高町恭也
登場時陸軍中尉。一木支隊所属の小隊長。海軍の高町中将の長男で、直伝の小太刀二刀流を操る師範代。対人戦闘力は極めつけに高く、適切な地形障害を利用できれば単身で完全武装の一個中隊と互角に渡り合う。もちろん、小銃その他の武器の扱いも超一流。ガダルカナルの戦闘では戦車10両を単独で撃破し、生きた伝説となる。さすがに眉唾だが、機関銃の掃射を食らって戦い続けたという話も伝わっているとか。親友の赤星中尉ともども野戦任官で大尉に昇進し、以後中隊を率いた。寡黙で剛直な性格だが、大胆な一面も持ち部下には温厚。第二部の大陸編では主人公に昇格し、生涯通算で33個の肉弾戦車撃破章を獲得した。ちなみに、郷里には従妹と叔母が剣術道場を開いているほか、中学(旧制)時代に訳ありの縁で婚約した資産家の娘がいる……と、これだけ書くと完璧超人とも思えるが、実際には中途半端に使えるせいであっちこっちの小隊の尻拭いに駆けずり回るタダの不幸担当である(何
赤星勇吾
登場時陸軍中尉。一木支隊所属の小隊長。恭也の親友にしてやはり一流の剣士。戦闘力は恭也に勝るとも劣らず、ガダルカナルで肉弾戦車撃破章6個の勇者。後に大陸では、味方の米比軍将兵から「サムライ・ソードマン」と呼ばれた。彼らがモデルとなっているアクション映画のキャラクターは数知れず、二刀流あるいは二丁拳銃使いの寡黙な主人公と、快活で二枚目な長物使いの親友というフォーマットは、ハリウッドや香港映画の定番となる。生涯通算肉弾戦車撃破数16輌。
長瀬源五郎
登場時海軍大将。海兵35期。「山本リニューアル」の一環として、佐世保鎮守府長官から連合艦隊司令長官に抜擢される。海軍実戦部隊の長として、大戦全期に渡り全部隊を統率。リベラルな気風で海軍内の空気を変えたといわれた。GF司令部の陸上移設をはじめとする数々の改革も手がけている。終戦後、伊藤整一大将を後任に推し、退役。
陣内啓吾
登場時海軍大将。海兵36期。堀悌吉元海軍大臣の懐刀と言われた切れ者。勤務能力は優秀だったが、歯に衣着せぬ言動が仇となって長らく閑職に追いやられていた。海大校長として埋もれかけていたが、海上護衛総隊独立のごたごたに紛れて司令長官に抜擢され、以来護衛部隊の発言力強化と戦力充実に尽力する。
高町士郎
登場時海軍中将。海兵37期の恩賜組。軍令畑一筋の海上生活者で、砲戦指揮と艦隊運動の達人。戦機を捉える独特の嗅覚の持ち主。勇猛果敢な指揮と部下思いの態度から、麾下部隊の士気と練度は常に最高の水準にあった。第二艦隊から第一艦隊に横滑りし、戦後も長らく実戦部隊を率い、伏見宮親王以来となる元帥杖を与えられた……が、どうやらあまりに居心地がよかった(傍からもよさそうに見えた)らしく、それから5年以上もこのポストに留まることに。熱愛ぶりに周囲が呆れるほどの激烈な愛妻家であることは意外と知られていない。永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術の伝承者でもある。
槙原耕介
登場時海軍中将。海兵38期。「山本リニューアル」の申し子(犠牲者?)の一人。人事課で安楽椅子を決め込んでいたところ、突然航空本部長に任命されて目を白黒。それでも持ち前の管理能力の高さで切り抜けるべく奮闘。航空軍令に造詣はあっても、行政に関しては「経験があるだけ」という程度。それが逆に幸いしたか、現場の声を重視するやり手部長との評判。復権目指す艦隊派を押さえ込んで空母補充計画を守り通した功績は大きい。でも、航空機材調達のスムーズ化を図った結果新型機の開発が遅れてしまったことは後日大きな問題になってくるわけで……結局は日本が貧乏なのがいけないということか。なお、妻は世界的にもかなり名の通ったオペラ歌手。
立川雄蔵
登場時海軍中将。海兵39期。機動部隊の拡張に伴い、基地空司令から空母に転身。黙して多くを語らない人柄だが、指揮は的確かつ大胆な不言実行の人。でも、迫力のありすぎる風貌で損をしているような気もする。
千堂和樹
登場時海軍大佐。海兵42期。航空畑を順調に昇進していたが、海大受験に失敗したのがケチの付き始め。軍令部の裏方役を転々とした挙句に海上護衛総隊に飛ばされる。何せ機材も人間も全然足りていないため、航空参謀に就任した後も艦艇の調達に駆けずり回る羽目に。そして物量が軌道に乗った後は、GFとの協同作戦に頭を痛めることとなる。海上護衛総隊の屋台骨を現場でくみ上げた功労者として後世の評価は高いが、本人はきっと不本意だったに違いない。世の中、ままならないものである。
九品仏大志
登場時海軍大佐。海兵42期にして、和樹とは故郷以来の腐れ縁。というか、和樹の心労の何割かは確実に此奴が原因であろう。「山本リニューアル」によってGF先任参謀に就任し、実質GFを牛耳って悪逆非道の限りを尽くす野心多き男。敵も味方もみんな泣かせてしまったようなものか。終戦後の合衆国での評価は、「サタニック・クホンブツ」とまるで悪鬼のような言われよう。あちらの架空戦記の中では前線視察中に乗機を撃墜されて戦死するのが定番。でも、殺したって死ぬようなタマじゃないと思うんだが……
柏木耕一
登場時海軍大佐。海兵43期。高町中将を師と仰ぐ砲術科のホープ。快活で陽気な二枚目半といった普段の雰囲気からは想像もつかないが、戦闘時には「鬼」と呼ばれるほど戦闘的な指揮ぶりを見せる。敢闘精神の旺盛さを買われて「大和」艦長を拝命。しかし、水上砲戦部隊の重要度が低下した九品仏体制下では、あまり出番がなかった。この点、常に出動需要のあった高速戦艦部隊を率いる機会の多かった高町中将とは対照的である。なお、実家は北陸で温泉旅館を経営している。
藤井冬弥
登場時海軍少佐。海兵47期。美幌空の陸攻隊を束ねる飛行隊長。高雄空の野中少佐と並ぶやり手だが、普段は優柔不断そうな物腰で損をしている。しかし、いったん空に上がると的確な指揮と抜群の操縦技術で部下を統率。大戦中はエニウェトクに進出し、一式陸攻を駆って長躯マーシャル東方まで進出し、補給船攻撃に従事した。後の大陸戦役でも、六式陸攻・連山(B−29A)を駆ってシベリア鉄道攻撃に出撃している。
長瀬祐介
登場時海軍少佐。海兵48期。戦艦「天城」砲術長。GF最強戦隊旗艦の砲戦指揮を任されるだけあって、砲術の腕は折り紙つき。特に、機器不調時に見せる目測公算射撃の命中率は80〜90%と文字通り「キレて」おり、第三戦隊の語り草となる。後に「人間方位盤」「電探の電波を直接受信している」と異名を取った。
藤田浩之
登場時海軍少佐。海兵49期。生粋の艦爆乗りで、空母「駿河」の艦爆隊長を務める。ぶっきらぼうな外見と性格だが、人一倍の部下思いで信望は厚い。艦攻隊長の佐藤少佐とのコンビネーションは抜群で、「駿河」隊の鉄床攻撃はGF最強の命中率と破壊力を誇った。
佐藤雅史
登場時海軍少佐。海兵49期で藤田少佐の親友。空母「駿河」艦攻隊長。九七式艦攻を手足のごとく扱う操縦技術は一航艦でも有名。後にこの伝説に、「昼間雷撃を8回やって生還」という一項が付け加わった。終戦後は中佐に昇進し、GF航空甲参謀を拝命した。温和な人柄で、部下からも慕われている。
相川真一郎
登場時海軍大尉。海兵51期。軽巡「神通」水雷長。最精鋭の二水戦旗艦で水雷の一切を任されるという水雷科期待の星。背が低く柔和な容貌のため頼りない印象を受けるが、実際は空手の高段位者で火の玉のような気性の持ち主。部下を叱咤激励して水雷方位盤に向かう姿は、背格好と裏腹に「仁王」と呼ばれた。
坂神蝉丸
登場時海軍特務中尉。第一号海防艦副長。階級の通り水兵からのたたき上げ。海上護衛総隊設立前から対潜戦闘のエキスパートとして鳴らした超ベテラン。水測による爆雷投下の勘は抜群。