中川よしの
「そばにおすわり」 網倉一也作詞・作曲 大村雅朗編曲

プリズムLX-7047-A(LP) 1978.8

 この人のことはアルバム以外、何も知りません。手元にあるこの1枚、レコードから聞こえてくる歌声、ジャケットの写真に写った淡い姿。それ以外のことは何一つ、ヤマハのポプコンに出場したとかそのようなことも、このアルバムは教えてはくれません。そして彼女が出したアルバムはこの1枚っきりなんです。たった1枚というのがこのアルバムの貴重さを高めている気がします。
 曲さえ聴ければそれでよし、のスタンスで来たツケがいま回ってきたような気がします。といっても実際、彼女の話題はほとんどなかったように思います。インターネットを検索して得られたわずかな情報によると、シングルレコードが2枚、他にオムニバスのCDに1曲入っているとのこと。あと、手持ちの6枚組みのオムニバスレコード(
)「フォーク大百科」で2曲、他人の曲を歌っています。
 さて、この「プリズム」というアルバムは全11曲、BGMはA面の最後、「そばにおすわり」。彼女の作った曲ではありませんが、好きな曲であることと、わかりやすいメロディでBGMにしやすかったこと、彼女の声の魅力が出ていると思い、この曲にしました。
 書くことがほんとにないので、苦しまぎれにアルバムの曲目リストでも載せておきましょう。

Side1
1.いつの間にか
杉山政美作詞 中川由乃作曲 上柴はじめ編曲
2.雨の日の想い出
佐々木幸男作詞作曲 大村雅朗編曲
3.涙がかわくまで
杉山政美作詞 中川由乃作曲 上柴はじめ編曲
4.夜明けの幻想曲(ファンタジー)
たかはし政美作詞 淡野保昌作曲編曲
5.そばにおすわり
網倉一也作詞作曲 大村雅朗編曲
Side2
1.七曲り
杉山政美作詞 中川由乃作曲 上柴はじめ編曲
2.あなただけを
杉山政美作詞 中川由乃作曲 上柴はじめ編曲
3.結婚したら
中川由乃作詞作曲 上柴はじめ編曲
4.それでも
谷山浩子作詞作曲 大村雅朗編曲
5.雨の日に
杉山政美・中川由乃作詞 中川由乃作曲 上柴はじめ編曲
6.流れ星
金沢春秀・中川由乃作詞 中川由乃作曲 西崎進編曲

 全体的に少し暗めの曲で構成されています。明るいと言える曲は、「涙がかわくまで」ぐらいでしょうか。谷山浩子が書いた「それでも」もこの場にぴったりの雰囲気です。一言で言うと私好みのアルバムです。
 「そばにおすわり」は暗くも明るくもなく、何か心に浸透して広がってくるような印象です。また、谷山浩子の「銀河通信」のダイヤル先の人が歌っている歌のような気がします。
 たった1枚だけの遠い彼女の存在が今はとにかく懐かしくて、そして気持ちの沈むそんな世界に連れて行ってくれます。と・・ 自分でも何を言っているのかわからないような言い回しですが、感じをつかんでいただけたでしょうか。

「フォーク大百科1964−1977」 LB-7007-A 〜 LB-7012-A (LP6枚組) 1978.3.10
 フォークのヒット曲を他の歌手がカバーしたり、大滝詠一の三ツ矢サイダーのCMソングが収められているユニークなアルバム。
 この中で、中川由乃の名前でSide4 26.「時には母のない子のように」、Side12 90.「河のほとりに」を歌っている。「時には母のない子のように」はカルメンマキが歌ってヒットした。「河のほとりに」は谷山浩子の作品。

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ここまで 2001.2.1



 青木さんからいただいた、シングル「七曲り」の画像です。ありがとうございます

 タイトル曲もカップリングの「雨の日に」も、アルバムには収録されています。
 それで思ったんですが、アルバムに収められた曲はどれも良い曲ばかりなので、2曲ずつシングルカットすればそれだけで5枚は出せたんですよね。そうすればもっと多くの人に聞いてもらえたと思います。その中の1枚でも大ヒットすれば・・。 ま、1枚もシングルを買ってない人間が言うことではないのかも・・・。

 そうそう、アルバム最後の「流れ星」の、曲のエンディングでバックのオーケストラ、これはクラリネットでしょうか、1音だけ音程を間違ってるんです。半音上がっていない。それだけですが妙に目立つんですね。


この項 2001.7.14