猫の病気5


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ネコ白血病ウイルス感染症 FeLV



【症状】
感染初期は発熱やリンパ節の腫大、下痢、腎炎などを起こします。
このウイルスは腫瘍ウイルスなので、約20%はリンパ系の腫瘍を作ります。
骨髄に対しても病変が起き、骨髄抑制(骨髄の機能を押さえてしまう作用)を起こします。
その為、貧血や白血球減少などが起き、二次感染や貧血で死亡する例も見られます。

【感染】
感染するとウイルスの量やネコの体の状態により、反応が違ってきます。
@40%のネコはウイルスに対する抗体を作り、免疫力を高め新たな感染を予防します。
A30%のネコは骨髄細胞内にウイルスが入りこみ、そこでしばらく潜んでいます。
これは一般的に「キャリア」とよばれる状態で、そのうちの40%はウイルスを排除し免疫状態となります。キャリアの50%はそのままウイルスを持ち、そのウイルスを排出します。(他のネコに感染する状態)残りの10%はウイルスに対する抵抗力が落ちた時に発病します。
Bウイルスを防御できなかった30%のネコは、ウイルスの増殖を押さえる事ができず、ウイルスを排出しながら発病します。発病すると80%は3年以内に死亡します。
FeLVウイルスは免疫システムの発達していない子猫や、免疫システムの衰えている老ネコに感染しやすいです。
血液、唾液、母乳、尿などの体液を媒介として感染するため、共同のトイレやエサ入れから感染することもあります。
また、多頭飼いしている場合は感染したネコが、他のネコの体をなめる事により感染するケースもみられます。

【原因】
ネコエイズウイルスと同じレトロウイルスであるネコ白血病ウイルス(FeLV)の感染によって起こります。
レトロウイルスは逆転移酵素を持っており、この酵素を使いネコのDNAへウイルスの遺伝情報を転写して増えていきます。
つまり、ネコが生きている限り増殖しつづけ、体が弱った時に一気に発病するのです。

【治療法】
根治療法は無く、出た症状に対する対症療法しかありません。





Akemiya 1999