『深紅の雫』

指先からこぼれ落ちる血は
雫にも似たようにこぼれ落ち。

絶え間なくつたう血は見つめる度に
美しく、そして抱擁する。

時に、暖かく、時に冷たい

指先からこぼれ落ちた血は
儚くて悲しく散る桜のよう。

血に抱擁した瞬間の熱く切ないものに
悲しく、そして酔いしれる。

時に熱くて、時に冷たくて

静寂の中、血は自ら召されてい