の実をさけて虚を打つこと、相手の弱いところを攻めるのが虚実変化の妙用です。
○三つの先について説明せよ。
 機先をとる技を先の技といい、古来から「三つの先」と言われて、剣道を修業する上で、特に大切なものとされています。
@先々の先
 お互いに先の気分で勝敗を争うとき、相手の起こりを早く発見して直ちに打ち込んで機先を制しうるもので、相手の先より先ずることで、剣道では最も尊ばれています。
A先
 自分よりかかる先、即ち、出たら打つぞ、引いたら打つぞ、動いたら打つぞ、というような「打つぞ、突くぞ」という心持ちです。
B後の先
 相手が先をかけてきたところを、打ち出してきたところを制する先のことです。たとえば、相手が面を打ち込んできたときに摺り上げて面を打つとか、応じ返して胴を切るのが後の先です。


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