共産圏紛争の勃発に関する不真面目的考察


 昔々あるところに、「世界革命によってユートピアを建設しよう!」という、聞いている分にはすンばらし〜理想を掲げて日々戦う、赤い熊さんがおりました。
 ところがこの熊さん、口先と腹の中は正反対で、実は胸の内では先代のお屋方様と同じく覇権主義志向まっしぐら。おまけに、そのトップに居座るは我らが親愛なるジョセフ閣下です。
 さて、この当時熊さんとそのお友達は、得意の絶頂にありました。なにせ、あの広大なユーラシア大陸の面積のうち7割以上が、彼らの理想に共鳴してくれているのですから。
 でも、栄えあるソビエト政府の樹立から10年以上経つと、順調に見えたお友達サークルの拡大も頭打ちになってしまいました。
 ユーラシアの中で、て〜こく主義者の収奪に喘ぐ人民は、もうアジアの一部にしか残っていなかったのです。
 一方、この頃資本主義世界は、全世界規模の大好況! 30年前にグルになって熊さんをいぢめてくれたえげれす人と黄色いお猿さん達は、にっくき国民党へ、仲良し同士競って武器の売りこみ合戦をやっています。
  星と縞々のサム叔父さんは、せっせとお船を造って国内消費を刺激しつつ、これまた熊さんのお隣の国々へ、武器を売りこんで荒稼ぎしています。
  つられて、昔熊さんの仲間だった三色旗の方々が着々と国造りを進めれば、その隣では落ち目だったはずのフリッツくんが、どか〜んと経済成長と戦後復興を同時にやってのけます。
 ここで熊さん達は考えました。なにせ、自分たちがあくせく働いた割に報われない生活を送っているのに、隣の芝生は青々と繁りまくっているのです。
  おまけに、熊さんの手元には、政治的信頼性に問題はあるものの、まぎれもなく世界最大最強のミラクル☆アーミーが、いつでも使える状態にあります。
  さらに、熊さんのお隣は、その昔革命のドサクサにまぎれて土地を掠め取り、勝手に独立を宣言したポーランド。これをチャンスと言わずして、何がチャンスなのでしょう。
 かくして、共産圏紛争と呼ばれる3年戦争が勃発してしまうのでありました。1936年のお話です……

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