猫の病気4
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ネコエイズウイルス感染症 FIV
【症状】
人間の「後天性免疫不全症候群:Acquired Immune Deficiency Syndrome AIDS」とよく似た症状のため、このように呼ばれていますが、ヒトに感染する事はありません。
このウイルスに感染すると、免疫力の低下がみられます。
感染経路は唾液や血液によるものがほとんどで、まれに母乳からの感染(垂直感染:母親から子供への感染)がみられる。
オスネコの方がメスネコよりも感染率が高いです。
これはケンカのときに噛みつかれる事が多く、血管内に直接唾液に混じったウイルスが入るくらいの濃厚感染が起こるからです。
感染初期には発熱やリンパ節の腫れが見られますが、ほとんどは気付く事が無く症状が消失します。
その後、数年の潜伏期間(病気が表に出てこない期間)を経て口内炎や歯肉炎などの症状が現れてきます。
発病するとヒトのエイズと同じように、細菌やウイルスに対する免疫力が低下し、カビなどの常在菌(健康な時にもいる細菌やカビ、ウイルスなどのこと)の感染にかかりやすくなります。(日和見感染:体の免疫力が低下した時に感染すること)
ヒトの免疫不全症候群よりは弱い免疫不全ですが、様々な細菌などの感染を起こしやすくなります。
【原因】
レトロウイルスである「オンコウイルス」の一種、ネコエイズウイルス(FIV)の感染が原因です。
レトロウイルスは弱いウイルスで、消毒薬にも弱く感染力もそれほど強くありません。
直接唾液や体液、血液に触れなければ感染はしません。
【治療法】
根治療法は無く、出た症状に対する対症療法しかありません。
Akemiya 1999