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不定期ゲーム批評
第1回「エストポリス伝記T,U」


 みなさん。こんにちわ。さてはじまった不定期ゲーム批評ですが、最近就職してしまったためかまともにゲームをやれていないのが現状です。しかし、昔は相当ゲームをやっていて、その残骸は我が家のいたるところにあります。ので、まず最初なので言っておきますが。このページでニュートピックの参照はまず期待できないのでよろしくお願いします。20代の男性が飲み屋に集まるとされる「昔こんなゲームがあったよね?」といったかなり軽いノリでスタートしますのでよろしくお願いします。また、月2本くらいはレクチャーする予定ですが、多くなる月もあるし、更新が遅れる場合もありますのでそこらへんはご容赦ください。


 さて、本題に戻って、今回とりあげるゲームはエストポリス伝記というゲームです。ハードはSFC(スーパーファミコン)で、発売元はタイトーです。製作はネバーランドカンパニーというところみたいです。スーパーファミコンというとさまざまなクソRPGをつくるハードとして有名でしたが、このゲームが出た1993年当時は各社がこぞってRPGを出すまさにRPG絶頂の時代でした。そんな中、大手ゲームメーカーが本腰を入れて作り始めたRPGが、タイトーの本作、それとカプコンの「ブレスオブファイヤ」シリーズであると思います。どちらもそれなりには売れました。本作だけでなく、ブレス…の方もやりましたが、僕は本作を気に入ったので、こちらを取り上げます。本作が非常に好きという理由のほかにもうひとつ実はエストポリス伝記Vが近々GBAあたりから今年くらいに発売されそうな勢いなので、さきを越される前に1と2のリビューをやってしまいたいのです。

 まず、GBCから本作シリーズの続編が出たという話を見たとき、大変うれしく思いましたが、ようやく出たのかという思いと、だったら3をだせよという思いがはせたのはこの作品をやっていた人なら誰もが思うでしょう。実際にはさまざまな利権の問題があるらしく、思うようにすすんでいないようなのだが、詳細については謎のままになっています。
 そのくらい、時間が経ってしまったのと、ファンを待たせてやまない魅力のあるゲームなのです。このゲームはストーリー重視であるので、細かいストーリーは語らない。ストーリーなくして語れない本作はとにかく僕としてはやってあの「せつなさ」を体験してほしいというしかない。で、本作は3部作で、FFのような各作品が独立しているものではなく、3作品でひとつのストーリーを持っている。先ほどなぜいまさら、とか忘れてなかったのかといったかというと、3がでていない現在この作品は未完なのである。各作品は1の段階ではそのまま、打ち切ってもよい。1は3部作の最終話にあたるストーリーで、ハッピーエンド?で終わる。が、2はストーリーの一番はじめのもので、この作品と3が続かないと1の謎の多くが、残されたまま終了されてしまうのだ。とりあえず、抽象的な説明をしていてもしかたないので、1から説明をはじめることにしておく。今回はエストポリス伝記だけ説明することに仕様かと思ったが、エストポリスがでそうな勢いなので2まで説明してしまう。


1作目(エストポリス伝記)

 まず、作品背景、主人公の祖先マキシムは主人公の生まれる100年前に虚空島と呼ばれる4邪神のすくう島で4邪神を撃破する。そして、人間は100年の平和を手に入れる。1作目では最初にこのマキシムの虚空島での冒険がさわりだけプレイできる。パーティは十分すぎるほど強いのでまず負けることはない。安心してラスボスを倒すと作品ははじめに設定した主人公へとうつる。
 主人公が生まれる。主人公はマキシムの子孫として武術などの鍛錬もされながら田舎で暮らすわけだが、そこに一人の迷い子が訪れる。その名は「ルフィア」。彼女は主人公が旅立つ際にいっしょに伴い、半端ではない魔力で主人公をサポートしてくれる。その後、さまざまな冒険でかつてのマキシムの虚空島での英雄の一人にあったり、波乱万丈な愛と友情のストーリーが続いていく。そして4邪神を倒すのが最終目的だ。
 う〜む。まったくわからない解説だ。簡単に言うと、主人公とルフィアという女の子が織り成す愛の物語である。どうしてそう言い切れるかというと、海外版の作品では「Rufia」という名前なのだから、もうそうなんでしょう。これはさきほどいうようにネタバレ度がすでに高いので、もうやめておく。
 さて、ネタバレしないでゲームを批評するのはここまで苦痛なものかと思うが、次はゲームのシステムについて紹介しておく。最近のゲームファンには多分こちらのほうが大事だろう。
まず、1作目はアジリティバトルというものが導入されている。これはすばやさ順に戦闘行動が取れるというものだ。FFはアクティブタイムバトルだが、これはボタンを押さないと全滅してしまうが、こっちはすばやさ順だが、リアルタイムには動かないので安心して押せる。他にもいくつかシステムはあるが、とくに目新しいものはない。。。えっ!!大丈夫なのか?と思うかもしれないのだが、このゲームシリーズの大きな特徴というのはそのときに出てるゲームのおもしろい部分をうまく融合させたスープみたいな作品で、このバトルシステムも画面はDQ式のテキストバトルなのに、FFのアジリティも導入するといううまい調合のしかただ。実際、冒険中は本作シリーズの最大の売りであるパズルの要素の原型も随所に見られる。
2では露骨になるが、これは普通のRPGといわゆるゼルダの融合である。とにかく、新しさという意味では皆無に近いのだが、よいものはよいものである。という基本的な考えが貫かれており、ゲームプレイ中は不思議な安心感があたりをつつむ。

 次に行くか。次はヒロインのルフィアについてだ。この子はとにかくイイ!めちゃイイです。断言しますね。はじめは、主人公が幼いころに訪れる迷子でどこの馬の骨とも分からないバッチィ女の子ってなイメージがあるのですが、しばらくときが流れて立派に大きくなるとなんともいえないイイ女のこになっていて、冒険を進めるとさらにもえもえ度が増していきます。まず、素直であること。頭のよいこと。主人公に対して非常にいたいけであることなどが上げられます。いわゆる正統的ヒロインのような部分をもっているだろう。しかし、先ほどもいったように前回の祖先マキシムの仲間達やその縁者に会うたびに、そして重大なイベントをこなすたびにヒロインであるルフィアは本人の予期しないさまざまなトラブルを起こしてくれる。性格がいいのでどうしても助けてしまいたくなってしまうわけだが、ここらへんでひとつの疑問が残るのだ。それは先ほどは全然語らなかったが、4邪神がマキシムによって倒されるわけだが、4邪神が1つの神に合体する時に4邪神の一人の女神が波動が合わずに合体にてこずっている姿が目撃される。そのときにはほとんどの人はこの複線はなんであろうかと思うのだが、ルフィアが訪れたときに気づいてしまう御利巧さんもいるかもしれない。そう、ルフィアはこの女神の生まれ変わりで再び4邪神を倒されまいと主人公のもとに訪れた刺客のはずなのだ。実際にはこの女神は女神のときの記憶一切忘れており、一時的にも女神の記憶が戻りそうになっても、ルフィアはひたすらに主人公についていく。ここらへんまでくるともうネタバレに十分すぎるほどなってるが、この先どうなってしまうのだろうか?と本気で心配させる。ここらへんに作品としての完成度が高いことと、プレイヤーを引き込むシナリオの優れた点が上げられると思う。このごの二人の展開についてはとにかくやって確かめてもらうしかない。その日はあまりの感動の渦に眠れなくなること請け合いです。

1作目の唯一の難点というと、作品が長い割にはダンジョンでのエンカウント率が高いこと。一時期の敵ラッシュに比べると格段に少なくなっていると思うが、それでも作品のストーリーが盛り上がってくるとどうしても億劫にかんじてしまう。まあ、特別高いというわけでもないので、シナリオがシステムに勝ってしまっているともいえる。


2作目(エストポリス伝記U)

 こちらは2年後の1995年に発売される。1作目のオープニングで登場した「マキシム」とその仲間達のストーリー。1作目で主人公マキシムのヒロインはセレナであると思っていたが、プレイをはじめると主人公マキシムにはティアという女の子が付き従っている。はて、誰だろう?この子は?と思っていると、主人公に対する従順ぶりが、「この後、この子はマキシムに振られてしまうのだろうか?」と考え始めるともはやいても立ってもいられない。それでいて使えないキャラだったら、あきらめもつくのだが、なんとティアは戦闘でもそれなりに役立ってしまう。やがて、セレナが現れて、しだいにマキシムの心がセレナに惹かれていき、いつのまにか(本当は全然いつのまにかではない)いなくなってしまい、俺のティアを返せってなかんじのプレイヤーも多かったことでしょう。
 で、実際には結論は見えている。そう、マキシムは4邪神を倒すことは前作から分かっていることなのだ。しかし、そうは問屋が卸さない。マキシムの子孫である1作目の主公がどのように生まれ、そしてマキシムたちがどうなってしまったのかは謎のままだ。これら、虚空島戦記のパイオニアであるマキシムの織り成すストーリーはどのようなものであるかは、みなさんが実際にプレイして確かめてほしい。とはいえ、前作ほどのパワーはないように思える本作だが、システムは大きく向上している。

 まず、通常のダンジョンでのしくみが1作目を大幅に上回っている。ダンジョンにゼルダ調のパズル要素が加わっている。内容はきわめて普通のパズル型アクションゲームに利用されるものだ。なかなか面白いと感じたのはパズルに使うアイテム(ツール)はゲームの進行によってじょじょに増えていくこと。ゲームの序盤で話にも聞かないようなダンジョンを見つけてもツールがないためにパズルができず進めなくなっていたり、逆に頭をフル回転させることで、入手が困難なアイテムを早いうちから手に入れることができるなど、前作で非常に苦痛であったダンジョンの探索などを非常に有意義なものにしている。
 また、戦闘時にはカプセルモンスターと呼ばれるものが使える。なんかきいたことあるようなないような名前だが、当時まだ流行りかけであった。これらの要素をゲームに取り入れて全体的に非常に飽きない作りを持たせている。

 なんのかのでほとんど時間を感じぬままラストダンジョンにたどり着く。前作で見覚えのある虚空島のダンジョン。そして、ラスボスと対決!無事勝利する。ここでは、前作へのつなぎは若干分かっているのだが、この感動的なエンディングは是非みなさん自身が自分の手で体験してほしい。さまざま、人物の愛と友情のストーリー。とにかくほっておけなくなるこのゲームは、私としては白鳥の湖やシンデレラをはじめて読んだ子供のようにあとの印象が非常に強かった。それは一連の恋を体験し、それをふと思い出したときと同じくらいの想いかもしれない。


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