ツープラトンアタック
わしっ。
突然、居間で後ろから鷲掴み。
「にゃぁっ!?」
ふにふに……
「へー、73のAってとこかな?」
「は、はうぅぅっ……って、リスティさぁぁぁんっ!」
おもいっきりパニックしてる那美。慌てて後ろから胸を揉んでるリスティの手を振りほどく。
「いいい、いきなり何するんですかぁぁぁっ!」
「いやぁ、ちょっと鍛錬を、ね」
「鍛錬で他人の胸を揉まないでくださいっ! だいいちなんの鍛錬ですかぁっ!」
「永全“不良”八門一派、名付けて真雪流」
「うぅ、わけがわかんないですぅ〜」
そこへ、背後から不意に掛かる声。
「おー、精が出るねぇ」
びくぅっ! と那美が硬直する。
「ま、ままま真雪さん……」
今にも泣き出しそうな表情で怯える那美。
「だが、まだ甘いなリスティ。那美のサイズは70のAだっ!」
「が──────ん! ボクの鍛錬が足りなかったです、師匠……」
そろりそろり……
那美は二人が師弟の世界モードに突入したのを見て、この隙に……と撤退に移る。
しかし、世の中そんなに甘くない。
「というわけで、これから補習だ! かかれーっ!」
「はいっ、師匠っ!」
「ひゃあぁぁぁっ!?」
がし。
左右から二人掛かりで襲いかかられてはどうにもならない。
あっという間に取り押さえられてしまう。
「あぁ、違う違う。そんなふうに正面からだと正確なサイズは測れねーぞ。こうやって下側からだな……」
むに。
「ひ〜んっ、や、やめてください〜っ!」
「こうですか?」
もみもみ……
「あぅぅぅっ!」
「そーそー、そんな感じ。あとはこうしてやるとだなあ……」
くにっ。
「だ、だめですぅぅぅ……あんっ……」
「おー、なるほどー」
完全に犠牲者モードの那美。哀れ、このまま貞操の危機か!?
「お姉ちゃん! リスティ! なにやってるの!」
「あ、あぅぅ、知佳さ〜んっ!」
凍り付く真雪とリスティ。その隙に脱兎のごとく二人の元を逃げ出した那美が、涙目ですがり付く。
「わっ……ち、知佳!?」
「こ、これはだな……先輩と後輩のスキンシップをだな……」
「もぉ、お姉ちゃんいつもそう言ってみんなに変なコトしてるんだから!
何度もやめてって言ってるでしょ。那美ちゃん泣いてるよ……」
「え〜ん、怖かったですぅぅ……」
「うぅ、よしよし……」
そろりそろり……
形勢逆転。脱出を図る。
「リスティ!」
びくぅっ!
「ち、知佳……これは真雪さんが……って、もういないぃっ!?」
「お仕置き!」
夜のさざなみ寮に悲鳴が響き渡った……南無。
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