石垣島紀行

南の話の部屋へ戻る

――――― 二日目 ―――――

昨日の夜は、推定一時半頃に寝た。
電気を消した後、どうしてかあまり気分が良くない。
目を閉じると、体が沈むような回っているような気がして、気持ち悪くなる。
メニエール症にでもなった感じだった。
おまけに妙なイメージが頭の中をグルグル周る。
女の人が飛び降りて、窓の外の五メートルほどの屋根の上に落ちる。
その繰り返しだった。
しかし、気付くと寝ていた。
朝は七時半に目覚ましをかけたが、私はグズグズしていて起きたのは八時すぎだった。

ホテル一階にある「アクアリス」へ行き、朝食を摂った。
朝食はいつものバイキング形式。
私はちょっと控えめにお膳に乗せてきた。
・レーズン黒糖パン(普通の食パンの1/3くらいの大きさ)一枚
・ホットケーキ直径六p一枚
・フーチャンプル少々
・目玉焼き
・スクランブルエッグ
・ソーセージ二本
・ベーコン五pくらいのもの一枚
・スイカ三切れ
・グレープフルーツジュース
・コーヒー牛乳(自分で作成。牛乳にホットコーヒーを入れてみた)
朝食を摂った後、ホテルのみやげ物コーナーへ行き、「シママース(島塩)」を購入した。

部屋へ戻り、ゴソゴソしているとTVで天気予報をやっていた。(というか、天気予報のみのチャンネルに合わせていた)
その中に流れていた「せんたく指数」に出ている洗濯機のイラストが、どうしても白目をむいていっちゃってるようにしか見えなかった。
11時に部屋を出て、八重山民俗園へ向かった。

ここでも野望の一つ「リスザルに襲われる」体験をするのだ。
入口で入場料400円(本当は500円だが、昨日使ったパス券で安くなった)と、リスザルのエサ200円を払って入った。
目指すはリスザルの檻っ!!
扉を開けて中に入るが、奴らは他の客の襲撃に夢中で私達には気付いていない。
平和なうちに、そばにいたサルに2〜3粒のエサを取り出し手渡した。
すると、奴らは一斉に気づいた。
こいつらはエサを持っているっ!!
最初はまだ微笑ましかったが、徐々に激しくなっていった。
肩に乗るは、人のバッグの中を漁るは…。
しまいにはエサ袋を持っている腕にしがみつき(2〜3匹)、私はエサを袋ごと奪われてしまった。
服には奴らの足跡が…。
ふと高田寺を見ると、更にすごいことになっていた。
4〜5匹腕にかたまり、肩や腰にもしがみついていた。
しかも、腕につかまっている奴らは高田寺の腕を噛んでいた。
「痛っ!!痛いって!!もう、痛いって言ってるでしょ!!!!」
そう言っても奴らには言葉は通じない。
高田寺も負けてない。
ナンと奴らとの根競べに見事勝利を収めたのだ。
奴らはエサが無くなると「チッ」という感じで、草むらの中の枯葉を広げたり、ひっくり返したりしてエサを探していた。
エサ探しをしているサルのシッポを引っ張ると、「キィ〜〜〜ッ!!」と歯をむいて怒った。
しつこくやると、歯をむいたまま膝に乗り「やめろって言っとるだろっ!!」とでも言っているように叫び、あっという間に去って行った。
少し怖かった。
リスザルに飽きてきたので、檻の外に出た。

出口の前に「ヒルギ群生地」と書かれた看板を見つけた。
「こっちは行ったことないよね」と行ってみることになった。
片道徒歩三分の山道のような道を進んだ。
ヒルギの群生地はあったが、一体ここで何を見ろと言うのだ、と言いたいくらいヒルギの木しかなき場所だった。
ふと足元を見ると、飛び跳ねるトントンミーが沢山いた。
小さな穴の中にはカニがいた。
シオマネキという片方のハサミがでかいカニだ。
トントンミーとカニに思わず夢中になり、しばらく追いまわして遊んだ。
もちろんヒルギのことは忘れた。
十分ほど遊んでから、元来た道を戻り暑さでグッタリ寝ているワオキツネザルとエリマキキツネザルを見た後、園内を出た。
売店で高田寺はちんすこうの味見パックを買っていた。

次に目指すは、米原キャンプ場。
しかし、道を間違えて底地ビーチ(すくじビーチ)へ行ってしまった。
引き返し、無事到着する。
一時頃で、一番潮がひいている時間だったので、先に「海人倶楽部(うみんちゅくらぶ)」でラーメンを食べることになった。
ここでも野望の一つ「八重山冷麺」を食べる予定だったが、あいにくメニューから消されており、結局私は八重山ラーメンを、高田寺はソーキラーメンを食べることにした。
ラーメンを食べた後、車の中で少し時間をつぶした。
二時を過ぎたので、米原にある売店で水中眼鏡、フィン、シュノーケルの3点セットを¥1300で借りた。
水着に着替え、曇りだが念の為上にTシャツを着て海に入った。
最初は冷たく感じたが、顔をつけてしまうと冷たさは忘れた。
まだ潮がひいているため、所々かなり浅くなっており、歩いて越えていった。
今年はいつもよりも生きているサンゴが多く見えた。
いつも行っていた外海まで行ってみようと目指したが、とても波が激しく白い波頭がたっていた。
ナンとか外海の際までやってきたが、まだ干潮だったため海が浅く、強い波に押されてサンゴに手足を擦られ、危うく大根おろしになりそうだった。
しばらく波と戦ったが、命の危険を感じるほど波が強かった。
小さな波が2〜3来た後、大波が2〜3来るが、大波が来ると五メートルほどは押し戻された。
高田寺も波間を行きつ戻りつ漂っていた。
外海から冷たい海水が流れ込んでくる為、体も冷えてきたので一旦海から上がることにした。
しばらく休んだ後、また四時ごろから海に入った。
潮が満ちてきたので、しばらく泳ぐ事ができた。
やる気満万の高田寺は、どんどん進んで行く。
結局また外海まで行くことになった。
波は相変わらず高かったが、サンゴに体を擦られない程度まで波が満ちてきていたので、今回は楽しめた。
高い波が来ると波頭にたくさんの泡ができる。
そのため、潜っていると目の前が真っ白になり、泡が消えたころには元いた場所から離れた場所まで流されていた。
外海に出ると、それまでサンゴ礁の台が1〜2メートルくらいの深さにあるのだが、突然十〜30メートルくらいの深さになるのだ。
少しその深い場所でプカプカ浮いていたが、波も強く潮流に乗ったら更に岸に戻り難くなると、怖くなってきたのですぐサンゴ礁の方へ戻った。
しばらくサンゴ礁の裂け目あたりで遊んでいたが、4時15分となり、戻る時間を考えて岸に向かう事にした。
大きな波が来ると、すごい早さで前に進んだが、波が来る前は少し引き戻されるため、二人で「三歩進んで一歩下がるみたいだねぇ」と笑った。
途中、ムラサメモンガラを追いかけたりしたが、四時半ごろ無事に岸に着いた。
海から上がると高田寺のくるぶしに傷ができており、ダー―――――ッ!!と血が流れており「かっちょいい〜〜!!」と騒いでいた。
水中眼鏡etcは五時までだったため、返却したあとシャワーを浴びて着替えた。
…と、隣に入っていた高田寺が騒ぎ出した。
よく聞くと、どうも下着を車の中に忘れてきたらしい。
仕方なくもう一度水着をつけて、車まで取りに行った。
高田寺を待つ間、ファンタグレープを購入し、さて飲もうかなと思ったら高田寺がやってきた。

車に乗りこみ、次の野望であった「ブルーシールアイス」の「ウベ(紅イモアイス)」を食べる為、川平(かびら)へ向かった。
川平には三軒アイスを売っている店があったが、うち二軒はもう店を閉めていた。
残る一軒に入ると、ナンとソフトクリームが売っていた。
少し迷ったが、ソフトクリームの方を食べる事にした。
アイスよりも少し紅イモの味が薄い気がしたが、美味しかった。

川平から一度ホテルへ戻る事にした。
帰りは一度も迷わずにすんなり帰る事ができた。
部屋に入ってから、交代でシャワーを浴びた。
ホテルを出る前に、部屋の中で外から太鼓の音がするのに気付いた。
ホテルの裏庭でエイサーをしていたのだが、部屋の中からは窓の外に五メートルほどの屋根があり、見る事が出来なかった。
一階まで降りてエイサーを見た後、夕食を食べに町へ車で出た。

町に出る前に五色ギョウザの置いてある「ペンギン食堂」へ行くか、「琉球の爺」へ行くか、ジャンケンで決めた。
高田寺が「ペンギン」で私が「爺」で、高田寺がパーで勝ったので、「ペンギン食堂」へ行くことになった。
地図が大雑把なのと店構えが分からなかった為、その付近の道を行きつ戻りつした。
その途中「ゆいロード」沿いにある事が判明した。
三度通るが見つからない。
しかし、四度目やっと発見!!
「ペンギン」とカタカナだと思ったら「辺銀」と漢字で書かれていたため気付かなかったらしい。
店の近辺には車を止める場所がなかったので、大通りまで出てそこへ止めて歩くことにした。
五分ほど歩き店に到着した。
店は外から見ると美容院のように見えた。
しかし、店の中に入ると「ギョウザは売り切れてしまったんですけど〜」と一言。
ギョウザが目的だったので、店を出て「琉球の爺」を探すことにした。

適当に車を流していると、店を発見した。


しかし、店は休み。
次は「漁礁(パヤオ)」へ向かった。


…が、ここも休み。

「亀龍酒家(きりゅうしゅか)」も休み。

石垣牛はどこもサクサクなのだろうか、と焼肉屋の「担々亭」を探した。
しかし、ここも休みで看板が消えているからか、見付けられなかった。
しょうがなくホテルに戻る事にした。

帰り道に車の前にでかい鳥のようなモノが横切った。
「あ、コウモリだっ!!」(朱宮)
「え?どこどこ?」(高田寺)
「もう見えない。でかかったよ。30pくらいあったかな?」(朱宮)
しかし、本当にコウモリなのかは、分からなかった。
だって、でかかったんだもんなぁ。
ホテルに戻ったのは9時。

ホテルに入る前に「そういえば、エイサーをしていた人達がたむろっていた店がやっていたね」と気付き、そこへ行くことにした。
その店はホテルのまん前にあった「金八」という店だった。
店の前に出ているメニューを見て、チャンプルーやご飯ものがある事がわかり、そこへ入る事に決定した。
ここでウーロン茶、ソーメンチャンプルー、フーチャンプルー、刺身盛り合わせ、牛タンを頼んだ。
つきだしにモズク酢が出たが、少しニンニクが入っているのかニンニクのニオイがした。
最初に牛タン串焼きがやってきた。
なかなか美味しかった。
次にソーメンチャンプルーがやってきた。
私が以前食べたものと違い、キャベツ、ポークランチョンミート、タマネギが入りダシスープが少し入っていた。
次に刺身盛り合わせが来た。
マグロ、イカ、イカ胴体を茹でた物が乗っていた。
マグロは脂が乗っていて美味しかった。
次にフーチャンプルーが来た。
店先には0時まで営業と出ていたが、十時にラストオーダーとなった。
チャンプルーがかなりボリュームがあり、お腹一杯になった。

ホテルに帰ってから「堂本兄弟」を見た。
高田寺はサンゴで切った(というより、えぐれた)右のくるぶし辺りが少し腫れていたので、氷を持ってきて冷やしていた。
ふと隣を見ると、足を冷やしながら高田寺が寝ていた。
今日泳ぐのに、この天気… テレビの洗濯機のイラスト 白目むいているように見えない?
迷って行った底地ビーチの
そばには観光名所の
川平湾があるのだ
(去年の写真である)
八重山民俗園の入口にあった
ドラゴンフルーツ
ここが食べる部分らしい
最初は穏やかだったが… 次第に凶暴になっていく  
このうちの何匹かは腕に噛み付いている(汗)
「海人倶楽部」の八重山ラーメン 同じくソーキラーメン
チョウチョウウオも泳いでいる よく分からないけど、この辺りに
なが〜〜いナマコがいる
今年はサンゴが綺麗だった
小さなウミウシを撮ってみたけど… この波が荒い辺りまで行ってみた
死ぬかと思った…
サンゴの周りには
綺麗なお魚がいっぱい
ハタタテダイもいた こんなに浅い所にも
綺麗なお魚が沢山♪
ここも腰くらいの深さの所
ここに2匹のお魚がいます
…が、分かります?
出掛けに見かけたエイサー
お客も一緒になって踊る
カチャーシーだ


Akemiya 2001