猫の病気2


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ネコ伝染性腹膜炎 FIP



【症状】
この病気にかかると、慢性の全身の血管の炎症を起こします。
それが原因による様々な変化(病変)が起きます。
胸やお腹に血管から血漿が染み出て、いわゆる「胸水」(胸の隙間に水が溜まる)や「腹水」(お腹の隙間に水が溜まる)を起こします。
また、水が溜まらない場合にも「前眼房炎」(前眼房:ぜんがんぼう とは猫を横から見た時、眼を見ると黒目の前に透明な部分があります。その部分の事をこう呼びます)や脳の病変を起こします。
症状が軽いと見逃しやすく、そうと知らずに症状が重くなってから見つかる例も少なくありません。
症状が出現し、はっきりと診断されたものについても予後は決して良くはありません。
発熱や腹水などを繰り返します。食欲は症状が軽い時にはありますが、食欲があっても痩せが目立つのが特徴です。
再燃(さいねん:症状が重くなる事)と寛解(かんかい:症状が軽くなる事)を繰り返し、徐々に悪化傾向をたどります。

【原因】
ネコ伝染性コロナウイルスの感染が原因です。
ヒトやイヌではただの急性の下痢程度ですが、ネコは診断も症状も複雑です。
現在の医学ではウイルスに対する薬はありません。(ネコに限らず人間の薬もありません)

【治療法】
根治療法は無く、出た症状に対する対症療法しかありません。
(腹水や胸水が溜まった場合には水を抜く事や、発熱した時には熱を冷ますなど)




Akemiya 1999