雪中記

雪の古町
雪が降りました。
今日、朝起きて、寒いなぁと思いながら窓を開けると・・・ん?何だか白いなぁ。世界が急にモノトーン化したみたいだなぁ。何で?って、雪が積もっているじゃあないか!!!っと、思わず叫んでしまったのです。これが雪山なら、今頃大声のため発生した雪崩にでも会い、雪の中でDNAそのままで新鮮保存されてしまうところでした。危ない危ない。
って、雪って、ヲイ!!!マジで?確か去年も積もったような気がしますが、しかし凄い。和歌山で積もることは先ず無いし、積もったとしても、こんなに積もりませんし。せいぜい行っても1cmぐらいですかね?それに比べてこの現状は・・・全く、京都と言う所に今私がいることを新めて認識させてくれました、この雪は。和歌山にいた頃の私の記憶には、雪が積もっているのを見たのは二回しかありません。今年で京都二年目ですから、もう京都での経験が和歌山と並んだことになります。そう思うと、何やら凄く感慨深げです。(そう言えば受験の時も雪が降っていたような気がします。それを入れれば和歌山の時を抜く?)
まあ、和歌山は南国ですから。京都より遙かに暖かいのです。
雪って、こんなに積もるものだったんですねぇ。テレビとかでは見たことがありましたけど、実際に体験したのは、去年京都に来たのが初めてだったのです。こっちでは、この様に積もることなどあり得ません。去年はあまりの面白さと物珍しさに、深夜二時という時間にも関わらず、家の前の駐車場で意味もなく歩き回ったりしましたが、これがまた楽しいんです。足跡が、自分の後を付いてきて、目の前には、本当に真っ白な雪が広がっている・・・
京都に来て良かったとそれだけでも思える体験でした。
結局一時間ぐらいぺたぺたやって、翌日風邪をひきましたが。
雪を見ていたら、何だか色々と文が生まれてきたので、これは後日快楽中毒でご紹介しますよ。ちょっと文章が堕落依存症に合わないような気がしますから。
で、話が変わって今年。今年は折角だから、雪が積もった道路の上を、ふらふらとデジカメ片手に散歩に出掛けることにしました。写真もとっときたいし。早速着替えて、準備万端・・・と思ったら、早速デジカメの電池が無いというトラブルに見舞われました。お約束というか何というか・・・部屋中探しまくりましたが、結局見つからずじまいでした。まあ、この部屋でものが無くなることは日常茶飯事なので気にも止めませんが。確かに後八本は有ったと思うのですが・・・
多分部屋の何処かに、ブラックホールがあるのでしょう。ああ、恐ろしい恐ろしい。
この景色を何となく記録に残しておきたかったので、てくてくと近所のディスカウントショップへ電池を買いに行きました。しかしそこに行くまでが一苦労でした。車が道の雪を跳ね上げたのが私にかかったり、滑りかけたり、雪が溶けて出来た水溜まりに足を突っ込んだり・・・
思えば、こんなに降り積もる雪の中を歩くのなんて、生まれて初めてなんです。去年は積もった後だったし。
悲惨な目に会いました。これが所謂雪の恐怖って奴か?って、違うって?まあまあ、そう堅いこと言わないで、ニュアンス的には・・・やっぱ駄目か。
と、アホなことを考えている内に、店に到着。電池を購入。
何回良い写真撮れるところ無いかな〜と徘徊していると、結構イイカンジの風景がちらほらと。片っ端からシャッターを切る。まあ、不審者みたいだったとも言えますが、其れには目をつぶってもらうことにしましょう。何だか雪が降っていると、何時も見慣れた風景が消滅してしまうから面白ですねぇ。全然違う町に変化してますもの。山が、嘗て其処にあった山でないのです。
山は山。形は似ていても、違う山?
何もかも、覆い尽くす。
車が沢山通るところは、地面の雪が黒っぽく変色していて、何だか少し汚いのですが、まだ誰も踏んでいない雪はとっても綺麗なのです。(って、当たり前か) 其処をしゃくしゃくと踏んで歩く幸せ・・・何と贅沢なのでしょう。至高の行為って感じです。
ケド、何と言うか、本当にさっきからやって来る車にやられっぱなしです。ああ、またかかったよ・・・もう何だか冷たいよ・・・さらにデジカメを持つ手は手袋をしていないから、手が悴んで感覚が段々無くなってきたよ・・・嗚呼、もう駄目だ・・・
ケド、雪の中を散歩するって、何だかイイカンジ。普段では体験出来ない世界が其処に有るから。皆さんもそうは思いませんか?私は非常にそう思います。素敵だ、雪。最高だ、雪。何てイイカンジなんだろう。
しんしんと降る、その音は、確かに聞こえないけど、聞こえるのです。
大体一時間ぐらい歩き回り、帰宅。
ちなみに、あの写真は某御室川(って、伏せ字になってませんが・・・)其処の川沿いで撮ったものです。まあ、コンクリで固められ、見るも無惨な形をしていますが・・・本当に、こんな事をしていては亡国を迎えるのももうすぐですね。滅亡の足音が・・・おっと、いけない。また脱線してしまいました。
で、夜になって、おなかが空いたので、晩ご飯を食べに行こうと思ったのです。そして、雪の性でまた歩きかなと思いながら外を見ると、なんと雪が降ってはいないではないですか。チャンスだ、ヲレ。
止めとけばいいのに、自転車で行こうと考えたのですよ、私は。行けると思ったんですよ、エエ。だって乗ってる人を見たし・・・しかし私は冷静になって考えてみれば、雪が積もっている道の上を自転車で走ったことがなかったのです。だから気軽に行けると考えていたのですが、現実はそんな事有りませんでした。
本当に命をここで落とすのかと思いました。
普段なら、往復二十分ぐらいの所を倍ぐらいの時間をかけて、スリップ等と戦いながらの冒険でした。いやはや、雪道があれほど滑るとは・・・途中意地になって、意地でも降りへんぞ〜と自転車で家に帰ることに頑なに拘りつつ、何とか無事帰還。いやはやスリリングな旅でした。
取り敢えず、今日友人の家に行く予定だったのですが、一日ずらして貰って正解でした。こんな雪の中行ったら、命の保証は無かったかも?
まあ、雪は良いですねぇ。これも毎日毎日降られたら鬱陶しくなって来るんでしょうけど。しかし、今日は良かったです。雪というものと触れ合えて。和歌山に住んでいたらこんな経験は出来なかっただろうなぁと考えると、感慨も尚更です。
あまり長くすると、皆さんが読むときに途中で飽きてくるだろうし、今日はこの辺で。
そんなある雪の降った日のお話。