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 4月16日、そごう7階のよみうりホールで行われた宇宙開発事業団(NASDA)主催の「地球まほろば〜毛利宇宙飛行士の報告会」に参加してきました。 応募したところ、見事に当選したんです。

 仕事以外で東京に行ったのは修学旅行以来、初めてのことです。東京なんつーとこは遊びに行く所じゃないってずーっと思ってましたんで。ということで、久しぶりにおのぼりさんしてきました。高岡駅を朝8時43分に発ち、12時間後の夜8時47分には戻ってきました。完全にトンボ返りです。

 何年ぶりかで上越新幹線に(トンネルばかりでいやなんですが)乗りました。新潟方面から行く時、トンネルをいくつか抜けて(途中、上毛高原など景色のいいところも見えますけど)いきなり高崎付近に出るんですが、この時がほんとに好きです。行く手の視界が一気に広がり、そして右手西側の、関東山地の個性的な形の山々が幻想的に見えるのは、私だけでしょうか。これが社用なら東京に近づくにつれ、だんだん気が重くなってくるんですが、今回はウキウキあるいはうっとりです。


 12時20分東京着、30分過ぎには会場前にいました。開場30分も前に着いて困ったなと思っていたんですが、おどろいたことにもう数百人ぐらいが受付前にごった返していました。E031などという当選番号がそのまま席番かと思ったらさにあらず、良い席は早い者勝ちだったんです。だからだいぶ遅れをとったみたいです。

開場を待つ間に受け付けスタッフをパチリ

 受付を済ませて並んで開場を待っていたんですが、それをNHKが撮影取材に来ていました。並んでいる間、あちこち見まわしたんですが、ちょっぴり期待していたNASDA関連のグッズみたいなものは残念ながら売ってませんでした。

カメラマンが開場を待つ人たちをツツツーと流し撮り


 1時に開場、スタッフの誘導で混乱はなかったですが、どっと入り口になだれ込みます。すわった場所は1階真ん中の左寄りの、まあまあの位置でした。

会場左側にある、スクリーン投影用カメラ


帰国報告会「地球まほろば〜毛利衛宇宙飛行士と考えるかけがえのない地球」(概略)

★13:30開演

★宇宙開発事業団五代副理事長あいさつ
国際チーム6人うち女性2人。
地球の全体の80%の立体地形の測定をした。CDで2万枚のデータ量。1〜2年で解析。
アースカムに5つの学校が参加。
無重量でのリンゴの皮むき。

★STS−99打ち上げの映像に続いて、客席後方から拍手を浴びながら毛利さん登場
(STS−99のユニフォームとヘッドセットの宇宙スタイル)
多くの方々と宇宙からの経験を今日ともにできるのを楽しみにしていました。
地球の素晴らしさを感じて帰ってほしい。
まほろばとは古事記にでてくる言葉で、具体的には住みやすい良いところという意味です。
8年前、宇宙実験のためスペースシャトルに乗りました。
実験のあとシャトルの窓を見たら地球が見えました。
科学者としての仕事で1回目は宇宙へ行く夢がかないました。
宇宙にもう一度行くのは宇宙でいい仕事ができるかどうかです。
そこで一大決心をしてNASAで認められるミッションスペシャリストの資格を取るために4年前から訓練を開始しました。
そして今回、2度目の宇宙飛行が可能になりました。

毛利さんと司会者


★映像を見ながらSTS−99ミッション報告
今回は地球上の人が住む95%の陸地の地図をるため10日間で測量する仕事でした。
地上233km、もっとも低い軌道を回る。
そしてもう一つの仕事、HDTVでの撮影もありました。
2種類の液体が混ざり合うときの動きの実験。
月と地球が同時に見える場面をHDTVで撮影していたとき、関東平野東京、富士山が見えました。
11日間の任務。
沖縄の海もきれいでしたが、カリブ海のバハマ諸島がとくに美しかった。

★アースカムプロジェクト報告
インターネットでスペースシャトル内のカメラの画像を受け、教材として活用。
日本では5校が参加。各校2名が出場し活動内容の報告をする。

1.茨城県つくば市 茗渓学園中学校高等学校
河川や河口、湿地帯を調べ深刻化している環境を実際に目で見る。 バイカル湖。
インドとパキスタン国境沿いにあるタッチ湿地。湿地の減少が問題になっている。乾期には水が蒸発して塩が見られる。
天気の状況が問題。撮影の2〜3時間前にリクエストをするので天気がそのときに悪くなっていないか心配した。

2.高知県伊野町 伊野中学校
宇宙から巨大構造物が見えるか。環境問題を考える。
モロカイ島、オアフ島。 ガラパゴス諸島。
アースカムでの勉強を高知新聞に掲載された。

3.富山県富山市 山室中学校
川とその流域大河。 アラル海の面積の減少。
湾岸戦争で変わったチグリスユーフラテス付近のようす。

4.大阪府交野市 関西創価中学校高等学校
ウィルソン山。 黄河河口付近の汚れ。 チャド湖の砂漠化。
アースカムが国際宇宙ステーションにひきつがれ長期間観測できれば良い。

5.静岡県磐田市 磐田農業高等学校
タイ植林地。雨の多い地帯で写真のほとんどが雲に覆われてしまっていた。
メコン川。 熱帯林が消失。野焼きによる煙が立ち上る。

(休憩10分)

★来場者と毛利さんとの
宇宙から見た地球のどこに興味がありましたか?
  シルクロード、万里の長城を見たかったが冬で見えなくて残念。
  バハマ諸島がきれいでした。

バハマの海がきれいだったと毛利さん

  まだ他にも見たいところはたくさんありました。森林がどれだけ残っているかなど。

訓練から発射まで楽しいことつらいことは?
  天候が悪いとき5時間も待機していた。それから発射延期になったとき。
  富士山がよく見えて感動しました。

どうして宇宙飛行士になったのですか?
  10歳の時にはじめて人工衛星があがり、
  14歳のときに初めて人間が(ガガーリン)宇宙に行ったのを見ました。
  (そんな宇宙開発のようすを見て育ったので)
  35歳の時に日本で宇宙飛行士を募集していたのですぐ応募しました。

質問に観客席に下りてきて答える毛利さん

訓練が大変でやめようと思ったことは?
  48才から始めたが、やめるものかと思ってがんばった。

2020年ごろに有人火星探査の可能性がでてきたがNASDAの宇宙飛行士として参加できると思いますか?
  20年後だけど今52歳、72才だからまだ可能(笑)。

オーロラは宇宙から見ることはできますか?
  今回はあまり見えなかったが、前回はすばらしいオーロラが見えました。
  夜だったニュージーランドのあたりでカーテンのようにゆれるオーロラの間をスペースシャトルが通り抜け、すばらしかった。
  地上からは400kmぐらいの範囲しか見えないが、スペースシャトルからは2000kmぐらいまで見渡せるんです。

沖縄から来ました。宇宙から日本の海の汚染は見えますか?
  沖縄の海は青緑に輝くようにすごくきれいに見えます。
  バハマのサンゴ礁がきれいだったので、宇宙から帰ってきてから実際にバハマへ確かめに行ってきましたが、同じようにきれいでした。沖縄の海はそれより深い青色でした。
  東京湾は沖縄に比べるとそんなにきれいじゃないけど、他の都市のうみから比べるときれいに見えました。

現在高校2年生で宇宙にかかわるような進路を考えているが、毛利さんは進学の時、どういうことを考えましたか?
  高校2年生で化学に熱心な先生のおかげで興味をもって、それで化学を勉強しようと大学に進んだ。でも地学は岩石の名前を覚えなくてはいけなかったので苦手でした。
  宇宙の仕事にはいろいろの分野が必要なので、大丈夫です。

毛利さんが10歳から宇宙を目指したのはギネスブックに載ることではないですか?
  宇宙飛行士はみんな10才ぐらいで宇宙飛行士になりたいと思ったそうです。

至近距離から毛利さん


地上が良かったという毛利さんの話の報道があったが、宇宙・地球の一長一短を。
  重力があることが類人猿のときからのことで、これが自然なんです。
  スペースシャトルの中は快適でも、すべて人工(作られた環境)です。
  戻ってきて地球の自然に触れてほっとしました。



★毛利さんがミッション中にハイビジョンで撮影した映像
 太陽が地球に沈んでいく映像。地球は真っ暗の宇宙の中に(命ある)青白い球体として存在しています。
 宇宙から地球を見ていて、宇宙には地球と同じような星があるんじゃないかと思いました。
 これから私たち個人個人としてなにが大事なのか、なにができるのか考えていきたいと思う。

★15:30閉会



 さて、帰りは東京駅発17時12分のあさひMAXに乗り込みました。1階席だったんで見晴しが悪く、夕日がかかる関東山地が撮影できませんでした。というか、しなかったです、デッキに行けばできたわけなので。
 MAXの1階席は景色が眺められない代わり、揺れが少なく居眠りに好都合です。しかし、うっかりしているとほくほく線乗り継ぎの越後湯沢駅を通り過ぎそうになります。

 ほくほく線は単線区間はトンネルも小さいため、通過のたびに気圧の変化が大きく、ほんとに耳が痛くなりますね。そのトンネルも1つや2つじゃないですから、しまいにコノヤロって思っちゃいます。なんとかならんもんでしょうか。
 行きも帰りも越後湯沢で駅弁を買いました。違う店の違うものを食べたんですが、、うーん、、どちらもうまいとは思わなかったです。電車の中での楽しみはこれしかないですから、おいしい駅弁に当たらなかったのが残念。

 汽車(という言い方は古い?)に乗っているのも直江津を過ぎると、退屈を通り越してもう苦痛です。しかも、帰りのこの「はくたか」だけが禁煙席が取れなかったんで、地獄みたいなもんです。富山に来るまで混んでたことも苦痛の原因でした。ところが、どっと乗客が降りて車内がいきなりガランとすると急にさびしくなります。何だかへき地にきたみたいで (まあ、へき地みたいなとこかも)。
 なにはともあれ20時48分(1分遅れ)高岡駅に降りたときには、ほっとしました。あ〜、、疲れも手伝い、行きはよいよい帰りはこわい。でも毛利さんの報告会を見たあとだから、こんなこと思うのも、なんだかちっぽけに思えてしまうなぁ。


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